動物園の洒落たセンス

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を作っていると、世の中の面白そうな情報が数々入ってきます。

問題の正解を聞いた人達が「そんな訳ないだろう」という意見と「ほんとかよ!」という驚きと、2つに分かれる情報が面白い、と我々は思っていました。

問題としては嘘っぽいけれど、嘘でも本当でも、興味が持てれば最高ですね。

第13回のグアムでの○×問題で、次のような問題が出されています。

問・上野動物園のジャガーの夫婦は「おジャガ」にひっかけて、「ポテト」と「チップ」という。

答・○

解説 オスが「ポテト」メスが「チップ」でなんと○が正解でした。

「彪」の画像検索結果

そんなバカな名前は付けないだろう、という常識的な判断を裏切った理想的な問題でした。

動物園では、動物の名前を付ける時に覚えやすく、愛される名前を考えているようです。

そう言えば今年の5月、大分県・高崎山のサルに「シャーロット」と名を付け話題になりました。

同時期に誕生した英国王女と同名のため「失礼だ」と批判が殺到したのです。

これは一般公募で1位になった名前ですが、賛否両論が出て騒ぎになり、英国王室では「問題ない!」との意見があり、その名前に決着しています。

「高崎山 猿」の画像検索結果

この騒ぎでは、高崎山の宣伝となり観光客が押し寄せ大きな効果を上げています。

動物園の動物達に、個々の名前を付けるのは、家庭で飼育するペットと同様、愛くるしい名を付けるのは当然の配慮でしょう。

国際的には、たかがサルの名前で大騒ぎとは「おかしな国」との批判もあったそうです。

日本人はこの猿騒動のように、周囲に気を配りすぎと言われ、これは日本人の美徳となっています。

でも、物事はほどほどがよろしいようで…。

アメリカの大統領関連問題

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、ご当地アメリカに関する問題が多いのは当然でした。

アメリカの歴史、文壇をはじめとした著名人、大統領関連などが主な項目でした。

アメリカ大統領に関しては、学校でも初代ワシントン、リンカーンをはじめ、偉業を成し遂げた人達の功績を勉強しているので、多くのクイズ問題が創られました。

特に、来年はアメリカ大統領選挙が行われる年なので、最近のニュース番組では、各候補の動向が盛んに伝えられています。

今でも通用する大統領選挙に関する基本的な問題が、第8回のフェニックスで出題されています。

問・今年、アメリカは大統領選挙。さて、大統領になれるのは何歳以上のアメリカ市民?

答・35歳以上

解説 来年は第44代のオバマ大統領の任期が切れ、4年ぶりの大統領選挙の年です。

本選挙は11月8日の予定で、現在は候補者たちが全国を回って予備選挙の運動を盛んに繰り広げています。

アメリカ大統領は、世界で最も影響力のある存在ですから世界中の注目を集めています。

日本にとっても誰が当選するの? は関心事でしょうが、同盟国だけに大きな影響が出るのは間違いなさそうです。

アメリカの大統領は国民から愛され、永く記憶に残そうとする国民性があるようです。

例えば大都市では大統領の名を付けた空港が幾つもありますし、最近横須賀に入港した原子力空母ロナルド・レーガンのように戦艦にその名を付けたもの等、多岐に亘ります。

また、第8回でクイズ会場になったマウント・ラッシモアのように岩山に4人の大統領の顔を彫刻するなど、功績を残すための記念碑ですね。

我が国でも、永く国民から尊敬される指導者が現れて欲しいものです。

でも、日本人にはこの様な事を「無い物ねだり」と言って諦める習慣が付いています。

 

 

時代で変化する価値感

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、答えを聞いて「へー、そうなの!」と面白そうな出来事を探して問題化していました。

その中には、現在では大変評価の高い芸術作品や建造物、人物なども最初は評価されないどころか、最悪との評判を呼んでいたものもあります。

意外性の面白さですね。

特に、絵画や彫刻などの芸術作品にはこの傾向が強く、今では世界的な名画と呼ばれた作品も、作者が存命中には誰にも認められなかったという作品は多数あります。

時代によって、価値観の変わった物を探していた時に、出会ったのが次の問題でした。

第14回のタヒチで出題されました。

問・完成して今年で101年。落成当時は「無用の塔」と呼ばれた、セーヌ河畔の建造物とは?

答・エッフェル塔

解説  ではパリを象徴するエッフェル塔ですが、建造された当時はパリっ子達に不評で、景観を損ねるという声が高かったのです。

エッフェル塔

そもそもこの塔は、1889年にフランス革命を記念して、パリで万国博覧会が開かれる事になり、そのシンボルとして計画されました。

でも、奇抜な姿が嫌われ、芸術家や文壇などの知名人が先頭に立って反対運動を繰り広げたのです。

反対派の文学者、モーパッサンは完成後一階のレストランに良く通ったそうです。

その理由は「ここがパリの中で、忌々しいエッフェル塔を見ないで済む、唯一の場所だから」との言葉を残しています。

当初は1909年に解体される計画でしたが、軍事用の無線電波を送信する恰好の施設として評価され、取り壊しは中止されたという運命をたどっています。

現在ではパリの、と言うよりはフランスの象徴となっているエッフェル塔ですが、波乱の歴史を経て今日に至っていたのです。

たった一問のクイズ問題にも、この様なドラマが隠されている、今だから話せる裏話でした。

超常現象は興味の対象

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、興味深い出来事や事件などの中から創られた問題が数多くありました。

昔からテレビ番組では、超常現象を取り上げた番組が多くありましたね。

心霊現象、UFO等がその代表的な例で、夏の定番では「お化け」を見たと言う体験者が出るなど、不思議番組が高視聴率を獲得していました。

このような話は面白いのですが、クイズ問題として取り上げるには、神経を使わなければなりません。

第15回のニューヨークの決勝戦で次のような問題がありました。

問・同一人物が二つの場所に現れる現象を、ドイツ語で何という?

答・ドッペルゲンガー

解説 ドイツ語で「二重に歩む者」を意味する言葉です。

日本語の辞書では、自分自身の姿を自分で見る幻覚の一種と訳されています。自己像幻視とも言います。

ドイツの民族信仰では、生きている人の霊魂が一時肉体を離れる事があって、同時に異なる場所に同一人物が現れるという伝説です。

もし本人が、自分の姿を見た場合には、間もなく死亡すると信じられ、そのようなお話が沢山作られています。

如何にも、少女達の興味を引く劇画にピッタリ来そうなテーマですね。

「ドッペルゲンガー 意味」の画像検索結果

我々は、外国の民話を調べていた時に、この言葉に初めて出会い、クイズ問題に取り上げました。

でも20数年経った今では、超常現象愛好家の中では理解された言葉となっているようです。

七福神はクイズの宝庫だった

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズのクイズ問題の中で、ある一定の知識を吸収すると、数多くの問題が正解出来るという範疇が有りました。

それは日本人の多くの人達が知っている神様、七福神についてです。

七福神は、日本中の至る場所に祀られている神様で、それぞれ幸せに関する得意技があるため、信仰している人も多いようです。

第7回のレイクパウエルで、次のような問題が出題されています。

問・七福神で、おへそを出しているのは誰?

答・布袋様

解説 七福神はそれぞれ特徴のある服装をして、何かを持った姿で知られています。

因みに、布袋様は唐の末期に実在した禅僧といわれ、太ったおおらかな風貌が好まれ、弥勒菩薩の化身とも伝えられています。

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この神様たちの姿を良く覚えただけで、幾つかのクイズ問題に正解出来るでしょうね。

・琵琶を持っているのは? ・大きな袋を担いでいるのは?  ・釣り竿を持っているのは?  ・打出のこずちを持っているのは?  ・女の神様は何人?

これはホンの一例ですが、神様たちの特徴まで調べると際限なく問題の範疇は広がって行くでしょう。

七福神とは大黒天、毘沙門天、恵比寿天、寿老人、福禄寿、弁財天、布袋尊の七つの神様の総称です。

神様たちはインドや中国から伝わった方々が多いのですが、唯一日本で生まれ育ったのは恵比寿様だけと伝えられています。

何れも、お金や健康、運などを運ぶ神様として民間信仰で発展し、江戸時代の中頃に確立したようです。

例えば、東京の浅草などでは「七福神巡り」と呼ばれるコースが設定され、歩いて神様たちが祭られている神社を巡る事が出来ます。

善男善女の寺社巡り、老人大国と言われる中で、現在最も盛んなレジャー の一つとなっているようです。