3種類の知識で正解1つ

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、クイズファンには幅広い知識を求める事が多いと噂されていました。

当然、クイズ自慢の挑戦者が戦う場ですから、幅広い知識が求められる事になります。

中には、一つの問題でありながら、3種類の知識が無いと正解出来ない問題も出てきます。

第13回のクイーンズ・タウンでその典型的な問題がありました。

問・明智小五郎、シャーロック・ホームズ、銭形平次。扶養家族がいるのは?

答・銭形平次

解説 銭形平次に関して知識のある方なら、彼には「お静」と呼ぶ女房がいる事が解るので即・正解出来ます。

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でも、それぞれの登場する本やドラマを見た事のない人には見当が付きません。

明智小五郎やシャーロック・ホームズは果たして独身か妻帯者か? まず悩んでしまいます。

本来、3種類の本を読んで知識が蓄積されていれば、実に簡単な設問ですが、逆に文学に無関心な人だと難問に感じてしまうでしょうね。

このブログでも時々書いていますが、小説に関する設問は、タイトルや作者を当てるだけではありません。

少なくとも、登場人物や、粗筋程度は読んでいないと正解出来ないような問題が多かったのです。

この辺が、学校のテストとクイズの違いと言えるかも知れませんね。

 

 

スニーカー物語

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズが開始されたのは70年代の後半でした。

この時代から、世の中で流行したものにスニーカーがあります。

今では、スニーカーは誰でも必ずというほど所有している履物の代表的な存在になっていますね。

これが流行し始めた頃、第4回のソルトレイク・シティーでクイズ問題になっていました。

問・英語で「忍び歩く」という意味の靴といえば何の事?

答・スニーカー

解説 英語のSneak (忍びよる)から派生した命名でした。

「忍び歩く靴」とは忍者か泥棒用とのイメージで、日本語の直訳ではこの様なヒット商品には至らなかったでしょう。

発祥の地イギリスでも、忍び寄るイメージを嫌いテニス・シューズ、或いはトレーナーと呼ばれて普及したとの歴史がありました。

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本格的に流行したのは70年代の後半で、NBAの大スター、マイケル・ジョーダンとナイキが契約し爆発的なヒット商品となりました。

その後はリーボックを筆頭にスポーツ用品メーカーがハイテク・スニーカーを売り出し世界中の若者たちが愛用を始めたのです。

折からの、マラソンやジョギング・ブームで活動的な履物として、世界中に行き渡ったのです。

もしも、忍者や飛脚が活躍した時代にスニーカーがあったとすれば、当然彼らも飛びついて愛用した事でしょう。

スニーカーは活動的で、履物の優れものと言えるでしょうね。本日はその語源のお話でした。

色の持つイメージ

アメリカ横断ウルトラ・クイズはあらゆる分野からクイズ問題が創られていました。

クイズは設問に対して正解は一つ、と限定されているのがルールです。

正解と思われる説が複数あるものは、クイズ問題として成立しません。

例えば、判断に迷う設問で「そうとも言える」と別の意見が出る場合は、クイズ問題とは言えないのです。

具体的に挙げるなら、色に関してイメージを問う問題が有りました。

色には個人の好みがあって、それぞれ感じ方が異なるのが普通です。

でも、世の中で定説になっているイメージがあり、その場合は正解は一つなので、クイズとして成立します。

第9回のアナポリスで、次のような問題が出されていました。

問・悪党の腹の中は真っ黒。私の過去は真っ白。では、ほら吹きのつく嘘は何色?

答・真っ赤。

解説 黒が悪巧み、とのイメージは万国共通のようですね。腹黒いと言われて喜ぶ人種は居ないでしょう。

また、逆に純白はウエディング・ドレスでお馴染みのように純粋な色の代表でしょう。

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赤は情熱的などとイメージする人も多いようですが、日本語では「真っ赤な嘘」と言われるように信用されない色になっています。

その他日本語では「赤っ恥」「家計の赤字」「危険信号」など負の色に使われる色でもあります。

でも逆に元気を取り戻す時にも「赤」が活躍した例も沢山あります。

戦後、荒廃した日本を勇気付けてくれたのが「リンゴの唄」でした。

赤いリンゴにくちびる寄せて~

焼け野原の日本中にこの歌が流れ、勇気付けられた人は多かったのです。

また、美空ひばりさんの「真っ赤な太陽」も空前のヒット曲となりました。

歌に唄われると「赤」は人々に勇気を与える効果があるのかも知れません。

アメリカの国旗の3色にも意味があり、赤は勇気、大胆、度胸の色とされています。

色に関するイメージはそれぞれ異なり、そこで生まれた言葉が10人10色ですね。

 

 

 

 

盛り上がる米大統領選挙

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズは戦いの舞台がアメリカなので、ご当地アメリカに関する問題は多数出題されていました。

その中には、アメリカのトップの座にある大統領に関する問題も多く含まれていました。

特に大統領を選ぶ選挙は、日本の首相を選ぶ手続きとは異なり、予備選挙という難関を経なければならず仕組みが複雑です。

しかし、今年の大統領選はドナルド・トランプ氏という強烈な個性の人物が登場したため、世界の注目度がヒート・アップしています。

現在の所、ヒラリー・クリントン氏 VS ドナルド・トランプ氏の対決の図式で盛り上がっていますが、隠し玉の作戦もあるようで、先が読めていないようです。

この両者の動向が毎日のニュースで取り上げられるため、大統領選挙の複雑な仕組みが良く理解できるようになりました。

歴史的に日本とアメリカの繋がりは、ペリー提督が黒船でやって来た江戸時代末期から始まっています。

日米両国の正式な付き合いに関する問題が、第11回のワシントンD・Cで出題されていました。

問・幕末に日米修好通商条約に調印した日本の代表は誰?

答・井伊直弼(いいなおすけ)

解説 1,858年にアメリカ総領事のハリスと幕府の大老井伊直弼によって結ばれた条約です。

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彼は朝廷の許しを得ずに、アメリカの勝手な提案を受け入れたため不平等条約と日本史では記されています。

これを切っ掛けに、幕府と朝廷の対立が激しくなり、過激な水戸藩士等によって井伊大老は桜田門外の変で、暗殺されてしまいます。

封建時代から近代化に向けて、日本が大きく変革する切っ掛けになった条約とも言えそうですね。

この条約の何が不平等なのか? 詳しく知りたくなるのが知識欲と言うものです。

クイズに強い人はこの様な疑問を即調べる、という事を日頃実行して知識の幅を広げているようです。

皆さんも調べると、日本史の面白さを発見する事が出来るかもよ。

 

問題になり易い素材

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズのクイズ問題を振り返って見ると、一つの素材から何問ものクイズが創られている場合があります。

例えば特別天然記念物に指定されている「大山椒魚」という生物がいますね。

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この生物を、縦・横・斜めから眺めるとクイズ問題になりそうな謎が数多く含まれている事が解ります。

日本の代表的な作家、井伏鱒二の短編小説「山椒魚」の物語はクイズ問題の定番的な存在です。

又、別名の「ハンザキ」という名称もクイズ・ネタになる伝説があり出題された事がありました。

また、山椒魚の名称も「何故?」という疑問が湧いて来ます。

第12回のグアムの○×クイズで、この問題が出されていました。

問・特別天然記念物の「大山椒魚」は、危険を感じると山椒の香りの液を出す。

答・○

解説 山椒魚は身の危険を感じると、山椒の香りの液を出して外敵から身を守る習性があります。

日本では、平安時代以前から食用とされ、調理の時にも山椒の香りを出し名前の由来になっています。

食通で名高い北大路魯山人の著作でも、この事が記されており、山椒の香りと山椒魚は密接な関連があるようですね。

生命力が強く、身体を半分に裂いても生きているという伝説もあり、ハンザキの別名で呼ばれています。

伝説では半分に裂いて、川に戻すとやがて裂いた部分が復元すると言われていますが、その証明はされた事がありません。

でも、それほど生命力が強いと信じられていたようで伝説になったのでしょう。

一つの素材も、多角的に眺めるとクイズ問題になる謎がいろいろ含まれている例として、山椒魚を取り上げて見ました。