アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、通常の常識を少し捻った視点で創られた問題が多くありました。
一言で「素直じゃない」「意地悪」「引掛け」との表現も出来ます。
この狙いは、知識の本質を理解していれば正解出来る。でも、勘や創造だけではダメとの目的です。
その代表的な問題が、第3回のワシントンDCで出題されていました。
問・歌で知られるワシントン広場があるのは何という都市?
答・ニューヨーク
解説 ポップスの黄金時代と言われた60年代に「ワシントン広場の夜は更けて」という曲が大ヒットしました。
この広場はニューヨークのグリニッジ・カレッジの中心地にあり、当時の若者が週末の夜に、ギターを持って集まり、自由に演奏していました。
芸術家の卵や、当時ビート族と呼ばれた若者達の聖地とも呼ばれた広場だったのです。
この知識をしっかりと持っていれば正解出来る問題ですが、勘で「ワシントン」と答える人も予想できます。
ワシントン広場だからワシントンに在る、こんなイージーな考えでは、勝ち残れません。
こうした挑戦者を、徐々に選別するためにも、引っ掛け的な問題が必要だったのです。
中途半端な知識では、勝ち残れない番組のイメージをしっかりと主張しなければ視聴者の心は掴めません。
知力、体力、時の運で楽しさを強調しながら、実はクイズ本来の知識の高さを示す、これが基本コンセプトだったのです。
問題は、ただ雑然と並べられていたような印象ですが、その配分の匙加減が結構大変だったのですよ。