女性政治家の話題の年でした

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの裏話を書いていますが、今年の最後の記事になりました。

今年はどんな年だったのでしょうか? 年末には毎年テレビの番組がその年の決算をしています。

そうした中で、世界的に女性の政治家が話題になった、という項目がありました。

アメリカでは、初の女性大統領が誕生するか? と話題になりましたが、ヒラリー・クリントンは残念ながら破れ、トランプ氏が次の大統領に決まりました。

お隣の韓国では、朴(パク・クネ)大統領が世紀のスキャンダル事件に巻き込まれ、財閥までも巻き込んだ騒動になっています。

日本では、初の女性東京都知事が誕生し、今年最もテレビを賑わした人として、小池百合子知事が話題になりました。

クイズ問題でも、世界初の女性という問題は数多く創られていました。

その中でも、特に印象に残った問題が、第7回のロスアンゼルスでありました。

問・アメリカ初の女性宇宙飛行士はサリー・ライド。では、史上初の女性初の宇宙飛行士は誰?

答・テレシコワ

解説 ロシアのテレシコワさんは1963年6月にヴォストーク6号で地球を48周しました。

この時の言葉。「私はカモメ」が世界中で流行り、その年の流行語でした。

話は今年の日本に戻って、小池百合子さんの「都民ファースト」も今年の流行語大賞にノミネートされていましたね。

オリンピックの経費問題、都議会の改革、豊洲の市場移転問題、数多くの難題を抱えながら孤軍奮闘している姿は多くの都民の共感を呼んでいます。

「ジャンヌダルク」の画像検索結果

中には平成のジャンヌ・ダルクと評する記事もあり、小池東京都知事を応援するメディアもありました。

因みにジャンヌ・ダルクとはフランスの国民的ヒロインで数奇の運命を辿っています。

東京都民としては、来年も大変でしょうが、オリンピックまでは小池知事に大いに頑張って頂きたいものです。

更には、日本初の女性総理を目指す!とういのも夢があって良いですね~。

皆様、来年は良いお年をお迎えください。

知って欲しい知識

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、専門家なら常識でも、その他の人にも知って欲しい知識を紹介する目的もありました。

最近、世界で薬の間違いで生命を落としたという話が、ニュースになった事がありました。

日本では、薬の誤飲で事故になる事は少ないようですが、それは一般の知識が浸透しているのと、法律で守られているからでしょう。

第16回のグアムで、薬に関する問題がありました。

問・薬のビンに貼ってあるラベルで、白いラベルに赤い文字は何の薬?

答・劇薬

解説 劇薬の指定は厚生労働大臣が行い、直接の容器又は箱に、白地に赤枠、赤字をもって品名及び「劇」の文字を記載しなければならない。

これは薬事法44条によって、定められています。

劇性の強い物は「劇薬」。毒性の強い物は「毒薬」で、共に「劇」又は「毒」の文字を表記するように決められているのです。

「劇薬」の画像検索結果

勿論、この様な薬品は薬局で自由に購入できるわけではなく、それなりの手続きが必要なのは当然です。

それでも、家庭で不注意に誤飲のないように、国が配慮している、流石に先進国ですね。

この様な知識は、一般常識として親が子供に伝えて欲しい重要な問題です。

誰でもが、知って損の無い知識、これもクイズ問題の重要な狙いだったのです。

〇×問題の面白さ

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中でも、クイズ作家が苦労したのは〇×問題のアイディアでした。

誰でも知っているような問題であり、実は正しい知識が無い、その様な曖昧な部分が面白い問題になりました。

解答者は2者択一ですから、単なる感で答えても正解率は50%です。

とは言え、他人の後に追いて誤答したのでは、後で諦め切れません。

だから、司会の福留さんも「自分の判断で選べ!」と声を大にして叫んでいました。

グアムの場合も、咄嗟の判断で決めないと、恐ろしい泥んこプールが待ち構えていました。

第12回のグアムで、次のような問題がありました。

問・幕末の頃、「少年隊」というグループがあった。〇か×か?

答・〇

解説 当時はアイドル・グループの少年隊が人気の時代でした。

幕末と言えば、坂本龍馬の海援隊、或は戊辰戦争で活躍した、会津藩の白虎隊が有名です。

若しかすると、何処かに少年隊と名乗るグループがありそうです。でも、これは引掛け問題かも知れません。

挑戦者は焦った事でしょうね。

実は、戊辰戦争で白虎隊と同じように戦った、少年たちの歴史が福島県にあったのです。

福島県二本松市にある、二本松藩を護ろうとして、二本松少年隊が組織され、悲劇の戦いがあったのです。

白虎隊ほど、後世に名を残していませんが、藩士の子供達で明治政府軍と戦い敗れていました。

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二本松城は再建され、現在ではこの少年隊の歴史も広く公開されています。

幕末の歴史的な名称は、武田鉄矢さんの海援隊が有名ですが、少年隊も現実に存在していたのでした。

 

古い風習の意味を知ろう

 

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、日本の伝統的な風習や、習慣などに関する問題が時々出題されていました。

この種の知識は、昔は祖父や祖母から言葉で教えられた知識でしたが、近年では核家族化され、お年寄りと一緒に生活している家族が減っています。

従って、古い伝統や習慣などは次世代に伝えられる事も少なく、知識の盲点になりそうな分野です。

それでも日本人として知って欲しい知識なので、クイズ問題には時々採用されているのです。

第11回のニュージャージーの準決勝で次のような問題がありました。

問・七五三は子供のお祝いですが、漢字で七五三に「縄」という字を付けたら何になる?

答・しめなわ(七五三縄)

解説 今年も余すところ1週間になりました。この時期になると、各家庭でお正月の準備が始まりますね。

そこで、登場するのが七五三縄です。この縄の意味は、神の領域と現世を隔てる境界を示すそうです。

「しめ縄」の画像検索結果

この由来は、天照大神が天の岩戸から出た際、再び岩戸に入らぬよう、七五三縄で戸を塞いだとの日本神話にありました。

藁(わら)で懇切丁寧に編んだ七五三縄、神社や神棚で見かけますが、この様な意味を持った縄だったのです。

日本人なら知って欲しいこうした知識も、次第に忘れ去られて行く運命で、時代の変化を感じますね。

初詣で神社にお参りする際に、この様な話題を得意気に話すと「知ったかぶり!」と嫌われるので、ご用心!

 

芸術作品の歴史

アメリカ横断ウルトラクイズの問題の中には、表面的な知識に加え、更に深い知識を求める問題がありました。

例えば、文学や絵画・彫刻など芸術作品に関する問題の場合、作品と作者名を結びつけるだけの表面的な問題はありません。

文学の場合は、少なくても作品を読んでいれば必ず正解出来ますが、単に作品名を知っているだけではダメという姿勢でした。

絵画や彫刻でも、作品の歴史や作られた経緯、作者のエピソードなどの知識が加れば有利になります。

第14回のタヒチで次のような問題がありました。

問・ロダンの作品で、発表当時「詩人」という題名だった彫刻といったら何?

答・考える人

解説 ロダンの彫刻と言えば「考える人」が有名で、義務教育の美術の時間に学習しているはずです。

The Thinker, Rodin.jpg

従って、勘で答えても正解出来るでしょうが「まさかあの名作の名称が変わるはずが無い」と躊躇した人もいるでしょう。

こうした挑戦者の微妙な心理を読んで、この問題は成立したのでした。

この作品はパリの装飾美術博物館の「地獄門」の上にロダンによって作られ、当初は「詩人」との名前でした。

ロダンの没後、この像をブロンズ像に鋳造した時に、職人によって「考える人」に改名されたという歴史がありました。

最初は「地獄門」の扉の上で、見下ろしている像だったのですね。

この像を拡大して独立させ、銅像として世界に知られる「考える人」として有名になったと記されています。

世界的に知名度の高い芸術作品には、様々な歴史が憑いてまわる事があります。

その辺のエピソードは、知って得するクイズ問題の素材として宝庫と言えるかも知れません。