偽物の出ない方法

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、日本語に関する常識問題が多数出されていました。

日本語の常識なので、誰でも答えられると思うのでしょうが、実は日本語は世界の中でも学ぶのは難しい言葉なのです。

文字だけでも、漢字、片仮名、平仮名と3種類もあり、漢字に至っては読み方が様々です。

日本人でも難しいので、漢字検定試験まであって、全てを理解している人は少ないはずです。

そんな日本語の、基礎的な問題が第14回のレバノンで出されていました。さて、皆さんなら正解出来ますか?

問・反対語。「創業」の反対は「廃業」。では、他人の真似をする「模倣」の反対は?

答・創造

解説 日本語の辞書によれば「創造」とは、それまでに無かったものを初めて創り出す事とあります。

様々な発明品が、それに当たりますね。その権利を守るために特許権が存在し、世界的に連携しています。

しかし、この連盟に加入しないで、似たような偽物を作って世界へ輸出しているような国もあり、困ったものです。

また、小説や詩、など言葉の組み合わせでも、創造となり著作権で守られています。

これも、時々表現が似ているとの訴えがあり、裁判で争うような出来事がありますね。

但し、テレビ番組の場合は視聴率の高い番組が現れると、似たような番組が平然と現れます。

と、言っても番組同士の争いになりません。何故なら、実力次第で、負けた側が自然に消えてしまうからでしょうね。

幸いな事に、我が「ウルトラ・クイズ」は似たような番組が現れず、他局との争いも起こらずに平穏な17年間でした。

尤も「こんな馬鹿げた企画本気で創れないよ」とそっぽを向かれていたのかも知れません。

本日の結論です。「創造」は桁外れに馬鹿げた方が面白いかも知れませんね。偽物が出て来ないためにも。

見過ごされる盲点

アメリカ横断ウルトラクイズの問題の中には、人々の知っているようで、実は見過ごされている盲点の問題があります。

クイズ問題の定石の中に、誰でもが知っている日本のお金に関する問題がありますね。

紙幣、硬貨共にデザインの中から創られるのが一般的です。例えば10円硬貨の裏側に描かれている建物は何?

これなどは定番中の定番で、面白い発見がないので我々の番組では「没」の可能性が高い例と言えるでしょう。

そんな中で、紙幣の盲点を発見したクイズ問題が、第15回のハワイで出題されていました。

問・現在日本で発行されているお札の中で、唯一「世界地図」が描かれているのは何円札?

答・五千円札

解説 五千円札といえば、新渡戸稲造、聖徳太子、樋口一葉などが思い浮かびますね。

これ等の人物の、功績を想像出来れば、一番新しい新渡戸稲造の人物、経歴などを思い浮かべるでしょう。

彼は学問に励み「太平洋の架け橋になりたい」とアメリカへ私費留学をしています。その後は、ドイツへも留学し学者として活躍しました。

東京女子大学の初代学長を経て、国際連盟の事務局次長を務め、世界発展の為に生涯を捧げた人でした。

この功績を讃え、図柄に世界地図が描かれたそうです。因みに同札は、高い値段で取引されているとの噂がありました。

しかし、この噂は真っ赤なデマで、現在流通している紙幣はあくまでも額面通りでしか取引は無いとの事でした。

本日の裏話は、誰でもが目にして居ながら盲点となった五千円札のお話でした。このお札、噂のように高くは売れないのですよ。

盛り上がった今年の高校野球

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、世の中の噂話を取り上げた問題が時々採用されていました。

特に、スポーツ選手、芸能人、文化人など有名人の噂話は多く、根も葉もない無責任な噂、火のない処に煙は立たない、など原因があっての噂もあります。

そんな中で、国民的な英雄の噂が問題となって出題された事がありました。

第7回の後楽園球場、第1次予選での事でした。

問・巨人軍、王助監督の背番号が”1”は、名前の「王」を中国語で”ワン”と呼ぶところからつけられた。〇か×か?

答・×

解説 王選手が早実のスター選手から、巨人軍に入団した当時から、この噂は熱心なファンの間で囁かれていました。

しかし、残念ながらこの噂は全くの俗説に過ぎなかったのです。

現実は、若い背番号は有望な選手に、若い順に付けられるのが当時の慣習になっていたようです。

当時、南村選手が背番号1を付けていたのですが、引退したために空きの番号になっていたのです。

因みに南村侑広選手は、異色の経歴の持ち主なのです。早稲田大学のスター選手で、卒業と同時に銀行へ就職。

銀行の野球チームで活躍し、32歳の時にプロ野球選手になったのです。

巨人軍では右翼手として大活躍、戦後の黄金期を築いた名選手だったのです。1,957年40歳で引退しました。

丁度、その年に有望な人気の新人だった王選手が入団したのでタイミングよく背番号1となった事実があったのです。

背番号1の期待を背負って、王選手の活躍は続き「世界の王」と呼ばれホームラン王として野球史に輝いています。

今年は、秋田県の金足農業高校、吉田輝星投手が話題を独占したのを初め、高校生のスターが多勢誕生しました。

久々に高校野球が国民の関心を呼び、彼らの将来が嘱望されています。

果たして彼らの中から、第二の王選手大谷翔平選手のような世界的な選手が誕生するのか? 野球ファンには夢が生まれました。

「本日の裏話」は、久々に注目された高校野球選手の将来への期待を取り上げて見ました。夢を見るのって楽しいですよね。

国家元首とは?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、知っているようで、実は詳しく知らない知識が問題になっています。

例えば「元首」との言葉がありますね。国際法上、国家を代表する人物をこの様に呼びます。

君主国なら当然君主が元首と呼ばれます。共和国だと選挙で選ばれた大統領が元首、この辺は一般常識の範囲でしょう。

そこで、この元首に関する問題が、第12回のゲインズビルで出されていました。

問・フロリダ半島の南東に位置し、「カリブの楽園」と言われるバハマの国家元首は誰?

答・エリザベス女王

解説 バハマは1,973年に独立した独立国で、イギリスの植民地ではありません。

それなのに、何故イギリスの女王が国家元首なの? との疑問が湧いて来るでしょう。

実は、カナダ、オーストラリア、ニュージランドの国家元首もエリザベス女王なのは、良く知られたことですね。

といって、これ等の国は、それぞれ独立国でイギリスの属国と言う訳ではないのです。

実は、エリザベス女王が元首になっている国では、その国の代表者であり、君主なので絶対的権威なのです。

つまり、本国の元首でありながら、他の国の元首を兼任している訳で、それぞれ別の国の代表も引き受けている事になります。

エリザベス女王は、1,926年4月生まれの御年92歳、お元気ですが、イギリス国王が歴史的にそれだけ権威がある証でしょう。

上記に挙げた国の他、ジャマイカなど世界中で16カ国の元首を兼任しています。

ところが、最近ジャマイカで「元首の座」を返上したいとの動きが出ているとのニュースもあるようです。

イギリス女王を国家元首に迎える、メリット、デメリットを比較した判断でしょうが、世界状況が刻々と動いている証拠ですね。

本日の裏話は、来年には日本の国家元首も変わりますので、元首に関する情報を考えて見ました。

 

 

奇想天外なクイズ形式

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人なら誰でも知っている筈の常識を中心に創られていました。

中学生になると、必ず学習する常識中の常識問題が、第11回のロサンゼルスで出されていました。

問・和英対訳辞書を作ったローマ字で有名な人は誰?

答・ヘボン

解説 ヘボン式ローマ字は知っているものの、発明者であるヘボン氏の事はあまり知られていません。

因みに、彼のフルネームはジェームス・カーティス・ヘボンさんであり、アメリカ生まれの医学博士なのです。

しかも、繁盛する医師の合間を見て宣教師の資格を取得。日本には宣教師としてやってきたのです。

ヘボン式のローマ字を考案、8年の歳月をかけて和英辞書を考案した教育者でもあります。

しかも、明治学院大学の創設者である事は、同大学の卒業生でない限りあまり知られていない事を付け加えたいと思います。

実は、本日の裏話はこの問題が採用された、ロサンゼルスのクイズ形式のお話を紹介したかったのです。

ここでは、ロシアンルーレット・クイズとの形式で、クイズが行われました。

ロシアンルーレットとは、回転式拳銃に一発だけ弾丸を装填し、回転式弾倉(シリンダー)を適当に回します。

その後、銃口を頭に当てて引き金を引くという、危険な運試しでギャング映画などで時々見る事があるシーンですね。

ギャングやヤクザ者の度胸試しの方法で「オレは何時だって命を賭けられるぜ!」との馬鹿な強がりですね。

しかし、我々は拳銃などと言う小道具ではなく、実物の戦車を使い相手の戦車に砲弾を撃ち込むという方法を考えました。

このゲーム案を、ハリウッドの戦争映画専門の牧場に持ち込んだのです。勿論、ダメ元の覚悟で交渉しました。

すると、流石はハリウッドは凄い!「そいつは面白そうだ。サハラ戦車隊で撮影に使った戦車を提供しよう」とのご返事。

我々が現場に着くと、M24戦車、M48パットン戦車がみんなエンジン全開状態で待ち構えていたのです。

ウルトラ・クイズ史上でも、これ程ダイナミックなシーンは滅多に見られないクイズ戦が開始されたのです。

タネを明かすと、5台ある戦車の中で、弾が発射出来るのは2台だけ、その他はハズレで挑戦者は勿論これを知りません。

運が強ければ、クイズに負けても次のクイズに賭けて勝ち抜けられる、正にロシアンルーレットだったのです。

本日の裏話は、我々は面白そうなアイディアには、遠慮なく正面突破でぶつかって行く!

今のテレビ業界では考えられない事です。「ウルトラ・クイズ」は良い時代の産物だった事に感謝したい番組でした。