諺は時代によって変化する

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、言葉に関するクイズが多数ありました。

その中でも、日本語に関しては「語源」「方言」「四文字熟語」「諺」と細かく分類され毎回のように出題されていました。

特に昔の日本人は「諺」が好きだったようで、日本語として数多くの言葉が残されています。

人間の心理を突いたご先祖様の教えが多く、それだけに沢山の諺を記憶する事は、知識人としての務めかもしれません。

中には同じ意味ながら、表現が異なる場合もあり、それを問う問題が第9回のハワイで出されていました。

問・「二兎を追うものは一兎も得ず」と同じ意味の諺、二種類の昆虫で言うと何?

答・虻蜂とらず

解説 欲を出して、同時に二つの物事を進めようとすると成功しませんよ、との戒めです。

昔の人々はこの諺を素直に受け取って、欲望を押さえていたのでしょうね。それが正しい生き方と信じていたはずです。

でも、人間には誰でも欲があります。だから今の世の中では、この諺には賛成出来ない人が多いかもしれません。

否、多いのは当然と言えるでしょう。

現代では、同時に二つどころか三つも四つもの仕事を抱え、成功させる人ほど有能な人材と評価されているのですから。

世の中全体が無駄を省き、効率的を歓迎する時代です。そんな中で「二兎を追うもの一兎も得ず」は通用しないでしょう。

上司によっては「何を時代遅れな事言っているんだ」と怒鳴られる「諺」かも知れませんよ。

そう考えると、立派な「諺」も時代に合わず、やがて死語となってしまう可能性も出てしまいます。

人間の言葉とは時代によって生まれ、時が移れば死語として消えて行く運命と考えるべきでしょう。

本日の裏話は、諺のクイズ問題に端を発し、諺を口にする場合は内容を正しく理解しないと恥をかきますよ、との戒めでした。

結論を一言。発言には注意しましょう。発言にクレームが付いたらへらへら笑って笑う門には福来ると誤魔化しましょう~。

日本語の難しさ

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本語の意味や語源等の常識を問う設問が多数ありました。

これ等の問題は、日本人の常識ですから正解率は高く易しい問題なので、挑戦者が困難な状況の時に出されます。

第11回のパームスプリングスで行われた「強風駆け込み大声クイズ」と題した、思考力が働かない状況で出された問題です。

問・大急ぎの状態を武士の様子に例えて俗に何刀という?

答・押っ取り刀

解説 急場の時、刀を腰に差す暇もなく、手に持ったまま飛び出して行く様子から、この表現が生まれました。

昔の武士は、主家に何事か異変が起きた場合、何があろうと一番に駆けつけるのが忠臣と心得ていました。

その意味では、「押っ取り刀」の武士の姿は目に浮かぶ、上手い表現ですね。

しかし、「おっとり」とは、本来の日本語では人柄や態度が落ち着いて、ゆったりしているとの意味です。

従って「おっとり」した人は周囲の誰からも愛され、尊敬される性格と言えるでしょう。

処が、緊急の場合は「刀」と組み合わせて、取るものも取りあえず、と意味が真反対になってしまいます。

日本語を学ぶ外国人が「難しい」と悩むのは、このような言葉の変化かも知れません。

我々日本人は「おっとり」の意味も、「押っ取り刀」の緊急の様子も、共に単語として理解しています。

単語の語源に関しては、辞典を調べれば解る事なので、興味のある方は個々にお調べください。

本日の裏話は、超易しい日本語の問題から、日本語の難解な成り立ちに話が進んでしまいました。

それにしても、日常生活では「押っ取り刀」で駆けつけるような出来事には直面したくありません。

一般庶民の日常は、平々凡々が一番の幸せですよね~。

 

 

ブームの歴史を振り返れば?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、世の中の歴史を問う設問が多数ありました。

日本史、世界史、歴史には細かな分類がありますが「流行の歴史」も世の中の動きを見る上で、重要な知識と言えます。

第11回の後楽園球場で行われた一次予選、チャンピオンによるエキビジション・クイズで、次の問題が出されました。

問・ファミコンをやり過ぎると近視になりますが、昭和三〇年代やり過ぎると腸捻転になると言われたおもちゃは?

答・フラフープ

解説  フラフープとは直径1mほどのプラスチック製の輪の中に入って、腰を振りながら輪を回す遊びです。

1,958年にアメリカで発明され、フラダンスのように腰を回すので、フラフープと名付けられました。

同年、日本ではその流行を即・輸入して大流行、一カ月に80万本も売れて大人も子供も夢中になって遊びました。

処が、道路で遊んで交通事故の原因になったり、腸捻転になるとの噂も広がり、わずか40日足らずで沈静化したのです。

現実に交通事故も各地で発生、加えて健康上も問題があるとの説の専門家も登場、世の中の空気が変わってしまったのです。

メディアもお役所も、世論に合わせるのは当然の動きで、フラフープの名人が現れる前に終焉を迎えてしまいました。

ブームの短さとしては最短記録ですが、その真相は道路で遊ばれるのは邪魔なので防止したと伝えられています。

日本中が巻き込まれたブームとしては、1,960年の「だっこちゃんブーム」に似ており、当時を懐かしむ遊びでした。

本日の裏話は、昔懐かしいブームのお話でしたが、短いブームほど終焉の理由が気になります。

フラフープの場合は、世論に負けたで実は、道路で遊ばれるのが邪魔だったが真相でした。

今的に言えばメディア、お役所、専門家が協力した「フェイク・ニュース」だったのですね。確かに危ないね、道路の遊びは~。

宗教問題の今昔?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、日本人としての基本的な常識を問う問題が多数ありました。

常識の範囲は森羅万象。と、いう事は広い分野の知識を持つほど有利になる訳で、物知りが強いという当たり前の理屈です。

でも、ウルトラクイズは知識だけでは勝てません。知力、体力、時の運と3拍子揃わなければダメなのです。

「体力」「時の運」を味方にした挑戦者が、最後の「クイズ王」になるという仕掛けが当時大受けした番組だったのです。

前置きはさて置き、森羅万象の中から知っていそうで、やや難しい問題をご紹介しましょう。

第15回のサンシティーで出された問題です。

問・江戸幕府によってキリスト教が迫害された後、信仰を捨てた人々を何と呼ぶ?

答・ころび(転びキリシタン、返上者でも可)

解説 どのような迫害があろうと、信仰している神様を捨てるとの行為は、大変な苦しみでしょう。

民主主義の現代では、想像もつかないほど野蛮な行いであり、世界中の国がこの様な時代を経て現代に至っている訳です。

このような時代を封建時代と呼び、世界中が脱皮して近代に向かった筈。

近代は、各国にそれぞれ「憲法」という法律が定められ、その規則によって国が運営されています。

とは言え、未だに封建時代のシステムを残している国があるので、戦争が絶えないと言えるのでしょう。

日本は、民主主義の近代国家ですから、日本国憲法を守り、世界の範たる先進国になっています。

日本国の憲法は1,946年11月3日に公布され、1,947年5月3日に施行されました。

その憲法の中では、信教の自由が保障されています。それには以下のように表記されています。

何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

簡単に言えば、どのような宗教を信じても自由だ。国や行政機関が、口を挟む問題ではない、という事でしょうね。

但し、オーム事件のような犯罪は、法律として裁かれるのは当然で、法治国家としての規律が遂行された訳です。

隠れキリシタンに関しては、日本史の中でも様々な戦いがあり、当時の教会も各地の遺産として残されています。

本日の裏話は、クイズ問題から派生して「憲法」の定める「信教の自由」のありがたさを確認しました。

お寺や神社で熱心にお参りをする。無神論者なのでお参りはしない。どちらでも結構! 我が国は信教の自由ですから~。

でも、日本にはお彼岸やお盆との習慣があります。ご先祖様あっての我々です。お墓参りくらいは欠かさない方が良いですよ~。   

 

伝説の美人は凄いです

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の常識に限らず世界の森羅万象からも出題されていました。

世界の話題とは言え、当然の事ながら多数の日本人も知っている知識であり、日本人の常識の範疇といって良いでしょう。

第16回のハワイで、次の問題が出されていました。

問・世界三大美女の一人と言われ、酢に真珠を溶かして飲んだと伝えられる人は誰?

答・クレオパトラ

解説 彼女は古代エジプトの女王で、2,000年以上前の人物でありながら、カエサルの庇護のもと絶大な権力をふるいました。

カエサルとは、古代ローマの権力者であるジュリアス・シーザーの事であり、伝説の人物として世界史に名を連ねています。

シェークスピアの戯曲「ジュリアス・シーザー」の中の台詞「ブルータス、お前もか」の言葉を残し暗殺されてしまいました。

歴史的な人物だけに、シエークスピアをはじめ、バーナード・ショーなどの文豪が彼の生涯を作品に残しています。

彼は世界史の中で、最も多くの作品に残された人物で、戯曲、映画、ドラマなど数え切れないほど登場しています。

2,000年前以上とはいえ「エジプト」「古代ローマ」とスケールも大きく、題材としては最高の条件を備えていたのですね。

話は戻って、世界の三大美女といえば、クレオパトラの他、楊貴妃と小野小町ですね。

アジアの二人は、日本人だけが知っている美女という事で、クレオパトラと並べるには格が異なるようです。

世界的には「クレオパトラ」は別格で、美を保つための伝説も多く、酢に真珠を溶かして飲んだのも代表的な噂と言えます。

本日の裏話は、世界の三大美女に関わるお話のご紹介でした。

その中で誰が一番か? 時代が異なるし写真も残っていないので較べようがありません。

そんな人気投票は何の意味もありません。それよりもミス・ワールド、今年はどこの国の美女でしょう?