台風で困りました

アメリカ横断ウルトラ・クイズの形式はグアムでは、名物の○×泥んこ・クイズと決まっていました。

しかし、その名物クイズもやりたくても出来ない年がありました。それは第16回の平成四年のことでした。

その年、台風十五号はグアムを襲い、民家の屋根は吹き飛ばされ電柱は倒れ、椰子の木もバタバタ倒れ道を塞いでいたのです。

今年は日本も台風の当たり年で、全国各地で大きな被害を出し、連日ニュースになっていましたね。

二十七年前、我々が到着したグアムの空港では自家用の軽飛行機が逆さまに倒れ、台風の凄さを残していました。

ホテルの電気、水道もストップ状態、食事などは当然出来ず、即席の握り飯しかありません。

そんな状態ですから、泥んこプールを作る事は、住民感情を考慮しても出来ません。

そこで急遽クイズ形式を変更して、「空席待ち早押しクイズ」とした訳です。

そこで出された問題は、当時世の中の話題になっていた出来事に関するクイズでした。

問・暴力団新法の施行と同時に警視庁に新設された部署は何?

答・暴力団対策課

解説 警視庁で五十番目の課として設立され、その年の三月一日に発足式が行われていました。

当時は、関西の大手暴力団の分裂騒動に端を発し、全国の暴力団を巻き込んだ抗争がアチコチで発生していました。

そこで、これを収める目的で「暴力団新法」が制定され施行された訳です。

全国の、繁華街で幅を利かせていた暴力団組員も、この法律によって縮小又は廃業に追い込まれ平和な街が実現したのです。

昔から、ヤクザ者と呼ばれた人は各地に居ましたが、それも暴力団新法のお蔭で少なくなったのは有難い事でした。

ただ、暴力団に代わって「頭脳を使った」詐欺集団が雨後の竹の子のごとく現れ、お年寄りを騙しています。

オレオレ詐欺、カード詐欺など中国やタイに本拠を置いて、日本のお年寄りに電話をかけ騙していたのです。

となると、石川五右衛門の辞世の言葉を思い出します。「浜の真砂は尽きるとも、世に悪党の種は尽きまじ」

五右衛門さんは、遠い昔から「人間の心理」をお見通しだったのですね。

本日の裏話は、台風の話から発展して「オレオレ詐欺」のような悪党の話に及んでしまいました。

それにしても九月も本日で終わります。そこで結論! 台風もいい加減にして、そろそろ店終いを願いたいものですよ~。

 

 

世界の偉人はケタ外れ

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、世界の偉人に関する問題が時々登場していました。

世界に知られた偉人と言えば、政治家、作家、音楽家等が思いつきますが、その他芸能人、スポーツ選手などがいるでしょう。

中には、幾つかの分野にまたがって、それぞれの世界で名を挙げる様なスーパーマン的な人もいました。

第16回の東京ドーム球場、第一次予選でそんなスーパーマン的な人物を問う問題がありました。

問・オリンピックのメダルとノーベル賞。両方とも獲得した人は一人もいない。〇か✖か?

答・✖

解説 オリンピックでメダルを獲得するのは大変な努力が必要です。その上ノーベル賞の受賞もすごい事。

一人の人間が、一生の内に両方を獲得するなんて、どのような才能をもってしても不可能と思えます。

処が世界は広い。イギリスにそんなスーパーマンが実在していたのですから、挑戦者も迷いました。

イギリスのノエル・ベーカーさんが1,920年のアントワープ大会で1,500m走で銀メダルを獲得しました。

彼は写真でお判りのように、イギリスの男爵で政治家、外交官も務めた英国紳士なのです。

メダル獲得の後、政治家、外交官などを歴任しながら平和運動の旗手として頑張ったのです。

その成果「国際軍縮による平和」を唱え続けた事に対し、39年後のノーベル平和賞を受賞したのでした。

オリンピックでのメダル獲得には、並み外れた努力と粘りの練習が必要。平和運動でも粘りと根性を発揮しました。

何れにしても、凡人には真似の出来ないケタ外れな、タフな精神力の持ち主だったのです。

本日の裏話は、世界のスーパー偉人に関するクイズ問題のお話でした。

我が国にもメダリストは大勢います。そんな中でノーベル賞とは言わないまでも、世界的な賞を取れないものでしょうか?

映画の「アカデミー賞」テレビの「エミー賞」音楽の「グラミー賞」演劇の「トニー賞」いろいろありますが……。

それぞれ大変な名誉なので、門外漢が無責任な発言はダメ!ですよね~。そこで結論、世界の偉人はすごーい事が解りました。

 

戦争の新兵器問題

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、何時でも変わらない恒久的な常識と、時代に合わせたタイムリーな問題がありました。

タイムリーな問題は、その時の話題ですから挑戦者も競って早押しボタンを押す事になります。

我々は、挑戦者が平均的に競うのが理想的な進行と考えていたので、常にタイムリーな問題を適当な間隔で入れていました。

これは早押しクイズに限らず、他のクイズ形式でも同等の割合だったのは言うまでもありません。

第15回のモハーベ砂漠のバラマキ・クイズで出された、タイムリーな問題は当時世の中の関心を集めていた問題でした。

問・「愛国心」という意味がある、アメリカの誘導式迎撃ミサイルの名称は何?

答・パトリオット

解説 この時代は湾岸戦争の真っ最中で、新しい兵器が連日のニュースで報じられていました。

その一つは攻撃ミサイルのトマホーク。それに迎撃ミサイルのパトリオットですね。

パトリオットはコンピューターの誘導システムで、マッハ3の超音速で目標を迎撃する新兵器でした。

令和の現代も、28年前の当時と似た状況で、中東の国々が攻撃を行い、トランプ大統領も参戦の意向を示しています。

こうなると、「第二の湾岸戦争」に発展する危険性が大で、世界中の人々の高い関心を集めています。

この中東の緊張状態は、日本も他人事ではなく、何時隣国から攻撃されるか解らない危険な状態とも言えます。

日本国憲法では、戦争放棄を名辞していますが、国会では憲法改正の話も出ているので我々国民も目が離せません。

振り返れば有史以来、世界中で戦争が絶えた時代はありません。でも、人間は他の生物とは異なり思考能力があります。

四〇〇年も昔にパスカルさんが言ってますよね。「人間は考える葦である」って。

そんな事言っても、欲望が強いのも人間ですから、これを捨てるのは並大抵ではありません。

本日の裏話は、戦争の新兵器のクイズ問題から、世界平和を考えて見ましたが難しい課題で答えは出ませんね。

結論! 答が出ないのはクイズ問題にならないので、採用出来ません、なーんちゃって本日は纏まりのない話でごめんなさ~い。

語源の広がりは面白い

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、普段考えた事もないような事柄を問われる事があります。

普段、気にしていない事なので、咄嗟の判断を求められると、解らないけれど答えなければ負けてしまいます。

負けるのは嫌なので慌てて迷いますが、その姿が面白いので、挑戦者が慌てるもんだい形式がありました。

そうした問題は、確率が二分の一で正解出来る○×問題で出されていました。

第12回の第一次予選、東京ドーム球場の○×クイズで次の問題がありました。

問・仏教では、修行の邪魔をする悪魔を「邪魔」という。〇か✖か?

答・〇

解説 挑戦者の中に、僧侶又は熱心な仏教信者の方がいたのなら恐らく正解出来た事でしょう。

お釈迦さまを教祖とする仏教では、修行の妨げとなるようなよこしまな悪魔を「邪魔」と呼んでいました。

日本語の辞書でも「邪魔」は、妨げる事として、一般に使われている言葉ですね。

この言葉から発生した「邪魔臭い」「邪魔立て」「邪魔っ気」など、様々な場面で使われる言葉になっています。

語源を調べると、普段何気なく使っている言葉も、実はお釈迦さまの教えだったという意外な事が解りました。

クイズは森羅万象の知識を競うゲームなので、知識の豊富な人達が好むのは、自然の流れと言えるでしょう。

本日の裏話は、一つの言葉が「多くの日本語の語源」になっている実例をご紹介しました。

結論は「邪魔臭い奴」「邪魔だ!どけ」のように、他人から言われないよう普段の行いに注意を払いましょう。

そんな人ばかりが増えれば、日本は平和な国になるのですがねえ。お釈迦さまの教えはやっぱり素晴らしいですね~。

家に付いて考える

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、一般常識とは懸け離れ、意表を突いた問題がありました。

こうした問題は、雑誌や書籍、新聞などの印刷物で紹介されたものではなく、クイズ問題作家が自ら調べて作っていました。

我々の番組では、クイズ問題の提出用紙に問題の「出典」を書く欄が設けられており、正確に記さなければなりませんでした。

面白い話題の場合は、他の作者もその話でクイズを創るので、採用される確率が低くなります。

処が、出典の欄に自分で調べ作った場合は「自作」と記入するので、世の中に知られていない情報のはずです。

これはクイズ問題作家が、自分で不思議に思った事象を自ら調べて作っただけに、新鮮な驚きが多く面白い問題と言えます。

第11回のグアム、突撃○×泥んこクイズで、一般に知られていない次の問題がありました。

問・生まれたばかりのやどかりは、貝殻を持っていない。〇か✖か?

答・〇

解説 生まれた時は水中に浮遊し、貝殻は持っていません。ある程度育った時に、自分に合った貝殻を見つけ棲みつきます。

その後も、育つ度に適当な貝殻を見つけて、転居を繰り返すのがヤドカリの生涯なのです。

その点、自分と家族の家を持つために、一生懸命働く人間から見ると、ヤドカリは、実に気ままな生物ですね。

もっとも人間の場合は、働きに応じて豪華な家に転居する満足感を得る事も出来、どちらが良いか微妙な処です。

また人間の世界では、地震や台風、火事などで突然家が被害に遇う事もあります。

更に折角建てた家も、跡を継ぐ子孫が無く「空き家」が増え、全国的に問題となっています。

こうした問題も含め、最近では「持ち家が得か?」「借家が良いか?」経済の専門家を交え、論争が繰り広げられています。

本日の裏話は、ヤドカリのクイズ問題から、人間の財産にまで話が及んでしまいました。

それにしても、人間にとって大切な三要素、衣食住の三番目ではありますが、家は大事な宝物には違いありませんよね~。