思い出したくない兵器とは?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、今や世の中で忘れ去られた事象を問う事があります。

忘れ去られたという事は、それは人々が思い出したくない、忌まわしい事件や出来事の場合が多いようです。

一般に忘れたい事でも、クイズ好きの皆さんは良く記憶しておりそこが勝負の分れ道になるようです。

戦争の忌まわしい出来事は、誰でも忘れたい記憶ですが、第一次世界大戦での兵器に関して正解した強者がいました。

第16回のレイクパウエルで出された、次の問題でした。

問・第一次世界大戦で使われた「カラシ」の臭いを放つ毒ガス「イべㇼット」の別名は何?

答・マスタードガス

解説 「マスタードガス」は結構知られた毒ガスですが、問題の「イべリット」は初耳との方も多いでしょうね。

これはドイツ軍がベルギーのイープル付近で使った事から「イベリット」と呼ばれ当初は無色無臭でした。

それが不純物の混在により、カラシの臭いを発し皮膚に吸収されると猛烈な炎症を起こします。

化学兵器は残酷過ぎるので、人道的に禁止するべきとの声が国際会議で出されましたが、実現までは長い時間がかかりました。

現在は「化学兵器禁止条約」で使用、開発、保存も禁止されています。1,997年に発効した多国間条約での事です。

とは言え、2,015年の締約国は129ヵ国で、この条約に署名しない国もあるのが問題です。

頑固に署名しないのは、イスラエル、南スーダン、エジプト、それに北朝鮮です。

何れも、戦闘状態に近い国なので怖い話ですね。また、ISなどのテロリストは国では無いのでストッパーもありません。

もし、テロリストが化学兵器をドローン等に仕込み、上空から投下したら? 想像するだけで恐ろしい事になります。

日本では地下鉄サリン事件もあった事ですし、化学兵器は原爆と並んで、思い出したくもない忌まわしい兵器と言えます。

本日の裏話は、人々が忘れ去りたい化学兵器のクイズ問題から発して、嫌な記憶を呼び戻してしまいました。

しかし、クイズは過去の森羅万象の出来事が対象ですから、嫌な思い出も、時には使われるゲームなのですよ~イヒヒ……。

植物の生命力に脱帽

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、森羅万象の中から創られているので、知識の幅と深さがある人ほど有利になります。

要は学問の知識も必要ですが、雑学的な面白そうな事象を多く記憶するのもクイズに強くなるコツの一つです。

例えば、世界一日本一と呼ばれる事象を良く記憶すれば「雑学が得意」のように得意分野が出来ます。

当然ながら、得意分野は多ければ多いほど有利に勝ち進む事が可能になります。

第11回のバッドランドで、次のような雑学問題が出されていましたがお判りでしょうか?

問・有史以前の植物と言われ、樹齢三〇〇〇年のものもあるアメリカ杉と言えば何?

答・セコイア

解説 ヨセミテ渓谷に有るのが有名で、高さ六〇メートル・根元の直径一〇メートルの樹木も珍しくありません。

杉の寿命は長いらしく、建築材として多用されていますね。真っ直ぐ天に向かって伸びるので、建材向きと言えるようです。

セコイア杉には敵いませんが、わが国にも大木の杉がありますね。ご存知、九州・屋久島の「屋久杉」です。

同じでも千年を超える杉を「屋久杉」と呼ぶそうで、抗菌性が強く耐久性があるため、建築材や造船材として開発されました。

中世の時代、豊臣秀吉の命で乱獲され本土に運ばれて、多くの神社や寺院の建材として使われたとの歴史があります。

現代で最古の屋久杉は「大王杉」と呼ばれ、放射性炭素年代測定法で計測し、推定の樹齢は三〇〇〇年以上と測定されています。

本日の裏話は、有史以前の植物のクイズ問題に端を発し、驚くべき長生きの樹木のお話でした。

同じ種類の魚でも、イナダ→ワラサ→ブリのように成長によって呼び名が変わる「出世魚」がありますね。

植物にも成長によって、呼び名が変わるものがあり、屋久島では杉を若い内は「小杉」と呼ぶそうです。

やがて成長して老木となり、樹齢が一〇〇〇年を超えるとようやく「屋久杉」となります。

その中で一番のご老体を「大王杉」の呼称で崇められるのだそうですが、御年三〇〇〇歳以上!

天皇家の歴史を上回る年代で植物の生命力の凄さに仰天です~。人間も高齢化社会ですが、杉の木の足元にも及びませんね~。

 

 

 

 

政治の世界は命懸けだった

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、日本の歴史に関する問題が多数ありました。

歴史の問題には、昔の歴史から近代史をはじめ、現代の問題まで幅が広く、同類の出来事を纏める事もあります。

例えば、日本の総理大臣で暗殺された人物は? のような共通点で人物名を問う事もありました。

第12回のワシントンDCで、総理大臣の暗殺に関する次の問題が出されていました。

問・昭和に入ってから、東京駅で狙撃された総理大臣は?

答・浜口雄幸

解説 この問題は近代史でも、高度なレベルの問題に入る設問と言えます。

何故なら、東京駅で暗殺された総理大臣は二名いたからです。浜口雄幸総理は昭和六年十一月に右翼の青年に狙撃されました。

病院に運ばれ手術がなされましたが、その傷が原因で翌年に亡くなられています。

また、同じ東京駅で暗殺された総理大臣に原敬総理がいます。こちらは右翼の青年に短刀で胸を刺され死亡しています。

1,921年、総理はこの日地方へ出かける為、現在の丸の内南口から、改札へ向かう途中に襲われたのだそうです。

因みに日本の総理経験者で、暗殺によって命を落とした人物は合計五名います。

初代総理大臣の伊藤博文は、1,909年ハルピン駅で朝鮮民族主義活動家、安重根(あんじゅんこん)によって暗殺されました。

その他、犬養毅総理は1,932年の休日、総理公邸でくつろいで居た所を青年将校に襲われ銃殺されました。

最初、ピストルを振りかざした数人が乱入。「話せばわかる」と彼らを応接間に案内、しかし興奮した将校に発砲されました。

その後、駆けつけた家人に「9発撃って3発しか当たらぬ。軍はどの様な訓練をしているのか」と嘆いたとの事です。

残る一人はあの有名な二・二六事件の時、赤坂の自宅で反乱軍の青年将校によって殺害された高橋是清元総理です。

これは昭和十一年、二月二十六日~二十九日にかけて、陸軍の青年将校らが起こした軍事クーデター未遂事件の事です。

総理大臣経験者が五人も暗殺されるとは、日本の近代史も過激な時代を経験しているのですね。

政治家は命懸け(いのちがけ)の仕事、と言われるのが良く分かります。

それを考えると、昨今の国会は「平和ボケ」と言われても仕方が無いような状況でもありますね~。

総理大臣主催の「お花見」も来年からは中止、と話題になりましたがそれで収まりますか?

「与党」だけでなく「野党」の皆さんもしっかり頼みますよ~。来年はオリンピックで世界中が注目の日本ですからね~。

 

ペットの人気の移り変わり!

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本に限らず世界の森羅万象について問題が創られていました。

世界中のあらゆる事象が対象とは、幅が広すぎて「記憶出来ない」とお手上げの人はクイズが好きにならないでしょう。

クイズ好きは、そんな無理な話をものともせずに知識を蓄積しているので、我々は難問と言われる問題も採用していました。

難問の中には、新しい発見もあるので、クイズファンは楽しみにしていたようです。

挑戦者にとっては、難問は有難くない筈ですが、中には平然と正解する強者もいます。

そんな強者も「えっー」と驚く問題をご紹介しましょう。第13回のゴールドコースト・敗者復活ダウト・クイズでの問題です。

問・古代エジプトで、「守護神」として最も多くの人々に崇拝されていた動物は?

答・猫

解説 古代エジプトで、紀元前1,000年頃に人間が一番最初に飼った家畜が「猫」だったと言われます。

最初は愛玩用でしたが、いつの間にか神の使いとして猫を崇拝するようになったのだそうです。

次第に「神の化身」として信仰の対象となり、猫の寺院は煌びやかで、これを超える寺院はないとまで伝えられていました。

そんな崇拝の対象ですから、死亡した猫は「専用の墓に葬られ」ミイラ化されたと伝えられています。

古代エジプト研究家の調査なので、異説もありますが、当時の証拠として豪華な猫の像や置物は多数残されています。

猫が崇拝される国は良いのですが、国が変われば印象も異なるのは自然の理と言えるでしょう。

日本では、昔は「化け猫」との言葉があったように、怖い動物あるいは薄気味の悪い動物との印象もありました。

犬のように尻尾を振って喜ぶ事もなく、猫はいつもマイペースで静かな動物との印象の方もいるでしょう。

特に、子猫の動作は可愛く愛嬌があって、テレビのコマーシャルでも毎日画面に登場して視聴者を和ませています。

本日の裏話は、ペットも国や時代によって人間からの扱われ方が大きく変わるとのお話でした。

最近はペットブームで、犬よりも猫の方が飼い易いとの理由でペットの人気ではNO1なのだそうですね。

「いや、一番は我々さ~」との動物がいましたよ。いわずと知れたナンバーワン!、お犬様でした~。敵わんにゃ~ん……。

 

 

 

 

 

クイズ王は得意な分野が多かった

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には「音楽」との分類がありました。

クイズ大好き人間は、各々自分の「得意の分野」を持っていて、得意分野は専門家もビックリするほど知識が豊富です。

一次予選を通過して、外国へ進んだ挑戦者のみなさんは例外なく「得意の分野」を持ち、中には複数の得意分野の人もいました。

第一回から十七回まで、十七人のクイズ王が誕生していますが、彼らは例外なく複数の得意分野の持ち主だったようです。

そんな中で、音楽の得意分野の挑戦者なら簡単に正解出来、一般人には難問と思える問題がありました。

第14回のエリーで出された次の音楽問題です。

問・「バッハ」「ヘンデル」「ロッシーニ」「ブラームス」のうち、一人だけ出身国が違うのは誰?

答・ロッシーニ

解説 クラシック音楽の代表的な作曲家で、いずれも名前だけは知っている超有名人ばかりです。

しかし、出身地までは覚えていないのが普通の凡人でしょう。

大作曲家は、ドイツ、オーストリア、ロシアなどに多く、問題のロッシーニ以外の三人はドイツ出身です。

ロッシーニはイタリア出身で、クラシック音楽の作曲家としてはイタリアでも数少ない方と言えるでしょう。

又、ロシア出身では「交響曲」「歌曲」「ピアノ曲」を多く残したチャイコフスキーが群を抜いて知られています。

オーストリアにはモーツアルトシューベルトの二大巨匠がいて、クラシック音楽の中心地のイメージがあります。

実は、ベートーベンブラームスのように、ドイツに生まれながらウイーンに移住して活躍した人が多い為の印象なのでしょう。

現代でもオーストリアのウイーンは、クラシック音楽の中心地的なイメージで音楽の留学生も多いと聞いています。

本日の裏話は、音楽の得意な分野のクイズ問題から、クラシック音楽の世界を覗き見してみました。

クラシック音楽は「堅苦しい」「気取っている」などの理由で敬遠する人も多いかも知れませんが……。

とは言え、年末になると恒例で「運命」の合唱を各地で聞く事が出来ます。やっぱりみんなクラシック音楽が好きなのですよ~。