ウルトラ名物の罰ゲーム。
毎年あの手この手で、敗者に忘れられない思い出をプレゼントしているが、その中でも私が個人的に傑作と思っているものを時々紹介してみたいと思います。
あれは第6回のダラスでの罰ゲーム。
アメリカの歴史的犯罪者にボニー&クライドという男女の凶悪二人組がいたのをご存知でしょうか?
念のために説明すると、この2人は1930年代にアメリカの中西部を舞台に、カフェや銀行、ガソリンスタンドなどを襲っては、銃を乱射しながら暴れまくったアベック強盗なのです。
実際に罪もない人を13人も殺しているのですから、大悪党と言えましょう。
当時は今ほど海外旅行もポピュラーではなかったので、情報も少なく、敗者もアメリカは怖い所というイメージは持っていたはずです。
さて、敗者に与えられた罰ゲームは、広大な原野のど真ん中で放り出され、ヒッチハイクでダラス空港まで帰れ、というものでした。
彼は道路に立って、親指を上に向け、ヒッチハイクのポーズをとりますが、中々止まってくれる車はありません。
やがて運よく、若い男女の乗ったバンが通りかかり、彼を乗せてくれました。
最初は機嫌よく敗者に話しかける男女。
ところがしばらく走ると、前方にパトカーが止まっていて、この車に停車するように合図しています。
と、それまでにこやかだった男女がいきなり、ダッシュボードからピストルを取り出し、彼におとなしくしていろ!と命じ、パトカーの制止を振り切って逃走したのです。
驚く敗者を尻目に、逃げる車と追うパトカーのカーチェイスが始まりました。
逃げる男女はボニー&クライドばりの凶悪犯、という設定なのです。
やがて、パトカーに行く手を阻まれて停車するや、警察官が拳銃を突きつけて二人の男女を逮捕します。
訳の解らぬ敗者は、車内で呆然自失。
即ち、アベック強盗の共犯者であろうという疑いです。
あまりの出来事に、気の毒な敗者は、腰を抜かして道路にぺたりと座り込んでしまったのです。
実は、このバンはスタッフが前の晩に徹夜で作り上げた改造車だったのです。
座席の後ろにマジック・ミラーが張られていて、カメラマンが車内の様子をしっかり隠し撮りしていたのです。
勿論、アベックの男女も警察官も全部仕込みなのは言うまでもありません。
いわゆる「ドッキリ」というやつです。
しかも、面白いのは、この警察官もパトカーもダラスの本物のお巡りさん達だったのです。
彼らは休日に楽しんで協力してくれたのです。
日本ではとても考えられないお役所の協力体制に、本当にびっくりしました。
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>上越狂太(仮名)さん
ウルトラの歴史では結構大変な出来事でした。
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しかしこの時誰も、トメさんの身体がブドウの農薬に蝕まれてることを知らなかった…。詳しくはこのブログの「ダラスの暑い日」と、この回で準決勝進出の浪人(彼によれば敗者をトレーラーから降ろした直後に食したとのこと)のブログを参照。
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>インフィールドフライさん
ウルトラクイズを覚えていてくれて有難う。
それにしても記憶力が良いのに、感心しました。
あの時の敗者は確か銀行にお勤めの方だったです。アメリカ人はみんなフレンドリーで、私たちも楽しみながら、番組を作りました。
これからも、ブログを宜しく見てね。
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確かダラスで罰ゲーム受けた挑戦者の方、次の年も後楽園を突破して成田空港まで勝ち残っていますね。
現地の警察官、ものすごいノリノリだったんですね!
パトカー何台必要なんだ?なんて…
敗者の方にはちょっと気の毒ですけど、とても面白かったです。