泥棒とハチ合わせ

メリカ横断ウルトラクイズで、長い事旅を繰り返しましたが、日本に比べてアメリカは治安が悪いのは周知の事実です。
旅人が一寸でも油断をすれば、置き引き引ったくりに合いますし、スリだって街中にウロウロとカモを探して沢山散らばって居たりします。
コンビニ強盗なども、アメリカは銃社会ですから、ピストルを持って大胆に店を襲ったりします。
これはニュース映像などで、時々見ることが出来るので、皆さんもお馴染みの光景でしょうね。
々も永い歴史の中で、数え切れないくらいの泥棒被害に遭っています。
特に空港のような人混みでは、置き引きが常に荷物を狙っていると考えた方が良く、それを防ぐために、ウルトラチームの特別な被害防止方法がありました。
前にも説明しましたが、200個近くものジェラルミン・ケースに撮影用の機材が詰まっていて、一個平均22kg、これをバスまで運ぶのが大変な労働なのです。
れは或る時から、40歳以上は免除というルールを作り、私も免除されていましたが、それでも身体がなまってしまうので時々は荷物運びで汗を流したものでした。
この作業はスタッフが全員参加で行なうので、スタッフの私物の鞄が作業の邪魔になります。
そこで空港のロビーの一箇所に鞄を集めて置き、作業に参加しない我々が見張っていたのですが、目が行き届かない事だってありそうです。
何しろ空港によっては周り中が黒山の人だらけというほど、混雑する事があるからです。

混雑する空港

こで考えられたのが、荷物をそれぞれベルトや取っ手の隙間にを通して結び、鎖にはが掛けられるという方法を考えたのです。
いわゆる数珠繋ぎのように、鞄が一つの固まりにしてしまうのです。
スタッフは100人近くいますから、担当の班ごとに荷物を纏めるのです。
例えばカメラや音声の技術班、美術を担当する美術班、演出やプロデューサの制作班、といったように担当班ごとが近くに鞄を置いて、各班のアシスタントが全員の鞄に1本の鎖を通して、最後に鍵を掛けるのです。
鎖でつながれた鞄の山が、幾つか出来上がるという状況ですね。
れでも置き引きの連中は荷物を狙って、鞄を持ち去ろうと手を出すのですからあきれ返ってしまいます。
そんな時には狙った鞄が外れないので、他の鞄も一緒に引っ張ることになり、漫画を見ているような滑稽な光景が目の前で展開され、思わず笑ってしまいます。
私も何度も目撃しましたが、鎖で繋がれている鞄を持ち去れず、悔しそうに立ち去った犯人を大声で怒鳴り、追い払うのが我々見張り役の大事な仕事になっていました。
て、今日の本題に入りたいと思います。
第7回でアラスカ州のアンカレッジのホテルに泊まった時の事です。

アンカレッジ

達作家の部屋は2人部屋か1人部屋が多いのですが、その日は2人部屋でした。
私達の部屋には夜でも、明日の打合せや、問題についてディレクターやプロデューサー、司会の福留さんなどが良く訪ねてきます。
だから、部屋の鍵は何時でも開けっ放しにして、出入り自由にしていたのです。
丁度若いアシスタントの作家が風呂に入って居る時でした。
私はベッドに座って本でも読んでいたのだと思います。
人の気配がしたので、誰かスタッフが訪ねてきたものと思って、目をそちらに向けてビックリです。
イヌイット(アイヌの原住民)と一目で解る男が私のスーツケースをそっと引っ張りながら、ドアに向かって後ずさりしているのです。
置き引きが文字通り置いてある荷物を引っ張って盗み出す瞬間だったんですね。
私は大声で「誰だお前は!」と怒鳴りました。

棒は図々しくも
「イッツ、サービス、サービス」
と言い訳をしながら私のスーツケースを部屋の隅に運んで、部屋の整理をしに来たホテルのボーイを装っているのです。
初めての体験で、私も慌てたのか
「サービス?ノー・サンキュウ、ゲットアウト!」
と叫ぶのがやっとでした。
それにしても、誰か来るたびに立ってドアまで開けに行くのが面倒くさいと、ホテルの部屋の鍵をオープンにすること自体が、非常識な行為だったと大反省させられた事件でした。
それ以後、私達の部屋は毎回キチンとロックされ、安全地帯になったのでした。

「泥棒とハチ合わせ」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    >つば九郎ロッキーズさん
    こんにちわ。
    ウルトラの本が生かされたのであれば良かったですね。その本を読んでいないので、関係者の誰が書いたのかは知りませんが、いろんなところでウルトラを活用している見本といえましょう。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    こんばんは、海外へ行くとそのような連中とも出会すんですね。
    あっ、第7回じゃなくて第6回ですね。
    「ウルトラクイズ伝説」とか言う本に書いてありました。
    この本でアメリカの治安の事や実際に起こった事件などが書いてありました、
    お陰様で2回ほどアメリカ(いずれもロサンゼルス)へ行きましたが、この本を読んでいて泥棒対策を行ったおかげで、無事に旅が出来ました。
    と言いたかったんですが、2回目の旅行時にドジャーススタジアムでの野球観戦の帰りにボッタクリのタクシーにやられました、
    痛い出費を喰らってしまいました。

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