アメリカ横断ウルトラクイズでは、ロケ、ロケハンと毎年2ヶ月近く、アメリカ各地を走り回りました。
ロケの1ヵ月は、きついスケジュールで各地を移動するので、スタッフは肉体的、精神的にも大変な重労働だったのです。
それに比べて、ロケハンはスケジュールも楽で、楽しいものと誰もが思っていたようですが、実はこれも結構大変な旅だったのです。
ロケハンの使命はロケを行なう場所の下見と確認です。
資料で調べたところが、実際に撮影で使えるものなのか、目で見て確認しなければなりません。
また、新しい候補地を発見するのもロケハンの仕事です。
あらかじめ、ルートは決まっているものの、そのコースでどんなクイズを実行すれば楽しい番組が成立するのか、それを考えながら各地を見て歩くのですから、責任は重大と言ってもいいでしょう。
第9回でコースに入れるべき場所として、ニューメキシコ州を車で移動している時でした。
見渡す限り、地平線の彼方までが広い平地のこの州では、どんな場所で何をやれば良いのか、考えながら車の旅をしていました。
事前の調査で、候補に挙がっていた何箇所かを見たのですが、決定的な面白さが出せるという場所に行き当たっていませんでした。
車を走らせながら地平線の彼方を眺めていると、空にぽっかりと色鮮やかな気球が浮かんでいたのです。
そういえば、何時間か前にも同じような気球を見た気がしたのです。
そんな事を雑談で交わしながら、車を走らせてアルバカーキという町に到着しました。
広い大地の中に忽然と現れたスペイン風の街、それがアルバカーキだったのです。
海も無い、山も無い、有るのは広い大地だけ、という現地の人達は、空に目を向けたのだそうです。
大空を鳥のように風に乗って、アチコチ移動する遊びを見つけたのです。
大空を鳥のように風に乗って、アチコチ移動する遊びを見つけたのです。
日頃退屈していた人々が、熱気球に熱中するのには時間がかかりませんでした。
お隣の人が始めれば、あっという間に伝染するように広がって行ったのだそうです。
特に熱気球は家族で一緒に楽しめるという性質があります。
そこで、一家に一台熱気球! とばかりブームを呼ぶような勢いで、参加者が増えていったのでしょう。
そうと解れば、もうこの地で行なわれるクイズ形式はこれしかありません。
そうです、毎度体力の限界に挑戦する「ばら撒きクイズ」に決定。
本番の日、朝早く会場を訪れた我々は眼を疑うような光景に出会いました。
地元の熱気球愛好者の団体が協力をしてくれたのですが、赤、青、黄、緑。と色とりどりの熱気球が大空を一杯に埋め尽くされていたのです。
その数の多さは言葉では言い尽くせないほどでした。
我々も、挑戦者も熱気球の迫力に圧倒されながら、ばら撒きクイズが実施されました。
挑戦者が走り回った草原は、トゲトゲの棘がいっぱいという悪条件。
2問勝ち抜きというルールで行なわれ、大空一杯に浮かんでいる熱気球に見とれていると、忽ちトゲトゲの棘にぶつかり、傷を負ってしまうのです。
テレビをご覧だった皆さんは、壮大な熱気球の光景に驚かれたでしょうが、挑戦者には、それはそれは難行苦行のクイズ会場だったのでした。
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>シャングリラさん
コメント有難うございます。
相変わらず、監察が細かいのに驚きです。あなたのような熱心な視聴者が居た事は、関係者として、誇りに思え、嬉しい限りです。
今後も宜しくお願いします。
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こんにちは。
このときのクイズ名、確か「イバラマキクイズ」でしたよね。クイズ名にもなるってことはさぞすごいイバラだったのでしょうね。
この時のバラマキでは優勝した方がラスト抜けで敗者復活から勝ちあがってこられた方が負けてましたが、倒れている敗者の向こうで夕日に向かってバンザイという演出が強烈な印象として残っています。
バラマキは毎回、名言名場面・迷場面が出ますよね。