アメリカ横断ウルトラクイズは、視聴者参加番組でした。
全く無名の挑戦者だけで、2時間の番組を進めるという訳ですから、見ている人を退屈させないように、いろんな仕掛けを作らなければなりません。
勿論、クイズの形式を面白くする事が第一なのはいうまでもありません。
また、クイズ問題も視聴者の興味を引き付ける重要な要素といえるでしょうね。
更に挑戦者を応援したくなるような、魅力が無ければ、見ている人は納得してくれません。
では、どうしたら挑戦者が魅力的になるのか?
我々番組の構成者はいつもそのような事を考えていました。
そして、或る時、気が付いた事がありました。
挑戦者が格好よく振舞ったり、人を感心させるような発言をしたり、そのような事では中々魅力を引き出す事は出来ません。
本職の役者さんならいざ知らず、素人の演技で人を引き付けるのは難しいのでしょうね。
それよりも、見栄や、恥や、外聞をみんな捨て去って、素顔の人間が見えたときに輝いて来る事が解りました。
つまり、一般的な言葉で「一皮むけた」という時に、その人の魅力が出てくるような事が解ったのです。
では、見栄も恥も外聞も捨て去る方法は?
これをクイズ形式の中で、見事に表現できたのは、「大声クイズ」という形式でした。
ルールは簡単にして単純です。
クイズの答えが解った人は、早押しボタンを押す代わりに、お腹の底から思いっきり大声を出して、絶叫するのです。
その音量がある一定の基準に達するとウルトラ・ハットが起き上がり、回答権が得られるという仕掛けです。
それまでは、何となく周囲を気にして、或いは馬鹿な真似はしないように、と見栄を張っていた人でも、そのような事を気にしていたのではウルトラ・ハットは立ち上ってくれません。
人の目など気にせずに、辺り構わず大声を出して絶叫しなければなりません。
最初は恥ずかしがっていた女性でも、幾ら叫んでもウルトラ・ハットが立ち上がらないのを知ると、やがて恥も外聞をかなぐり捨てる事を決心するのです。
そうなると顔を真っ赤にし、身体をよじらせ、お腹の底から絶叫します。
それを2度3度繰り返す内に、見栄も外聞もどこかに飛んで行ってしまいます。
その時に初めてその人の素顔が見えてきて、本当に良い顔になってくるんですね。
視聴者のみなさんからは、良くそのような感想を頂きました。
この大声クイズを初めて採用したのは、第8回のチェックポイントであるリノでしたが、以来レギュラー形式のように、時々採用され、挑戦者の素顔を引き出す役割を果たしてくれました。
ウルトラクイズには、いろいろなクイズ形式がありましたが、このようにそれぞれの形式に何らかの目的が隠されていたのです。
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グァムのパネルに飛び込むスタイル同様、ウルトラならではのスタイルでした。
何せ、それまでの他のクイズ番組では到底考えられない「解答ボタン」になってしまったんですから。
個人的に印象的な大声ワードは…
「長戸帰れ!」「秋利帰れ!」「バッキャロー!」と「ババピー!」ですかね(笑
どちらも瞬間的に出たセリフをそのまま戴く…皆様の機転に笑いながらも驚きを隠せなかったくらいです。
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第8回は『大声クイズ』や『ジョギングクイズ』等、今後定番となる新しい、しかも素人同士ではできない(大声判定機は作っちゃうかな?)ウルトラならではの形式が登場した回でした。
これまでも『ブッチャー』さんを筆頭にユニークなニックネームを付けられた挑戦者がいましたが、全体からすると僅かです。ところが『大声クイズ』では挑戦者に関わる相応しい、場合によっては恥ずかしいフレーズを絶叫するので見てる方はおかしいやらで、とても印象に残りました。
その後はトメさんもフレーズで呼ぶので、みなさんにニックネームが付いたようで挑戦者の方に益々感情移入するようになりました。
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大声フレーズも各挑戦者の代名詞ともなり
特徴をつかむきっかけにもなりますから、
視聴者側としても、面白い形式だったと思います。
そういえば第10回だけフレーズではなく
「トメさん!」に統一されてましたが、
これは誰が大声組に回るか判らなかったからなのでしょうか?
(もう片方は念力組でしたね)