アメリカ横断ウルトラクイズの面白さの1つは、大袈裟な仕掛けにあったように思います。
どのテレビ番組もそうですが、限られた予算の中で、セットが作られ、出演者が集められ、スタッフが揃って番組は撮影に入ります。
ウルトラクイズが始まった当時は、テレビ界も景気が良くて、ヒットしている限りは、毎年予算が膨らんで、担当プロデューサーは、毎年赤字になるので、始末書を提出するのが
「恒例の行事だ」
と笑って言ってました。
普通のサラリーマンなら、赤字を出して会社に損害を与えれば、下手をすれば降格か、左遷を覚悟しなければなりません。
でも、当時のテレビ界では、赤字を出しても、視聴率さえ取れれば、万事OK!という良き時代だったのです。
そんな時代の中でも、大判振る舞いの仕掛けが次々と出されたのが、私の記憶では第8回だったように思います。
例えば、ダコタでは8台の本物の幌馬車を、周辺各地から集めて、カウボーイ達と1緒に大草原を旅をしながら、早押しクイズをしました。
この時も、幌馬車はかつて活躍した本物でなければ使えない、と無理な注文を出したのです。
従って、そのような幌馬車をアチコチ探し回るのに、現地のコーディネーターが苦労していたのを私は知っていました。
その前のフェニックスでは、アリゾナの砂漠の中でバラマキクイズをしました。
砂漠と言っても、アリゾナの砂漠は、サボテンをはじめ、乾燥地帯の植物が結構自生していて、見渡す限り砂の砂丘とは異なります。
こんな砂漠地帯でバラマキとは?
実は撒く人達に、膨大な費用を投じたのです。
普通ならヘリコプターか、或いは軽飛行機で問題用紙をばら撒くところを、スカイダイバーが問題を持って持って、天から降ってくるという仕掛けでした。
それも1人や2人ではありません。
何事もやる事は派手が大好きなウルトラクイズの仕掛けです。
当時全米第1位のスカイダイバー・チーム、クーリッジ・スカイダイバー・チーム30人が、天高く飛び降りて来たのです。
司会の福留さんが、「問題はあの人達が撒いてくれる」と絶叫して、空を見上げたのですが、最初現場では何も見えませんでした。
挑戦者も、狐につままれた様にポカーンと空を見つめていただけです。
私も、ジーっと見ていると、青空の中にゴマ粒ほどの点が幾つか確認されました。
つまり、スカイダイバーが飛行機から飛び降りた直後の上空は3,000~4,000メートル。あまりに高すぎて、人間の姿を確認するのが困難なくらい、小さいのです。
それが上空数百メートルまで降下して、初めてパラシュートが開き、大空一杯に、赤、青、黄などの華やかなパラシュートの花が咲き乱れると言う仕掛けでした。だから、パラシュート・チームが繰り広げた上空での演技は、現地の肉眼では確認出来なかったのです。
これなどは、たまたまその現場でスカイダイビングの大会をやっていたのなら、可能でしょうが、わざわざウルトラクイズのために、このチームをフェニックスまで呼んで演技してもらったのです。
これだけでも、1つの番組が出来るような費用を、1つのチェック・ポイントに投入していたのですから、大掛かりで、ハラハラドキドキ、胸が高鳴る番組が出来たわけです。
我々が企画会議で夢を語ると、当時のウルトラクイズにはそれを実現させてしまうパワーがあったのです。
だから、その意味では、スタッフにとっても夢の番組だったと言えるでしょうね。
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>マル51さん
スルーした訳ではありません。気になって調べたのですが、本が手に入らなかったので、時間がかかってしまいました。以下、別にお答えした通りです。
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自分だけ、この記事での返信が来ない。
スルー(ウルトラだとキャンセル?)されたのかな?
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>エステはどこがいいの?さん
コメント有難うございました。
そちらのブログ、覗きに行きます。
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>まささん
コメント有難うございました。
あの頃は皆が乗り乗りの気分で仕事に没頭出来た、良い時代でした。
世の中に希望が満ちていたのでしょうね。
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8回大会は、私のウルトラ挑戦を決めた大会です。
深夜の奇襲、大声、ジョギングの定番になったクイズのスタートで、海底でのクイズが話題でした。
幌馬車の演出も凄かったし、バラマキのスカイダイバー、レース場を貸し切り? も凄かったです。
凄い時代だったんだなー
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こんにちは!私はエステのこととか日々感じることを書いているブログですが見てみてくださいね!私のブログにも遊びに来てくださいね♪
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>月舟さん
私も第8回は完成された回だったように思います。
演出陣も、初期のメンバーが熟成して来た時代でしたから。
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>茨城のどうでしょうふぁんさん
コメント有難うございました。
子供の頃からのテレビっ子だったんですね。
現在のテレビ制作に関しては、昔と大違いなのでしょうね。
視聴率至上主義は同じですが、予算を縮小させる人間が評価される傾向にあって、失敗を恐れているのでしょう。だから人真似番組しか出てこないのでしょう。正に官僚的な考えが主流なのでしょうね。
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4歳の頃からウルトラクイズを見ていた記憶があります(当時は視聴者参加クイズ番組が花盛りでしたね~)。
「視聴率さえ取れれば、万事OK!」すごい時代だっんですね。
今って、赤字は出さないように安全パイを出すということなのでしょうか。なーんか、似たりよったりの番組が多くて…。ただ深夜番組は別ですが。
色々な裏話をこれからも書いていただけることを期待しております。
乱文お許しのほどを。
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動画で見ることができました。
ひとつのチェックポイントで、見てるだけではよくわからない所で、こんな凝った演出をしていたなんて…。
これぞ「スペクタクル」だったんだ。
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第8回は私がウルトラ出場を決意した思い出深い大好きな回です。後楽園での優勝賞品発表と敗者復活・奇襲・大声・幌馬車・ジョギング・海底と冒険心に満ちた新たな試みのオンパレードの回でした。
第8回はウルトラクイズの完成形といえるのではないでしょうか?