アメリカ横断ウルトラクイズの名物に罰ゲームがあったことは、ウルトラファンには広く知られていました。
クイズに負けた罰ですから、ご本人にとっては屈辱的なゲームなのは間違いありません。
狙いは、体力的に苦しい体験、恥ずかしい体験、恐怖の体験、といったような事が、罰として敗者に科せられ、その様子を視聴者は同情しながらも、笑ってしまう、というのが基本的なコンセプトでした。
中にはクイズの勝負よりも、罰ゲームの方が印象に残ったなどという、主客転倒もしばしばありました。
我々番組の制作陣も、クイズ形式と共に罰ゲームの案には、力を入れて考えたものでした。
そのような中で、ある種の人から見れば「罰」というよりは、むしろご褒美のような、体験も多数あったように思います。
その典型的な例が、第8回の準決勝フィラデルフィアでの、罰ゲームだったように思います。
この街は、アメリカ合衆国の出発点とも言える都市でした。
アメリカ憲法発布の舞台であり、第一回の国会が開かれたのもこの街だったのです。
アメリカの銀行も、病院もみんなこの街で誕生して、全国に拡がって行ったという歴史がありました。
この街の中心部に、赤レンガのジョージ王朝様式の立派な建物がありました。
植民地時代ペンシルベニアの議事堂だった建物で、インディペンデンス・ホールです。
我がウルトラクイズは、この建物の前面に広がる芝生の広場をクイズ会場にして、準決勝が行われ、2人の敗者が決まりました。
このフィラデルフィアには、当時もう一つの名所がありました。
映画ファンにはおなじみ、あのシルベスタ・スタローンの「ロッキー」の舞台だったのです。
そこで、ロッキーがトレーニングを重ねた映画の舞台、博物館前の大階段で、ロッキーと同じように生卵を五個いっぺんに飲まされ、トレーニングのしごきを受けたのでした。
これで終わり?
いやいや、罰ゲームの本番はこれからです。
ロッキーの舞台ですから、この街は元々ボクシングが盛んな街だったのです。
そして、街一番の有名なボクシング・ジムに連れて行かれました。
そこが、元世界ヘビー級チャンピオン、ジョー・フレーザーのジムだったのです。
因みにジョー・フレーザーは64年の東京オリンピックで、ヘビー級の金メダリストとして、世界一強い男として有名でした。
機関車のような突進力とスタミナを備え、左フックを得意技としたボクサーです。
ボクシング界で、彼の名を高めたのは伝説の男、モハメッド・アリを初めて敗北させた男としての功績です。
そんな、世界ボクシング界憧れの男、ジョー・フレーザーご本人が、直々に敗者のスパーリングの相手をしてくれると言うものでした。
彼の殺人パンチが、敗者の顔面を捕らえたら?
こんな恐ろしい罰ゲームはありません。
しかし、ボクシング・ファンから見れば、この体験は罰ゲームどころではありません。
若しかすると、優勝賞品に近いほどの貴重な体験だったかもしれませんね。
ジョー・フレーザーさんは、2011年に肝臓ガンのため亡くなっています。 合掌
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>まささん
そうです。クイズに勝ち進みながら、罰ゲームも体験する。挑戦者は人生でとても大切な体験を、重ねた事でしょうね。
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罰ゲームでスパーリングの相手が豪華すぎて罰ゲームというより頑張ったご褒美?に近いものもありますし、砂漠の真ん中、海底、ハドソン川を歩くのも貴重な体験です。
エリーではどんな困難な壁にぶつかっても、挫けない精神力がつくでしょうし
罰ゲームを受けた挑戦者は、クイズに勝ち進むのと、罰ゲームと、2つの体験ができて羨ましいです。
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>tsutomuさん
日本中のウルトラファンが知っている事を、ただコメントしただけですので。
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>九州のベンさん
コメント有難うございました。
確かに罰ゲームというよりは、ご褒美みたいな罰も結構あったですね。ご当人にとっては一生の良い思い出になってくれていれば、嬉しいのですが。
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>月舟さん
コメント有難うございます。
罰ゲームにも夢と冒険がある。とても嬉しい言葉ですね。ご理解頂きスタッフの1人として感謝します。
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>マル51さん
すごい情報通ですね。世の中には、予期出来ない偶然はあるようですが、そのような1つの例なのでしょうね。
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と今考えると一瞬首を捻りたくなるような罰ゲームって考えてみると
結構あるような気がします。確かに罰ゲームに違いないのですが、
今回話題に上ったジョーフレーザー氏やルーテーズ氏のような
往年のスーパースターが登場してスパーリングの相手をしてもらう
なんて滅多な事では体験できる事ではないですし、こんな
罰ゲームなら自分が受けたいなどと思った人もいたと思います。
今回のような栄光の?罰ゲームのひとつとして、私は第12回の
サンパウロでの罰ゲームが忘れられません。サッカーの本場
ブラジルのプロチームの練習に参加できると言うだけでも凄いのに、
ここで敗れたSさんは大のサッカーファンだったと言うのですから
偶然もここまで来ると凄いの一言です。
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ウルトラの罰ゲームの中には豪華なゲストがあったり、普通では入れない所で行われたり、敗者単独ではなく体験や挑戦だったりと敗者の方も後から思えば、よくあんな所であんなことできたよなー、なんていい思い出になりそうなものも多かったですよね。
罰ゲームにも夢と冒険がある。これがウルトラクイズですよね!
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ジョー・フレーザーさんだけではなく、同年に敗者の方もお亡くなりになっています。
この方は12回でもアラスカ鉄道で最初に置き去りされています。
こういった偶然もあるんですね。
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>ボブ彦さん
コメント有難うございました。
確かに15回の罰ゲームも似ていましたね。
ルーテーズさんの事は以前にも書きましたが,共に罰ゲームとしては、格好の材料だったと思っています。
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いつも楽しく拝読しております。書き込みはかなり久し振りです。
第15回準決勝の罰ゲームに、似た様な感じのが行なわれたのを記憶しております。
確か、プロレスだったかと(当時ルー・テーズさんをテレビで拝見して感動した元プロレスファン)。
福留さんはボクシング中継を、福澤さんはプロレス中継のアナウンスをかつて担当されていた(筈)…偶然の一致でしょうか?