アメリカ横断ウルトラ・クイズには毎年何十人というスタッフが参加しました。
テレビ業界では珍しい事ですが、長寿番組の割りに,スタッフの入れ替えが少なかったのは、特筆するべき事でした。
前にも書いた事があると思いますが、大勢の人間が旅をしながら、現地でクイズを行うという形式は、チームワークが求められます。
だから毎年作業に慣れた人間が担当した方が効率が良くなるのはお解かりでしょう。
決まった人間が,毎年1回だけ集まって1ヶ月の期間だけ番組創りに参加する。
こうなると自然の流れとして、チームワークが出来上がり、自分達だけの暗黙のルールが完成して行きます。
従って毎年何人かの新人が参加しますが、彼らとて直ぐにチームに溶け込んで行く、という事で番組作りは進行していました。
そのようなスタッフの中で、最初から最後まで参加した地味なスタッフの事を今日は書いてみたいと思います。
それは、ウルトラクイズの重要な要素である「旅」を担当してくれた2人のスタッフです。
ウルトラ・クイズのテロップ・スーパーでもお解かりかと思いますが、旅行社の近畿日本ツーリストの協力が大でした。
何しろ、多い時には100人を超える団体が旅をする訳ですから、そのお世話をするのは大変な仕事です。
通称キンツリさんの担当は、総括はMさんで彼は責任者として最初から最後まで関わってくれました。
会社では日本テレビ担当という事で、セクションが変わってもウルトラを担当していたようです。
Mさんはロケには参加しなかったので、スタッフとの接点は少なかったのですが、彼の協力無くしてはスムーズな番組進行は出来なかったと思います。
そして更に重大な役目をこなしてくれたのは、キンツリのKさんでしょう。
このKさんは、第一回から最後の回まで全てのロケに参加してくれました。
だから、挑戦者の皆さんは全ての方が、多分Kさんの事を記憶しているのではないでしょうか。
Kさんの職種はツアー・コンダクターです。
一般的には、海外旅行に同行して、お客さんのお世話をする係りですね。
お客さんの中には我侭な人が居て、彼らを困らせるような出来事も、日常的に起こるのだそうです。
それらを上手くこなして1人前になるような仕事ですが、ベテランのKさんに任せれば、旅の安全は保証されたようなもので、スタッフには絶大な信用がありました。
ウルトラ・クイズの場合、スタッフと挑戦者は飛行機は同じですが、宿泊のホテルは別々の事が多かったので、接触するのはクイズ会場くらいしかありません。
だから、挑戦者担当のKさんと我々の接点は少ないのです。
1月も一緒に旅を続けているのに、話をする機会があまり無いというのも異常ですが、このKさんに対するスタッフの信頼度は高く、それも人柄のせいだと思います。
Kさんは、物静かな紳士で、おそらく挑戦者の皆さんから頼りにされていたと思います。
旅先での食事、ホテルでのトラブル、どのような相談にも親切、丁寧に対処していたのを我々スタッフは知っていました。
Kさんは最初は髪も黒々としていましたが、途中でグレーに、更に白髪に変化し、或る時私は個人的な話をする機会に恵まれ、その話に驚きました。
実は、ウルトラ以外のときでも1年中、旅をする仕事なので、彼の家庭生活はどうなっているのか、と聞いて見たのです。
すると彼は笑いながら、「結婚する暇が無くて、未だに独身です」との事でした。
しかも、彼はウルトラ・クイズが好きなため、他のセクションに移ってからも志願してウルトラを担当しているとの事でした。
同じロケのチームに居ながら、挑戦者担当のKさんと共に食事をするのは、決勝戦が終った日の夜行われる打上パーティーくらいしかありません。
それでも、スタッフの中でKさんの存在感は大したものでした。
彼がロケ現場から、敗者を帰国のために空港に送り、次のロケ地に向かっての準備をする、忙しい働きぶりをつぶさに見ていたからです。
敗者の皆さんもKさんの仕事ぶりに、癒された方は多かったと思います。
誤解のないように説明すると、挑戦者担当のキンツリさんは、毎年2~3名でしたが、その責任者がKさんだったのです。
ウルトラ・クイズが無くなって、Kさんは、今どのような場所を旅しているのでしょうか?
とても懐かしいスタッフの1人でした。
真ん中がKさんです。
SECRET: 0
PASS:
>M.Aさん
コメント有難うございます。
私もいつかはKさんの働き振りを書きたいと思っていました。それを実現したら、反応が結構あったので、とても嬉しいです。
このように地味で陽の当たらないスタッフに支えられて、番組は作られていたのでした。
SECRET: 0
PASS:
>まささん
古い事を実に良く記憶なさっているのに驚きです。
旅番組では、あのようなプロの仕事人が陰で活躍してくれるので、成立しているのです。
SECRET: 0
PASS:
>おがわさん
体験者の方から、このような反応があると、嬉しいです。Kさんは、ウルトラに無くてはならない貴重なスタッフだったのです。
SECRET: 0
PASS:
>月舟さん
有り難い事に確かにウルトラは幸せな番組でしたね。個人的にも関われて、本当に良かったです。
SECRET: 0
PASS:
>短髪専の元ガイコツさん
Kさんが敗者予想をしていたという事は初耳です。
それは映像で紹介された場面なのでしょうか?
申し訳ありませんが、私の記憶も怪しくなったのか、覚えていないのでスイマセン。
SECRET: 0
PASS:
第13回の放映時に、このように紹介されていましたね。ニュージーランドのホテルから航空会社に電話をかけて、英語で流暢に搭乗者の変更手続き(敗者予想)をされていた場面を思い出します。挑戦者に対して数々の仕掛けが施されているウルトラの旅、パックツアーの添乗とは違う質の配慮が頻繁に求められていたことでしょう。お髪が白くなられたのは、そのため?なんて。
でも、Kさん自身は、普段の業務では行く機会がほとんどないであろう国や場所を訪れるウルトラの旅を、心底楽しんでいたんですね。ウルトラの添乗経験が他のツアーの添乗に活かせた場面もあったのではないでしょうか。ウルトラスタッフとKさんはWin Winの関係だったんですね。しかし、独身だったとは。これは本当に「今だから話せる」、ですね。
ウルトラの挑戦者にもKさんの同業者がいましたね。第6回のクイズ王は元ツアコン、第15回の挑戦者・Aさんは現役のツアコンの方でした。このお二人も、ウルトラの旅を満喫されていたのが、映像から窺えました。旅のプロをも惚れさすウルトラクイズ…。罪な番組です。
SECRET: 0
PASS:
Kさん、13回大会でのクインズタウンでの敗者予想と、2回大会レイク・タホでの罰ゲームに同行されていたのを記憶しております。
仙台から大阪までの飛行機の予約はついついキンツリさんに向かってしまいます(^-^;
挑戦者の飛行機のチケットと、ホテルの手配はどうなってるのか?
謎です(・・;)
SECRET: 0
PASS:
物静かな紳士のKさんからも、グアムの奇襲クイズの時は見事に騙されました。「信じてはいけない番組」だったのです。ホント。信じちゃいますよ、あの人の話なら。
SECRET: 0
PASS:
こうやってウルトラの語り部となってくださっているtsutomuさんを始めKさんといい、ウルトラは挑戦者・視聴者のみならずスタッフにも愛された、本当に幸せな番組なんですね。
SECRET: 0
PASS:
ニュージーランドだったと記憶しているのですが、当時日テレの小倉アナと一緒に敗者予想をしていたのを記憶しています。