大統領選挙に遭遇

メリカ横断ウルトラ・クイズは、毎年アメリカ各地を旅しながら、クイズを行いました。
アメリカでは4年に1度、大統領選挙が行われ、国を挙げてのお祭り騒ぎになっていました。
だから、そのお祭り騒ぎの真っただ中に飛び込んで、クイズを行った年も何回か体験しています。

そのような年には、クイズ形式に大統領選挙に因んだ形式を考えるべきと言う宿題が、我々構成作家に出されました。
アメリカの大統領選挙は、ちょっと分かり難いシステムです。
有権者が直接候補者に投票するわけではなく、その前に代議員選挙というものが有ります。
つまり、大統領の選挙を行えるのは、この代議員なのです。
この代議員は各州の人口によって、人数が決められています。つまり、人口に比例して代議員の数が決まり、大統領候補者は、如何にして自分を支持する代議員を獲得するか、各州を回って選挙運動を繰り広げます。

の様なルールがある訳ですから、賢明な挑戦者ならクイズ形式を予想する、それがウルトラ・クイズなのです。
我々もこの選挙方式をクイズ形式に取り入れる事を考案しました。
それは、第12回ワシントンDCで行われたクイズでした。
クイズ会場はこの形式に最も相応しい、アメリカ合衆国の国会議事堂の前でした。

アメリカ国会議事堂

ルールは早押しで1問正解すると、アメリカ50州の中から1つだけ州を選ぶ事が出来ます。
選んだ州の代議員の数が得点になります。その合計が50になれば勝ち抜きという訳です。
但し、州の代議員の数は伏せてあるので、挑戦者は自分でその数を推理しながら選ばなければなりません。
つまり、人口の多い州を知っているという知識も勝負のカギになる訳です。

みにカリフォルニア州は47人。ニューヨーク州は36人。テキサス州は29人、と多い方ですが、アラスカ州が3人、ハワイ州が4人と少ない州も有ります。
運が良ければ2問正解で勝ち抜ける事ができる反面、逆に運が悪いと5問、6問と正解を続けても勝ち抜ける事が出来ません。
この様な知識も、実力の内と思えば、やっぱりウルトラ・クイズで勝ち抜くというのは、大変な力が必要だったんですね。
この年、大統領の椅子を競っていたのは共和党のパパ・ブッシュ氏と民主党のデュカキス氏でした。
思えばウルトラ・クイズは第39代カーター統領の時代に始まって、R・レーガン大統領が2期8年、その後ブッシュ大統領が4年、更に「今世紀最後」の時には、クリントン大統領でしたから、アメリカの歴史と共に歩んだとも言えます。
まあ、勝手な言い分で、自己満足 な話ですがね。

パパ・ブッシュ

「大統領選挙に遭遇」への10件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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     去年の大統領選挙報道の際にも、選挙の仕組みを抵抗なく理解出来たのは、このクイズのお陰でした。
     こういうアイデアも、ウルトラクイズならではだと思いました。

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    >まーくんさん
    小さいながら、中々厳しい目で、番組を見ていたのですね。その様な視聴者が多かったので、我々も手が抜けず、頑張れたのでしょう。

  3. SECRET: 0
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    >まささん
    やっぱりウルトラのチャンピオンは凄い知識の人たちだったのです。その様な人が多数参加してくれたので、番組は楽しく制作できたので、感謝です。

  4. SECRET: 0
    PASS:
    国会議事堂前でクイズをやれるなんて、アメリカ人のふところの深さを感じました。
    どのように交渉して許可を得たのでしょうか。
    日本では、まずあり得ないですよね。
    ここで敗者になったSさんは、代議員の多いところが分からず、かなり苦戦してましたね。
    当時中学生だった自分は、アメリカ大統領選は複雑だなぁ~と思った記憶があります。

  5. SECRET: 0
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    大統領の移り変わりを見ると、歴史ある番組を感じます。
    12回ワシントン、14回レバノンでの形式は、クイズに強いだけではなく、アメリカの事情をよく知った、博識じゃないと価値抜けられない難しさがあったように思います。
    14回大会のチャンピオンは、
    クイズが強いというより、博識のクイズ王の印象がある、大好きなチャンピオンでした。

  6. SECRET: 0
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    僕は、このクイズを観たのが小学校6年生の時でした。とても印象に残っています。この年優勝した人が勝ち抜けまであと1人足らず、苦笑いするも次の問題でしっかり正解して一抜けしたのはさすがだと思いました。
    ここで敗者となってしまった人は、アメリカの地理がものすごく苦手で正解しても州の名前が出てきませんでしたね。ボードには州の代議員の数だけでなく州の名前も伏せてあったので、州の多い人口を知ってる以前に州の名前すら出て来なかったのが敗因でしたね。そして罰ゲームも地元の小学校でアメリカの州の勉強に悪戦苦闘している様子を見てウルトラクイズはよくできているなあと感じたチェックポイントだったと感じました。

  7. SECRET: 0
    PASS:
    アメリカの選挙の熱狂は凄いですね。日本では考えられない…。あ、私は投票してきましたよ(笑)
    アメリカの選挙の仕組みをあのクイズで知りました。
    他にも州の名前を知らないと抜けられないような形式もありましたね。
    やはり『アメリカ横断』、アメリカの基本くらい押さえておかないと思わぬ苦戦を強いられることになるんですね。

  8. SECRET: 0
    PASS:
    参院選の翌日ではありますが、大統領選の仕組みはこのクイズ形式で初めて知りました。当時小6でした。
    今では、カリフォルニア州だけで50人を超えてますからね。だとしたら、通過ポイントは60人に設定していたのかな?
    兎にも角にも、ウルトラは「学べる」クイズ番組でもあったんだ!

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