アメリカ横断ウルトラ・クイズでは、毎年ロケハンでアメリカ各地を旅しながら、クイズ会場を探していました。
勿論、漫然と旅をする訳ではありません。面白そうな場所を調査し、会議で諮って決定した場所を実際の目で確かめ 「ここなら大丈夫」と確信が持てた場所をクイズ会場に決める、というのが大体の流れでした。
我々が気に入って決めても、相手の都合で拒否されるような事もあるのは当然です。
その様な中で、未だに何故あそこがクイズ会場にならなかったのか、私自身納得していない場所がいくつかありますが、今日はそんなお話を書いてみましょう。
その、第1候補はロスアンゼルスとサンフランシスコの中間にあった「ハースト・キャッスル」と呼ばれる超豪邸でした。
時は遡って20世紀の初頭、アメリカではとてつもない大金持ちが何人も誕生しました。
石油を掘り当てたり、鉄道を敷いたり、その様な成功者が多かったのですが、ウイリアム・ランドルフ・ハーストさんは、新聞を発行して大当たりを見せたのです。
最盛期には、26の新聞社を傘下に収め、8局のラジオ局を経営して、メディア王と呼ばれていました。
そのハーストさんが1,920年に建てたのが、このハーストキャッスルだったのです。
キャッスル、即ちお城ですから規模は壮大でした。
まず、お城の部分は、ヨーロッパで古いお城を買って、それを解体してアメリカに運んで組み立てたのだそうです。
それも1つのお城ではなく、幾つものお城を買って、この部分はどこのお城、というように、それぞれに曰く因縁があるというのですから、どのくらいの経費をかけたのか、想像を絶した金額だったのでしょうね。
勿論、敷地は広大で、見渡す限りがお城の範疇です。
この中には、大きな映画館が有りましたが、当時はハリウッドのトップスターや監督を招いて、全国公開する前に、ここで試写会が開かれたのだそうです。
スターたちは、このお城に招待される事が、最大のステータスで、あのチャップリンをはじめ、世界のそうそうたるスター達がこのお城に招かれた、と説明書に有りました。
中には、アメリカ大統領も何人も招待されていたそうで、ハーストさんの成功ぶりは伝説になっています。
私はこのハーストキャッスルは捨てがたいクイズの候補地と思っていましたが、何故実現出来なかったのか残念ながら記憶に残っていません。
ただ、この地への思いが強かったので、日本テレビの別の番組に企画書を提出し、「世界のファーストクラス」という番組を制作しました。
おかげで私は、再びこの地を訪れる事になったのですが、今でもあの場所は、ウルトラクイズのクイズ地として使えなかったのが残念でなりません。
最近では、同じメディア王と呼ばれたイタリアの元首相殿は、スキャンダルで世界中のマスコミに追いかけられましたが、どうせならメディア王なのですから、ハーストさんのような素晴らしい伝説を残してほしかったですね。
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>まささん
確かにシンプルな早押しクイズで良いのでしょうが、モット相応しい形式を生み出せ、という我侭な意見が多く、苦労していたのです。
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>月舟さん
多分我々が相応しいクイズ形式を考え付かなかったのだと思いますよ。
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ここは絶好のロケ現場ですよー
管理側はなんでわざわざこんなとこでクイズをするんだ?って思ったんでしょうか?
ここはシンプルな早押しで十分ですよ。
ロケの許可を貰うのも大変なんですね。
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通った企画のタイトルが気になりますね。
クイズ会場じゃプライドが許さなかったんでしょうか?
「『世界のファーストクラス』? あぁ、そういうことなら撮らせてやらんでもないがな、ガハハ…」なんてふんぞり返ってたんですかね。