決勝戦の問題は特別

メリカ横断ウルトラ・クイズは、毎年数多くのクイズ問題を出題していました。
これらの問題は、毎年クイズ問題を考える作家達が作るのですが、問題の形式を分類すると大別して4種類に分ける事が出来ました。
作るのに1番苦労するのは○×問題でした。
これは2者択一ですから、どちらにも取れそうな、分岐点が難しいのです。
しかも、題材は誰が聞いても、1度で理解できるようなシンプルな問題が求められました。
○×問題で、優れた問題はやはり最初の東京ドームで出題されます。
理由は、より多くの挑戦者に答えてもらいたいので、その様に配分しました。

2番目に数多く作ったのが早押し問題でした。
3番目は変形で、ですが問題、1問多答問題という分野が有りました。
4番目にに機内ペーパー・クイズの3者択一問題。
これは以前にも書きましたが、○×や早押し問題として作られたものを、変形させたので、我々構成者がクイズ作家の作った問題を書き直して出題していました。

出来上がった問題をどの場所で使うのかは、構成者とディレクターで相談しながら配分します。
というのは、担当ディレクターはチェック・ポイントによって、自分の分担が割り振られていますので、気に入った問題は自分の担当場所で使いたいので、チョイスするシステムになっていました。
時には問題の取り合いで、D(ディレクター)同士が対立する事もありました。
でも、その様な時には、先輩が強引に奪ってしまうのはどの職場でも同じでしょうね。

れとは関係なく、決勝地での問題は、私とチーフDで選んでいました。
何故なら決勝問題は、その年のクイズ問題を代表する質が求められます。
つまり、何故この年に出題されるのか、という意味付けが欲しかったのです。
更に、決勝戦だけに難しいね、という難問を適度に入れ込まなければ、視聴者は満足してくれません。

ウルトラクイズ決勝1

これも匙加減が必要で、単に難解なだけでは、視聴者にそっぽを向かれてしまいます
「そんな問題、解るはずないだろ!」ではダメなのです。
難解でも、2人の内、どちらかは正解するだろう、という読みの問題です。
これを挑戦者が正解すると「さすが!」とお茶の間から声が聞こえてきそうな問題を選ばなければなりません。

ウルトラクイズ決勝2

、当時の決勝戦の問題に目を通すと、やっぱり決勝戦に進出した人は「凄いな!」と感心してしまいます。
私達も決勝戦の前夜、最後のクイズ問題の読み合わせで、「この問題は外そう」と最後の最後まで悩んだ難解な問題は沢山ありました。
でも、その様な難問をサラリと正解された時には、私も嬉しくて ピンポーン!と判定音のボタンを押す指に力が入ったものです
クイズ王になった人達は例外なく クイズの達人 でした。

ウルトラクイズ決勝3

「決勝戦の問題は特別」への10件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    >Win!Youさん
    時の運はウルトラの特色です。長く続いたのは視聴者に我々の考えが理解されたからで、他のクイズ番組と比較をされても、お答えのしようがありません。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    はじめまして。
    「ウルトラクイズ」の決勝は、毎回、
    オーソドックスな10ポイント先取りの早押し口答形式で争われましたが、
    平成元年にフジテレビが立ち上げた視聴者参加大型クイズ特番、
    「FNSクイズ王決定戦」の決勝は、
    最初の年は、「ウルトラクイズ」と同様の10ポイント先取りの早押し口答形式(しかも5人で争っていた)だったのですが、
    翌年からは、決勝は早押しではなくて、
    筆記と口答を組み合わせた方法で行なっていました。
    この形式は、筆記と口答の双方が完全に正確に一致しなければ正解と認定されない、
    つまり、筆記が正確でも口答の読み方が一句でも誤ったり、
    口答が正確でも筆記を一字でも誤れば不正解とみなされてしまうというルールで、
    読み書きの両面で正確性を問われるクイズ形式だったのですが、
    この方式は「ウルトラクイズ」では、ついぞ取り入れられませんでした。
    この「FNSクイズ王決定戦」は、
    「ウルトラクイズ」の特色であった「時の運」の要素を排除し、
    実力主義を完全徹底したクイズ番組でしたが、
    「ウルトラクイズ」のような10年選手の番組にはなりませんでした。

  3. SECRET: 0
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    >マル51さん
    この様な言葉の使い方は会議で決まる訳では有りません。ディレクターが、前例に倣った事だと思いますよ。最初は誰かは、解りません。

  4. SECRET: 0
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    >tsutomuさん
    スミマセン。自分の言いたかった事が伝わらなかった様ですね。
    クイズ界→スルー
    日テレのクイズ→キャンセル
    と表現していた理由が知りたかったのです。

  5. SECRET: 0
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    >マル51さん
    スルー、とキャンセルは番組が異なるのですから、言葉が違っても仕方がないのでしょうね。
    両方とも同じテレビ局なので、その辺を調整する事は出来ましたが、積極的に誰も手を付けなかったというのが、現実です。

  6. SECRET: 0
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    スルーは、サッカーの「スルーパス」あたりから、みんな当たり前に使われていますが、クイズ界では、随分前から「用語」として使い続けていました。
    しかし、当時のウルトラクイズと高校生クイズは、同じ状況でも、画面の字幕で「キャンセル」と出ていました。
    何故、スルーではなく、キャンセルと表現していたのか。そして、どうしてあまり浸透しなかったのでしょうか。

  7. SECRET: 0
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    決勝の問題は優勝を決めるだけにある程度の難しさが必要で、問題に出てくる内容は聞いたことがある事柄だけど、その深い部分を問われるような難易度だったような記憶があります。
    クイズ王は知識量がものすごいですね。

  8. SECRET: 0
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    >月舟さん
    さすがに決勝戦ではスルーはほとんど無いですね。決勝に進む人は、やっぱりクイズの実力者だという事でしょう。

  9. SECRET: 0
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    どのチェックポイントでも、問題は極秘のはずですが、問題自体は極秘でも恒例となっている傾向はあります。
    国内予選第1問『自由の女神』、決勝戦第1問『ニューヨーク』の問題です。
    決勝進出のお二人とも、栄えあるこの1問を取ろうといろいろと予想して勝負を賭けていたはずです。
    なので最後の問題と共にとても印象深いです。
    ところで決勝戦ともなると、誤答はあってもスルーはありませんか? それとも慎重になりすぎて意外とあるものですか?

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