四文字熟語は問題作りの宝庫

メリカ横断ウルトラ・クイズでは、毎年1万問以上のクイズ問題を用意しました。
これは、クイズ問題作家と呼ばれる人達を養成しながら、彼らに作ってもらった問題が大半を占めます。
折角作っても、クイズ問題会議という厄介な関門を通過しないと、採用には至りません。
この会議のメンバーは、プロデューサー、ディレクター、司会者、構成者などで、自分たちも問題を作るように私は何度も申し入れ、それを実行しながら毎週会議を行いました。

このブログでも、何度も書きましたが、単なる知識問題は「教科書問題」という冷やかな拒否の一言で、没にされてしまいます。
そこで、知識にプラスアルファーを加えた問題を作るように、作家の皆さんに注文を付けていました。

その様な中で、私は「四文字熟語は問題の宝庫だ」という意味の事を、彼らに話していました。
四文字熟語の意味を答えにしたのでは、「教科書問題」と呼ばれてしまいます。

でも、辞書で熟語の解説を良く調べると、熟語にまつわる薀蓄が記されている場合があります。
それこそ、クイズ問題にとっては絶好のネタになります。

例えば、今「則天去私」(そくてんきょし)という四文字熟語を調べてみました。
四文字熟語辞典の説明は以下の通りです。

則天去私とは。
意味や解説。小さな私にとらわれず、身を天地自然にゆだねて生きて行くこと。▽「則天」は天地自然の法則や普遍的な妥当性に従うこと。「去私」は私心を 捨て去ること。夏目漱石が晩年に理想とした境地を表した言葉で.ある。
更に、この熟語は漱石自身が作った造語である、という説明もありました。
この様な、おいしい情報は即クイズになります。

夏目漱石

そこで作られたのが第16回のニューヨークの決勝戦で出題された問題です。

「晩年の夏目漱石が好んだ言葉、『自我を捨てて、自然にゆだねて生きる』という意味の四文字熟語は何?

「則天去私」  ピンポーン! となる訳です。
 
この時は東大クイズ研の田中健一さんが、これを答えて、チャンピオンになりました。
毎年、決勝戦でチャンピオンが決まった最後の問題は思い出深いのですが、この答も私にとっては深く記憶に残る問題でした。
それにしても、この様な言葉を知っているというのは、チャンピオンは只者ではありませんね。

「四文字熟語は問題作りの宝庫」への21件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    >16回最後の敗者 大西肇さん
    若旦那、お元気で何よりです。
    16回の決勝戦も私にとっては忘れがたい名勝負でした。社会人対学生のクイズ一騎打ちという作りで番組は進行しましたが、実力者同士見応えのある対戦でした。
    お疲れ様でした。21年経っても忘れられない人に声を掛けられるほど、良い勝負だったのでしょうね。1時とはいえ、日本中の注目を受けた訳ですから、人生の良い記念になった事でしょう。そのお手伝いが出来た我々にとっても嬉しいコメントでした。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    tsutomu 様
    ご無沙汰しております。
    16回最後の敗者、「呉服屋の若旦那」
    こと京都の大西肇です。
    「則天去私」は私も忘れられない問題です。
    その答えが田中くんの口から放たれた瞬間に
    数週間に渡る旅が終わりました。
    信じられないかもしれませんが、あれから21年
    経った今でも、「ウルトラクイズの大西さんですか」と
    声を掛けていただくことがあります。
    とんでもない番組ですね。
    そんなとんでもない番組で素晴らしい経験を
    させて頂き、ありがとうございました。

  3. SECRET: 0
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    >マル51さん
    確かに15回の能勢さんのウイニングアンサーも珍しいスタイルでした。暗算が出来ないと正解は難しい問題でしたが、これをクリアした彼の力も大したものでした。

  4. SECRET: 0
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    違った意味で印象に残った、歴代Q王のウイニングアンサーは、15代Q王の「720」です。
    何故なら、問題を聞いた後にボタンから手を離して、指で素早く数えてからボタンを叩いて答えたからです。
    今世紀最後を除く16回の歴史で唯一のケースですね。
    問題は「サイコロの目を全部たすと21、では全部かけるといくつ?」という、決勝でまさかのバラマキ用のクイズ!?
    今では「全部たすと」のポイントで押してるベタ問題になりましたが…。
    ただ、「全部たすと21ですが、このうち黒い目はいくつある?」と捻ったらわかりませんけどね!

  5. SECRET: 0
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    >マル51さん
    「東京直行」は嫌な4文字ですが、「敗者復活」は嬉しい言葉だったと言えそうです。

  6. SECRET: 0
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    >田中健一さん
    TBSの番組で大活躍を拝見し、嬉しく思いました。歴代王者のウイニングアンサーでは、貴君と長戸氏の答えが、私の記憶に強く残っていました。
    これからもクイズ界のためにも、頑張ってください。

  7. SECRET: 0
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    四字熟語では9回大会での一石二鳥です。
    当時は5年生で問題、答えを聞いてもウルトラの本を読んでもわかりません。
    後にアニメで一石二鳥の解説があって、
    こういう事だったんだと、わかりました。
    ウルトラで知らない単語を知り、暫くしてたまたまその意味を知るのがよくありました。

  8. SECRET: 0
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    >マル51さん
    楽天の優勝は、日本中を沸かせましたね。日本人の判官びいきが、このフィーバーになったのでしょう。

  9. SECRET: 0
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    >城明日華@TeNYさん
    高校生クイズでも、同じような泥んこがあったそうですが、私は見ていなかったのでコメントはできません。悪しからず。

  10. SECRET: 0
    PASS:
    >月舟さん
    復活を望む声は多いですが、今では当時の様な制作スタッフが揃わないと思いますよ。

  11. SECRET: 0
    PASS:
    >まんねん♂さん
    クイズ番組の本質をご理解頂き有難うございます。その様な皆さんのために、クイズ問題も厳しい予選通過が当然だったのです。

  12. SECRET: 0
    PASS:
    四文字の漢字の正解というと、熟語ではないですが、13回・準決勝の最終問題だった「冬虫夏草」は、ウルトラクイズファンだったら忘れもしない言葉ですよね。
    あと、忘れちゃいけない四文字の漢字といったら、やっぱり「東京直行」ですかね。敗者にとってイヤというほど目にしたフレーズですからね。

  13. SECRET: 0
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    11回・デビルスタワーのバラマキQで出た「一網打尽」ですね。
    問題が「魚を獲る(捕る?)ことにちなんだ言葉。一挙に捕まえることを何という?」でした。
    ビデオ取り始めの回だったこともあって、何度も繰り返し見ていたので、よく覚えています。
    この言葉は、よく例えて使いますからね。

  14. SECRET: 0
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    tsutomu様
    たいへん長らくご無沙汰しております。
    16回でお世話になった田中健一です。
    このたびは僕のウイニングアンサーを
    取り上げていただき、
    ありがとうございました!
    数年前に行った道後温泉に、
    漱石直筆の「則天去私」が掲げてあり、
    感慨深く眺めてきました。
    この境地に達するまでには、
    まだまだ長い時間がかかりそうですが。(笑)

  15. SECRET: 0
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    自分は、16回では「呉服屋の若旦那」が推しメンでした。
    優勝していたら、11代に次ぐ2人目の「敗者復活たすき」をかけての快挙だったのに残念です。

  16. SECRET: 0
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    四文字の漢字つながりで強引ですが…、
    昨日ついに「東北楽天」ゴールデンイーグルスが、球団創立9年目にして初めてリーグ優勝しました。
    被災地の皆さんにとって、勇気づけられる吉報でしたね。
    間違いなく、田中マー君はMVPと沢村賞を穫るでしょう。
    あと、星野監督は80・90・2000・2010年代と、それぞれ1回ずつ(リーグ優勝での)胴上げを経験しているのです。4つの年代で連続してやった人は、おそらくいないでしょう。
    兎にも角にも、楽天球団およびファンの皆さん、まずはパ・リーグ制覇おめでとうございます。次はCSを突破して、日本シリーズで(多分ですが)巨人を倒して、日本一になってください。そうなれば、全12球団が日本一を経験することになります。11回のグアム敗者復活戦で出た「唯一、日本一になっていない…」問題がようやく成仏されそうです。
    自分でヤクルトファンと言っておきながらですが、そこのところはお察しください!

  17. SECRET: 0
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    おっと、タイトルは四字熟語じゃないですね(笑) ウルトラを象徴する四文字ですけど…。
    夏目漱石は私の大好きな人物の一人なので、『則天去私』の境地には憧れを抱いてます。
    ウルトラクイズも『捲土重来』、復活を願いたいものですね!

  18. SECRET: 0
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    毎回テレビで見ながら分かる問題になると家族の誰かが一早く答えを言って、それが両親だと「やはり大人はよく知っている」と感心し、子供が答えると大人が「よく知ってたな」と感心の的になる…ウルトラだけでなくあらゆるクイズ番組で、そのような光景があったのではないかと思います。
    色んなドラマ・人間模様を見せてくれたウルトラクイズも、アメリカ本土終盤あたりになると、その大人でもなかなか分からない専門的の更に奥…それも「真っ直ぐ」ではなく変化球も交えた問題が出されるようになると、それを一早く答える回答者の皆さんの博識の高さに舌を巻いたものでした。それも、問題を読み終える前に、文章の流れから問題を予想して答えを導き出す…という、まるで「職人」の如く。
    やはり、秀でている人というのは一味も二味も違います。
    そして、問題を作り出す皆様も。
    真っ直ぐだけじゃあつまらない。だったら右から、左から。いや、上から、下から。斜めや裏はどうだ?…いっそ鏡に映してみたら?…みたいに、回答者の皆さんがいくら凄くても、それを導き出す皆さんというしっかりとした「下地」があってこそ、初めて輝くというのをウルトラクイズで分かったように思います。
    問題も使われる前には「予選」を通過していたんですね。…挑戦者達のように。

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