問題会議の様子

メリカ横断ウルトラクイズの人気の理由にはクイズ問題の面白さがあったと思います。

問題イメージ

挑戦者の皆さんもその辺に関しては、ご理解いただき、その問題に挑戦する気構えで参加してくださいました。
では、そのクイズ問題を選考するクイズ会議では、どの様な会話が交わされていたのか、記憶を手繰ってご紹介してみたいと思います。

にも書きましたがクイズ会議の主な出席者は、プロデューサーが2、3名、ディレクターが5、6名、構成作家が4、5名。
この会議には、クイズを作る問題作家は出席しませんでした。
何故なら、問題に対して厳し過ぎる評価が遠慮なく発言されるので、そのような言葉を直接聞かされたら、ショックで仕事が続けられなくなってしまうと心配したからです。
私はクイズ問題の責任者でしたから、どんな事があっても期間内に、決められた数のクイズ問題を揃えなければなりません。
ですから、良いクイズ問題作家を育てなければならないので、彼らを傷つけるような場面に参加させる事は避けたのです。

の様な中でクイズ問題会議は行われましたが、参加者が作られた問題を批判してばかりでは進歩がないので、或る時スタッフは全員が問題を作るように注文しました。
運良くこの提案は受け入れられて、スタッフ全員に問題制作の仕事を割り振りました。
しかし、このやり方は一時的なもので長く続きませんでした。
でも、効果はあって、問題作りの大変さを全員が知る事になって、選考の厳しさに変化が出てきました。
つまり、自分に興味が無い問題は何でも「没」拒否するような態度が減ってきたのです。
その様な中で、次第に問題選考の基準が確立していきました。
前にも書きましたが、ストレートの知識は教科書問題、という判定で拒否されてしまいます。
また、あまりに細かい知識を問う問題は「重箱の角」をほじるようなもので拒否されてしまいます。
問題点に興味が沸かない問題も当然「没」という判定が下されます。

その様な中で、良く拒否の理由として挙げられた言葉を思い出しました。
「これは俺の母親は知らない」
という言葉でした。
この発言をしたのが、当時のチーフディレクターだったので、誰も反論できませんでした。

「冗談じゃない! あんたの母親のために番組を作っている訳ではない」
と反論が出そうです。
しかし、当時のチーフディレクターは絶対的な権力者でしたので、誰1人反論はしませんでした。
私もこの発言に強い反発を覚えたのですが、待てよ、と実は心に響くものがあったのです。
やっぱり、この男は只者では無いという感情です。

はこの時、自分の母親という言い方をしたのですが、本心は
「お年寄りには興味が無い問題だろ」
と言いたかったのでしょう。
これはクイズ問題の本質に関わる意見です。
つまり、このクイズ番組は知識欲が旺盛なクイズマニアだけでなく、老いも若きも誰でも楽しめるレベルでなければならない、という事を一言で表した発言だったのです。

彼は時々この言葉を使いましたが、私も同感だったケースが多かったのを思い出します。
クイズ問題は、職業や年齢、性別を超え、誰でもが興味を持つ問題が理想です。
その中で難易度があるのは当然で、最初は易しく、勝ち進むにつれて難しくなって行く、そのような強弱を付けた問題の配列で番組は進行しました。
クイズ問題会議は、私にとっては毎回が戦い だったのです。

indian

「問題会議の様子」への11件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    このようなクイズ会議で没問題も多く発生したらしいですが、そんな中第9回準決勝の罰ゲームのペーパークイズが没問題を使ったとこのブログで聞きましたが、(私の考え上)こんな話し合いで決まったのでは?「今回もこんなに没問題が出ちゃったよ」「そうだ、没問題を罰ゲームに使えないか?」「よし、この没問題は敗者に処分してもらおう」と。だって「採点はしない」と言うことはスタッフにとっては「没問題はもういらない」からですよね。

  2. SECRET: 0
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    >まささん
    年齢に関係なく家族みんなで楽しめるクイズ番組が理想でしょうね。その様な番組が少ないのは、困った傾向です。我々はそんな番組を目指していました。

  3. SECRET: 0
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    >tsutomuさん
    御返事ありがとうございます
    確かに身近にある事柄がクイズになり、ウルトラの問題によく出る気がします。
    姪が2歳頃にアンパンマンの絵本を見せて
    『アンパンマンどーれだ?』とクイズにしたり、
    姪や甥にジュースを1ケース買ってきて、
    『ここにジュースが24本あります。これを(姪、甥、甥)3人で分けると何本づつ飲めるでしょう?』
    と、急に問題を出したのを思い出しました。
    (割算を習っていた姪がなかなか答えられず、割算を習ってない甥が一発で正解したオチがありましたが‥‥)
    クイズを楽しむのに年齢は関係ないですね。

  4. SECRET: 0
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    >まささん
    人が疑問に感じる事柄は、何でもクイズ問題になるのではないでしょうか。但し、料理の方法で面白さを出すのがプロの仕事でしょうね。

  5. SECRET: 0
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    今月は台風の接近が多くて、本当に大変な事態ですね。そちらは大丈夫ですか?
    そういえば、12回・イグアスで出た「大型で弱い台風」と「小型で猛烈な台風」という表現も、「弱い」「小型」が誤解を招くことで、今では使われなくなりましたね。
    因みに、昔BS日テレの双方向クイズ番組でこの問題が出て正解したことで、抽選でたしか賞金5000円を貰ったことがあります。
    そんな中で、今や数少ない年配から子供まで楽しめる一大イベント、プロ野球日本シリーズが始まります。
    特に今年は、球団創設初の大舞台である東北楽天が、前年覇者・巨人に挑むのですから、例年以上に注目されるでしょう。
    果たして、東北のみなさんに日本一の朗報を届けられるのか?
    それとも巨人の壁に跳ね返されてしまうのか?
    期待して観てみます。

  6. SECRET: 0
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    ウルトラはドキュメンタリーであるし、クイズの問題は家族の誰かが知っている内容なので多くの視聴者に支持されたのではないでしょうか?
    テレビで見ていて『来年は挑戦してみよう』と
    思いますしね。
    クイズ作家さんは普通に過ごしてる時にふと気になったことがあると、それをクイズの問題に切り替えるんでしょうか?

  7. SECRET: 0
    PASS:
    チーフディレクターさんの言葉は『ウルトラクイズ』においては至極名言ですね。
    参加規定では18~50才までが対象ですが、視聴するのには年齢制限はありません。ゴールデンタイムの放送ですから一番広くあらゆる年代に受け入れてもらわなければなりません。
    まだまだ参加年齢に満たない小さい子供にもクイズを考え答え正解する楽しさを知ってもらい、次世代を担ってもらえるようクイズの裾野を広げる必要もあります。
    他のクイズ番組とは違う『参加年齢』という足枷があるのにそれ以外の幅広い年代の人に愛され長年続いたのも、問題作りでどの世代でも誰かが答えられるよう配慮されていたからではないでしょうか。

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