アメリカ横断ウルトラ・クイズはアメリカ各地を旅しながら予選を行い、ニューヨークで決勝戦を行うというのが毎年の流れでした。
決勝戦で勝ったチャンピオンがその回で一番強い人だったのは、誰でも理解できます。
ところで私達関係者は良く次のような質問を受ける事が有りました。
「チャンピオンの中で本当に一番強かった人は誰?」
この様な質問に私は個人名で答えた経験はありませんが、関係者の中には第○回の○○さん、と具体名を挙げて答えていた人がいたのは覚えています。
しかし、この様な答をするのは大きな間違いである、という出来事が有りました。
本来チャンピオンを一同に集めて、チャンピオン大会を行わない限り順番を我々が口にするべきではなかったのです。
第11回に、以下の様な事が有りました。
この回は、それまでの固定された概念を崩して新しい試みに挑戦しようとスタッフは燃えていました。
理由は前回のブログでご紹介した通り、制作スタッフがガラリと入れ替わったためです。
準決勝はマンハッタンを目の前にしたハドソン川の対岸ニュージャージーにクイズ会場を設営しました。
河を挟んだ対岸は摩天楼の世界。
当時は世界貿易センターのツインビルがそびえ立ち、これぞ憧れのニューヨークと気分を高揚させる演出です。
この摩天楼の上空に一台のヘリコプターが現れ、グングンとクイズ会場に接近して来ます。
着陸したヘリから登場したのはウルトラクイズでは当時伝説の人になっていた第一回の優勝者、松尾清三さん(当時48歳)でした。
記念するべき第一回のチャンピオンで、この方の胸を借りて、関門を突破しようという仕掛けです。
スタッフ会議ではこの役目をどなたにしようか、多数の意見が衝突し、決を採って松尾さんが選ばれたのです。
ルールは4人の挑戦者が順番で松尾さんと一対一の早押しクイズを行います。
5本勝負で彼に勝ち越した人だけがニューヨークへ駒を進める事が出来るというものでした。
もし、3人でも4人でも松尾さんに勝ち越せばみんな決勝戦に進めるという危険な賭けでもありました。
仮に全員が負けてしまったら一体どうなるのだろう?
番組の構成者として、私はドキドキの心境でクイズは開始されました。
この対戦の結果は?
我々スタッフの予想を大きく狂わせ、何と3人が伝説のチャンピオンを破ってニューヨークへ駒を進めたのです。
つまり、10年という歳月が松尾さんの力を衰えさせたのか、はたまた今回の挑戦者の力が強かったのか、多分両方の要素があったと思います。
現役チャレンジャーはみなさん日頃から鍛えて力をつけていたのでしょう。
そのような現実を無視して、松尾さんが一番強いチャンピオンと判断した我々が間違っていたのを証明する出来事だったのです。
結論を言えば、どの回のチャンピオンも素晴らしい実力者だったのです。
その人達を勝負もさせないで、「誰々さんが強い」など番組関係者が無責任に口にするべきではありません。
そのことをハッキリと証明した準決勝でした。
最近は他局のクイズ番組でも、時々チャンピオン大会をやっていますが、番組の構成上優勝者を予想したりする手法も有りますが、戦ってみなければ結果は解らない、これが正解です。
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>マル51さん
確か、挑戦者に限らず、視聴者の予想を裏切る演出上の狙いもあったと思います。
何時も最新の配慮を考えていましたから。
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質問です。
11回・ニュージャージーの準決勝についてですが、始めに通せんぼQを行う様なセットを組んでましたが、これもチャンピオンと対決する形式とは全く思っていなかった挑戦者たちを「裏切る」為の工作だったのですか?
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>ゴマしゃん@ライフプランナー(仮)さん
何時でも歓迎です。
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今色んな方のブログを読ませて頂いています!アメンバーになっても大丈夫ですか?また遊びに来ますね。
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>マル51さん
計算できないハプニング。
それが時々起る番組がウルトラクイズだったのです。
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>TOMOandKANAさん
そうです。最後の登場のため、松尾さんは後楽園では、登場しなかったのです。
隠し玉というヤツでした。結果は兎も角、その役を見事に演じてくださいました。
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>まささん
古い記憶がよみがえる、その様な記事が書けたのは、皆様のコメントが励みになっているからです。今後ともよろしくお願いします。
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>まささん
皆さんの記憶の中に永い年月残ったチャンピオンは、やっぱりあの時代のヒーローだったのですね。それぞれに魅力が有りました。
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>まーくんさん
そうです。クイズマニアでなくても優勝のチャンスがある、その様な万人向けのゲーム番組だったのでしょうね。
それが、夢を与える事に通じたのでしょう。
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>とどさん
記事内容から外れてはいません。ご指摘の通り、3拍子揃えば誰でもチャンピオンになれるクイズ番組、それがウルトラクイズでした。
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>城明日華@TeNYさん
視聴者の皆さんが自由に想像するのは、それでよいと思います。
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>まんねん♂さん
素晴らしい分析で、仰る通りなのです。
福留さんが口ばしっていたのは、その場のアドリブと理解すれば良い事です。
完全な「愚問」良い締めの言葉でした。
「愚問」
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>月舟さん
私の意見に賛成頂き、有難うございます。
条件がみんな違うのですから、順位を決めるなどはナンセンスな事だと思いますね。
そんな番組だったのです。
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>ういんちゃんさん
高校野球の比喩は的を射たご意見ですね。
これはまさにナンセンスな対比だと思います。
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確かに11回・後楽園で歴代Q王のエキシビションマッチやってましたね。
しかし、直後の○×第一問でまさか全員落っこちるとは…
誰が一番強いのかという以前に、一斉に足を掬われた結果が「勝った者こそが強い」ウルトラクイズの面白さなんでしょうね!
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>TOMOandKANAさん
11回までは参加資格が18~45歳までだったので、松尾さんは一旦7回で出場を終えています。
ただ、12回で上限が50歳に変更した事で、ちょうど50歳の年に再び出場しました。
(年齢制限が上限なしの今世紀最後については確認出来ませんが、事前番組には出てました)
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いつも楽しく拝見させております。
チャンピオン大会を行わない限り…とのことですが、思い出すのは、その第11回の後楽園でまさに歴代チャンピオン同志のエキシビションマッチが行われましたよね!
あれは興奮しました。皆さん凄いスピードで次々回答されていたのはさすがチャンピオンだと思いました。
さて、そのときにせっかく素晴らしい企画なのに初代チャンピオンが空席でしたが、まさか後にニューヨーク手前で単独ご登場とは…
この伏線のためにわざと松尾さんは出られなかったということでしょうか?
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11回大会の優勝旗返還後のチャンピオン達による早押しを思い出しました。
問題を全部読み切らないうちにボタンを押して答えるチャンピオン、スピード感溢れるように問題を読む福留さん。
凄さにただただ釘付けでした。
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17名のチャンピオンがクイズをやってみないとわからないですよね。
ウルトラのチャンピオンはその年で一番
【知力・体力・運】のあったチャンピオンですし、17名皆さん魅力があります。
某クイズ番組で、ウルトラで活躍された方を見ると応援してしまいます。
また、クイズ王決定戦に初代チャンピオンの松尾さんのお姿を拝見すると余計に嬉しいです。
ウルトラで御活躍された方々は今でも憧れの存在です。
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ウルトラクイズのキャッチフレーズである「知力・体力・時の運」が示すようにその回のチャンピオンを決める課程の中でも優勝候補と見られていた人が成田のジャンケンで負けたり、一発勝負のグアムの泥んこクイズで泥まみれになったり、ゲストを迎えてのインスピレーションクイズで勘が働かずに負けてしまうシーンが多々ありましたね。知力がモノをいう機内ペーパークイズでトップになった人がチャンピオンになると予想した視聴者が多かったのではないでしょうか?(僕もその一人でしたが。)機内ペーパークイズの成績が下位の人が優勝した回もあったり、クイズマニアでないクイズ番組出場経験無しの人が優勝した回もあったのですから、ウルトラクイズは誰でも優勝できるチャンスがあったという、今考えれば夢のある番組だったと思います。
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ニュージャージーのクイズでは、挑戦者や松尾さんのクイズ以外の一面も画面からあふれ出ている感じで面白かったです。そう考えると、一般のクイズ番組のチャンピオンとは一味違うところがあるので、チャンピオンの中で誰が強かったとは比較できないと感じます(もちろん、最終的に知力が優れていなければ優勝できませんが…)。そもそも、長期旅行しながらクイズをやったり、予選ではじゃんけんで選抜されたり…ですから。さらに、回によっては体力勝負が多かったり、回によっては知力勝負が多かったりもしていますから。ただ、共通しているのはチャンピオンは「知力・体力・時の運」がそろって優勝したのは事実ではないでしょうか。
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宗田ブッチャーが印象深い
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各回のチャンピオンは、やはり「各回のチャンピオン」なんですよね。
その中で誰が1番…というのは全くのナンセンスと思います。
福留さんがどこかしらで「実力ナンバーワン」とか「最強のチャンピオン」などと仰られてましたけど、あれはその場での演出でしたね。
全くの別物のそれぞれの回を一緒くたにするのは、土台無理な話でしょう。ルートも問題の種類も、挑戦者の顔ぶれも全く違いましたから。
それに、「もし、仮にチャンピオン大会を実施」したとしても、その場で優勝した人が「その場で優勝した」だけで、決してチャンピオンの中のチャンピオン…という事にはならないと思います。
完全な「愚問」ですよね。
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何を以て『ウルトラクイズ』で一番強いチャンプと決めるのでしょう?
歴代チャンプは誰一人同じ条件で(特に本土上陸後)を戦ったことがありません。
早押しクイズのみを見て強弱を語ってはウルトラの『本質』を見誤ります。そんなことは余所の番組でやってくだされば結構ではないですか。
あの人でもこの形式だったら負けていただろうなんてことが当たり前なのがウルトラクイズの恐ろしさであり、面白さだと思います。
まずドームで負けた時点でその回のチャンプには敵わなかった訳です。
だからウルトラクイズ最強のチャンプはみなさん参加されたなら、いつでも『その回のチャンプ』ということだと思います。
誰が最強なんて決められないし無意味ですよ(笑)
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そうです。
ウルトラクイズファン関連のコメントでよく見かけるのですが、私も「やってみないと分からない」というのが正しい答えだと思っています。
70年代のクイズ番組と90年代のクイズ番組では指向が違いますから、単純には比較できないと思いますし。
「高校野球の歴代の優勝校で一番強いのはどこ?」と言っているようなものですよね。
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>ピザーさん
ゲームでチャンピオン同士が戦うなんて、凄い企画力にびっくり。ゲーム会社が儲かる企業なのがこれで納得です。
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この第11回では第一次予選の後楽園球場で、過去のチャンピオンを集めての早押しクイズを
やっていましたよね。チャンピオン達の素早い反応と正解をポンポン出していく凄さに驚き、ここ
から先の第11回の旅が一体どうなるのか、期待がどんどん膨らんでいったのを覚えています。
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ブログいつも拝読していますが、初コメントです。
今も昔もウルトラクイズファンの妄想を掻き立てる話題ですね。15代チャンプの能勢さんも自著に於いて“それぞれ違う山の頂点を征した人間の強さを比較するのはナンセンス”というような事をおっしゃられてました。…ん~、しかしウルトラに関してはやっぱりあれこれ妄想してしまいます(笑)。単にクイズに強いだけの人がクイズ王になれた番組ではないからでしょうか。
余談ですが、1992年発売のゲームボーイソフト『アメリカ横断ウルトラクイズPart3』では、プレイヤーを含めた歴代チャンピオンが競い合う『チャンピオン大会』がプレイ出来ました。色んな意味で面白かったですよ。