アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の一般常識を基本に創られていました。
中でも言葉は、誰もが毎日使うので「日本語」に関しては基本的に知っていなければ困る事になります。
そうは言っても、古い言葉から流行語のように新しく造られた言葉もあるので、結構難しい問題も出て来ます。
第4回のニューヨーク決勝戦で、古い時代に使われた日本語の意味を問う問題がありました。
問・「うたかたの恋」のうたかたとは何のこと?
答・「泡(あわ)」
解説 人の生命のはかなく消えやすい事を、水の泡に例えていう文学的な表現に使っていました。
水面に浮かぶ泡のごとく消える事から、消えやすいものの例えとして「恋」の代表的な言葉となっています。
平安時代の和歌には、この「泡沫」との表現が良く使われていたものでした。
古典文学の代表的な作品。紫式部の「源氏物語」も泡沫の恋を描いた傑作ですね。
近代に目を向けると、平成二年(1,990)渡辺淳一の既婚者同士の不倫を描く恋愛小説がヒットしました。
又、この作品「失楽園」は古谷一行、川島なおみの共演で映画化され、濃厚なラブシーンが話題になりました。
この年、人々は「うたかた族」との造語をつくり、この言葉が流行語になった事がありました。
不倫は「道徳的」とは言えない行為ですが、一般には小説の中に自分を置き換えて、疑似体験を楽しんだのかも知れません。
本日の裏話は、古い日本語の意味を問うクイズ問題から、日本人の恋愛関連の言葉のご紹介でした。
「泡沫の恋」、誰でも一度は憧れる事でしょうが、現実には「難しい夢」でしょうね。
夢は心の中にそっとしまって置くこれが一番の平和への道です。