アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の一般常識を基本に創られていました。
一般常識は、若い人と年配者を比べれば人生経験の長い年配者の方が、より多くの知識を吸収しているので有利なのは当然です。
そこで、年配者の方が有利と思われる問題をご紹介しましょう。若い人でも正解出来るか? 考えて下さい。
第6回のサイパンで出された次の問題です。
問・川で生まれ海へ下り、また川に戻って来るのは鮭。では、海で生まれ川を登り、また海へ戻る魚とは?
答・うなぎ
解説 川で育ったうなぎは、成長して産卵期を迎えると生まれた南の海へ戻り産卵します。
卵から孵った時はヤナギ葉のような半透明な幼生となり、やがて親と同じような形に成長しします。
この幼いウナギはシラスウナギと呼ばれ、日本各地の河口にやって来ます。
日本で食用となった歴史は古く「万葉集」にまで、痕跡が残されています。高蛋白で栄養価が高く夏バテ防止に食べられました。
但し、これは貴族階級に限られた食物で、庶民が食べるようになったのは、江戸時代に入ってからと伝えられています。
ウナギの蒲焼は、江戸の職人の発明で香りが良く夏バテの防止に「土用の丑の日」に食べる習慣がありますね。
昔はウナギと言えば、自然のウナギに限っていましたが、現代は養殖ウナギが主流になっています。
日本で初めて養殖が始まったのは、1,879年(明治12年)で東京の深川での事だそうです。
その後、静岡県や浜名湖が養殖ウナギの産地として名を上げてきました。
それにしても、近年はシラスウナギの数も減ってウナギの値段もうなぎ登りになったとのオチもあります。
本日の裏話は、回遊魚のクイズ問題から「ウナギの食文化」に関するお話でした。
ウナギはヌルヌルと滑るので掴みにくく、落語のネタにも良く登場します。それだけ庶民に愛された食品。でも高いのがね~。