上という文字の変遷です

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の一般常識を基本に創られていました。

誰でも知っている常識は、クイズ問題の中では易しい問題とされ、分類上は各チェック・ポイントで半分近くを締めました。

この問題は、クイズ開始の前半に集中して出されました。理由は挑戦者が競って早押しボタンを押せるので勢いが付くからです。

反対に冒頭で難問を出すと、互いに誤答を恐れてボタンを押さなくなります。それでは勢いが無くなり面白くありません。

そこで超易しい問題とは? 第6回のアラスカで出された問題をご紹介しましょう。

問・相手の名前の代わりに領収書に書く文字は?

答・上(様)

解説 元々の意味は、貴人の総称でした。代表的なのは時代劇で将軍の事を上様と呼んで敬っていますね。

こうした言葉は、上下関係の厳しい武士の世界で使われたのが始まりと言われています。

クイズ問題の説明は、商売の慣例として金銭を支払った時にはその証として領収書を書くとの習慣が有ります。

客の都合で「名前は良いから領収書だけ欲しい」との事は度々あるようです。そんな場合の略式の宛名が「上様」となります。

そこで「上様」の歴史を調べて見ました。古くは天皇の事を「上様」と呼んでいました。これ以上「上」は無いからです。

それが室町時代に入り、大名の尊称に変化し上様が日本各地に増えてきたのです。

その後、江戸時代に入り徳川家康が征夷大将軍に命じられると、上様は将軍一人となり、他の大名は「殿様」となりました。

従って、自分の国元であろうと殿様を「上様」と呼ぶ事は禁じられたのです。

各藩には、隠密が潜入しているので、その様な噂話でも江戸幕府に知られる事になると廃藩の口実になり兼ねません。

明治維新で徳川幕府が無くなり、商人達は領収証の宛名に尊い人の意味で「上様」と書くようになったという経緯があります。

本日の裏話は、領収書の宛名を問う問題から「上様」との言葉の歴史をご紹介しました。

領収書は、正式な取引には欠かせない書類です。最近では安倍元首相が桜を見る会のホテル代を払ってないとの話がありました。

処が、調査の結果ホテルに、安倍事務所の領収証のコピーが発覚し国会で追及されるとのニュースがありました。

領収証は、現代では大変重要な役目をする書類です。特にサラリーマンは経費の精算で苦労をした経験がある事でしょう。

たかが領収証、されど領収証。これって苦労のタネですよね~。

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