夏の夜には怪談噺です

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の一般常識を基本に創られていました。

日本人なら誰でも知っている知識ですから、これを知らない人は非常識と言われても仕方が無いでしょう。

とは言え、知っていたけれど忘れてしまう事もあるので、非常識と決めつけるのは酷かもしれません。

では、一般常識の範囲内の問題を見てみましょう。第8回のサンフランシスコで出された問題です。

問・怪談で「お岩」が出るのは「四谷怪談」。では、「お露」が出る会談は何?

答・怪談牡丹燈篭

解説 昔から夏の夜には「怪談」を聞き、暑さを凌ぐのが日本人の生活パターンでしたね。

 

 

 

 

 

問題の「四谷怪談」は、実話をアレンジした物語で芝居を上演する時には役者が神社でお祓いをするのが習わしでした。

お岩さんが、悲惨な殺され方をしたので、その恨みが相当だったのでしょう。

これを怠ると「何かしらの不吉な出来事が起こる」と伝えられ、昭和の映画製作でもスタッフがお祓いをしていたそうです。

一方の「怪談牡丹燈籠」は、三遊亭円朝の作で人情噺です。筋書きを簡略にご紹介しましょう。

旗本の飯島平左衛門の娘「お露」の亡霊が乳母のお米と伴に牡丹燈篭をともして、恋人の萩原新三郎のもとに通う恐ーい話です。

三遊亭円朝は、江戸時代に名人と評判の高い噺家で、現在の落語家も夏の出し物として口座で聞く事も出来ます。

落語はご存知の方も多いでしょうが、「新作落語」と「古典落語」があるので、運が良ければ恐ーい話も聞けるでしょう。

本日の裏話は、夏の夜に相応しい日本の「怪談」のクイズ問題から、「二大怪談」のお話でした。

昔の生活は、現代のように冷房も無く、隣近所の人が縁台を出し夕涼みをするのが庶民の暮らしでした。

そんな時の話題には「怪談噺」が最適だったのかも知れません。何処にでもいる横町のご隠居さんの活躍の場でしょう。

ご隠居さんは「物知り」と相場が決まっていましたから。その点現代の高齢者は? 近所の主役になる事もなく可愛そ~デスね。

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