ナレーションの大切さ

アメリカ横断ウルトラクイズが人気番組だった要素は沢山ありますが、私が担当した番組構成者の仕事では、ナレーション作りという仕事がありました。

これは番組の流れを説明するもので、目立ち過ぎず、控えめでありながらシッカリと流れを理解させる役目があります。

私達構成者は心地よい言葉の流れとして、七五調で演歌、或は講談のような文脈で文章を書きました。

例えば第9回に決勝の地をニューヨークからパリへ移した事がありました。

Eiffel_Tower,_Paris_25_July_2005

このようなルート変更の場合は冒頭から、挑戦者や視聴者に知らせなければなりません。

福留さんのお決まりの第一声「ニューヨークへ行きたいかー!」も変えなければなりません。

当時のVTR が残っていないので正しくはないかと思いますが、「ニューヨークへ行きたいかー!」の後「今年はパリにも行くぞー!」「どんなことをしてもパリへ行くぞー!」みたいな言葉を付け加えられたと思います。

また、オープニングのナレーションでも、コース全般を紹介していますので、この決勝地の変更は紹介しています。

多分、七五調で紹介されるなら「ニューヨークよ、さようなら。花のパリよ、こんにちわ」のような言葉になったのかも知れません。

しかし、私は通常、この様な使い古された既製品のような文章は書かないようにしていたので、パリを「花のパリ」とは表現しなかったと思います。

また、「さようなら」と「こんにちわ」を並べる様な平坦なナレーションは絶対に書きません。

、、、書かないと思います。

その辺を工夫して特色を出すのが構成作家の務めでもありました。

おそらく想像ですが、ウルトラの決勝地はエッフェル塔と決まっていましたので「自由の女神」と「エッフェル塔」を並べて表記し、「さようなら」と「こんにちわ」を別の表現にしたのでしょうね。

原稿が残っていないので確かめようがありませんが、多分私的な表現なら「グッドバイ」と「ボンジュール」と書いたかもしれません。

そんな表現で再現するなら、オープニングは『自由の女神よグッドバイ! エッフェル塔よボンジュール!』のように書いたと思います。

七五調のナレーションは、演歌的でダサい、との批判もあるかも知れませんが、画面には映像が流れ、福留さんが声を入れると正にウルトラ的な響きになって当時は歓迎されていました。

決勝戦では対決する2人の紹介にしても、毎回文章を練り上げるのに2、3通り、別のパターンを書いて検討し決定していたのです。

番組の構成者って何をするの? という疑問もあるでしょうが、結構やる仕事が多いのですよ。

「ナレーションの大切さ」への10件のフィードバック

  1.  ナレーションといってすぐに思い出したフレーズがあります。第11回最後のエンディングに福留さんが
    「もしあなたにとって時間という物が財産なら、カレンダー1枚分、アメリカの旅に賭けてみませんか?」とBGMとともに話した部分です。
    その時、鳥肌がたったことを思い出しました。中学生私の心に深く刻まれ、言葉の重みを感じました。
    「時間というものが財産」とか「カレンダー1枚分」とか「アメリカの旅に賭ける」などの言葉は、福留さんが考えたのかな?とあれこれと想像したものです。
    tsutomuさんが考えられた言葉ですか?

    1. 番組は誰の手柄というものではありません。スタッフ全員のお手柄でしょうね。ただ、構成作家の仕事にはナレーションを書く事も含まれているし、作家も複数いますので誰の仕事だったのかは今となっては不明です。ただ、私の書いた話は自分の当時の思いを記憶の中から引き出して、書いたものです。

  2. ナレーションはかなり重要だったと思います。
    オープニング(流れ?)、挑戦者紹介、チェックポイントでの説明、罰ゲームと、

    他のクイズ番組のようなルール説明や解説だけではない、最近のドキュメンタリーのような感情が入らないナレーションではない。

    通りで子供でも一生懸命に見るはずです。

    1. ナレーションは誰でも何気なく聞き流してしまうのがテレビの宿命ですが、それでも耳に残るフレーズを工夫したのが良かったのでしょうね。

  3. ナレーションはどれも大好きなのですが、特に決勝戦の空撮ナレーションはどの回もよかったですね。
    自分も第8回、第12回などの幻の決勝カードを想像してナレーションを考えて遊んでいたことがあるので、聞く度に凄さと良さを感じます。
    戦う二人のキャラクターのほか決戦前夜の夕食のメニュー、旅の間の出来事などをおりこんでしかも聞きやすい。
    もう、凄いの一言です。

    1. 決戦のナレーションは前夜に書くのですが、旅の総括としてまとめるのが基本パターンで、楽しい苦労でした。懐かしい思い出の一つです。

  4. こんにちは。

    リアルタイムで見ていた子どもの頃には、講談や七五調のナレーションに対して、特に何も感じませんでした。ですが、大人になってから当時のビデオを見返してみると、非常に聞きやすく、映像にも見事にハマっているなぁと感動しました。

    決勝戦前、ヘリ上空での福留アナの2人の紹介も、BGMと相まって、とても格好よく聞こえました。

    ナレーションではありませんが、キャッチコピー的なフレーズも、視聴者の心の中にたくさん残りました。
     「知力・体力・時の運」
     「敗者が主役のウルトラクイズ」
     「クイズの都・ニューヨーク」
     「早く来い来い、木曜日」 などなど…。

    個性的な挑戦者やユニークなクイズ形式…。
    それだけでなく、見事なナレーションもまた(たとえ派手さはなくとも)、ウルトラクイズが今でも多くの人に愛されている要因の1つであるのは間違いないと思います。

    1. お褒めを戴き有難うございます。ナレーションに限らず、キャッチコピーまで覚えて頂くとは感謝です。

  5. こんにちは と さようなら 何か聞き覚えがあるなぁと思ったら、ついこの間ファミ劇で深夜・明け方まで一挙放送された12回・4週目のOPにて、南米に上陸した事から「北斗七星 さようなら、サザンクロスよ こんにちは」ってフレーズありました。
    朝から仕事にいかなきゃならないのに、結局は録画しつつも最後まで字幕放送付きで観てました。
    単純計算で16回×平均ほぼ4週=60通りぐらいやっていれば、よほどのマニアでしか全部は覚えていないと思います。
    録って出しで時事ネタ入れてるのも印象に残ってますね。
    13回・2週目で「巨人、奇跡の逆転優勝!」があれば、14回・2週目では逆に「日本シリーズのジャイアンツになっちゃうよ!」と皮肉ってましたね。
    残る挑戦者の紹介も、後のお笑い番組の様なキャッチフレーズが、その方の戦歴を分かり易く伝えています。
    スタートレックのテーマとともに、ビデオテープがぐちゃぐちゃになるくらい、何度も繰り返して観て聴いていた頃を思い出しました。

    1. ウルトラの大変なファンだったのですね。有難うございます。当事者の私でも忘れている事を色々ご指摘いただき恐縮です。

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