代々木公園の蚊の騒動

アメリカ横断ウルトラクイズのロケーションは出場者、スタッフを合わせると相当の人数になります。

これらの人達がトラブルも無く旅を続けるためにはみんなが健康でなければなりません。

そのために、毎年同行のドクターが1名参加していました。

初期の頃は日大病院の協力で、大学病院の先生が参加してくださいました。

その後、第11回からは慈恵会医科大学の先生に代わって、ドクターの皆さんにご協力をお願いしていたのです。

旅の間、疲労が重なりますので体調を壊す人も居たりしますが、風邪を引いた、熱射病にかかった、というような病人がほとんどで、大きな病にかかったというような事は1度しかなかったのが幸いでした。

病ではありませんが、蚊に刺されたといって痒み止めをもらいにドクターの部屋にスタッフが列をなす様な事がありました。

第14回のエリーという場所でクイズが行われた時の事です。

ここはミネソタ州の北の端に位置し、カナダとの国境に近い「自然環境体験学校」でのクイズでした。

今は亡き冒険家の植村直己さんがかつて訓練のために入学した事があるという情報を得て、我々も早速訪れたのです。

自然体験ですから、森の中にある学校ですが、森と言えば蚊を始め沢山の虫がいるのが自然の姿です。

私はロケ中に足がかゆいので、Gパンを眺めると、ズボンにびっしり一杯蚊がへばりついて、血を吸っている様子なのです。

慌てて手で払いのけましたが、その様な事でへこたれる蚊ではありません。

そのような場所に殺虫スプレーもありませんし、タオルでパタパタ振り払うのが精いっぱいの防御です。

当時の写真がありました。

ミネソタ_エリー

ミネソタ_エリー (2)

腕はスタッフ・ジャンパーを着ていたので、刺されずに済みましたが宿に帰ってシャワーを浴びると、左右腿から脛まで何十か所と赤く刺された跡があるのです。

我慢できずに刺された跡を掻くと、痒さはどんどん広がって行きます。

と言って救急の痒み止めなど持ち合わせがありません。

仕方なくドクターの部屋を訪ねると、何と私と同じ蚊の被害者が列をなして、痒み止めを求めていたのです。

ドクターもその様な事は予想もしていませんから、大量の痒み止めなど持ち合わせが無く、「痒くても掻かない事が第一!」と説明するしかありません。

最近、東京の代々木公園で蚊に刺され、デング熱にかかった人が大勢出て来て騒動になっています。

しかし当時アメリカでは蚊が媒介する熱帯性の病気が流行したという話もありませんでした。

ですから、痒みを我慢するだけで事無きを得ましたが、現代のように情報過多の時代だったら、騒ぎは大きくなっていたでしょうね。

「たかが蚊に刺されたくらいで騒ぐな!」 多分昔の人はこの様に言ったでしょうが、時代は変わって、今や蚊に刺されても大騒ぎになる時代なのですね。

「代々木公園の蚊の騒動」への8件のフィードバック

  1. ニュースブログの高校生クイズの記事からウルトラクイズのことを懐かしく思い出し、こちらに辿り着きました。
    記事はまだごく一部しか拝読しておりませんが、貴重なお話に感激です。

    ウルトラクイズはクイズ大会としては括られない、むしろ異端なのかもしれませんが、この番組のおかげで私は、知力・体力・時の運、全て兼ね備えてこそ本物のクイズ王、と強く刷り込まれ、知力だけのクイズ大会はウルトラクイズで優勝出来ないマニアが自分達を慰める為に、勝てる土俵を作っただけのまがい物(←失礼)に見えてしまうのでした。

    素晴らしい番組を有り難うございました。
    今後の記事も楽しみにしております。

    1. ウルトラクイズを高く評価して頂き有難うございます。良い時代だから実現出来た、夢の番組だったのでしょうね。あの時代は日本人みんなが夢を持てた珍しい時代だったのでしょう。

  2. こんばんは

    内容と違いますが、先日高校生クイズがアメリカで決勝戦ということでしたね。放送自体は見ていませんが、アメリカ横断ウルトラクイズの時代と比べて、果たしてアメリカというのはいま魅力的な国と言えるでしょうか。
    もし、tsutomuさんがクイズに関係なく、どこかの国を取り上げる番組を作るとしたら、現在はどこになると思いますか?

    1. 確かにあの時代のように日本人がアメリカに憧れを持っているかと言えば、それは無いと思います。現在、世界を旅しながらクイズを行うならば、多分決勝の地だけを決めておいて、毎回コースの選定をする方が人々の興味を惹くでしょうね。前にもブログで書きましたが、現在なら世界一の豪華客船を決勝の地にして、その航海している場所を目指して、勝者の2人がヘリで追いかける、そんな大スペクタクルTVが良いでしょうね。私だったらそんな企画を提出します。

  3. こんばんは。

    エリー湖の訓練は、見ているこちらも「大変そうだなぁ…。もしも女性の挑戦者が残っていたら、ギブアップしていたのでは…」とハラハラしていました。

    思えば、長期の旅行や出張でさえ、それなりに疲れるものです。それが1ヵ月近いウルトラクイズの旅ともなると、挑戦者もスタッフの皆さんも、疲労がかなり蓄積したことは想像に難くありません。

    ましてや、短期間のうちに、氷河の大平原・ジャスパーや灼熱の大地・デスバレー(第7回)、北極圏の土地・バローや一面の大砂漠・モハベ(第12回)を移動するなど、環境の変化に順応するのも大変だったと思います。

    まさしく、知力・「体力」・時の運のウルトラクイズだったわけですね。

    そんなことなど、つゆ知らず…。当時小学生だった私は、無邪気にウルトラクイズを見て、はしゃいでおりました。

    1. 大人から小学生までを対象に楽しめる番組を目指していたのですから、成功でしたね。裏方の苦労は視聴者に感じさせないのがプロの仕事です。我々はプロの集団でしたから、その意味でも成功だったと思います。

  4. こんばんは、ノリです。
    第14回のエリー見てました。
    たしかOBS(アウトワードバウンドスクール)で
    挑戦者たちが一日自然体験訓練させられたのを覚えています。
    泥沼を自力で渡ったり、カヌーを漕いだりいろいろやりましたね。当時郵便局勤務の佐藤光邦さんが体力戦では苦戦したが、
    早押しクイズは結構強かったんですね。
    そして罰ゲームはOBSの最難関アスレチックコースの挑戦で、
    敗者の亀谷さんが苦戦しながら頑張りました。
    そしてターザンで生還という場面で終わったのも印象的でした。
    まさにハラハラしました。

    1. 細かい点まで良くご記憶頂き感謝します。その様な番組を作っていた一員として、私も良い仕事だったと実感しました。有難うございます。

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