アメリカ横断ウルトラクイズでは、新しいクイズ形式を考えるのも我々構成作家の仕事でした。
その中で、たった1回しか実現できなかった、ややこしいクイズ形式がありました。
第14回のレイクミシガンで実行された「バックトゥ・ザ・フィーチャー・クイズ」です。
この回は西海岸から東海岸まで、全ての移動を飛行機を使わずにバスで横断しようというハードな計画だったのです。
アメリカは広い国なので時間帯が4つに分かれています。
太平洋側の「西時間」「山時間」「中央時間」大西洋側の「東時間」まで、の間に3時間の時差があるのです。
これを上手く使えば、1日に最高4度同じ時間を体験できる。
つまり、時間を逆戻り出来るわけで、タイムマシーンに乗ったような理屈になります。
そこで時間差のある境界線の街を探し、ここで「バックトゥ・ザ・フィーチャー・クイズ」をやろうという事になりました。
その町が湖畔にあるバッファローという街でした。
我々はロケハンの時に、時間差のあるロケ地を求めて1日中車を走らせました。
小さな田舎街は何処も整然として、芝生と家のコントラストが素晴らしい景観です。
ここで、時間差のある2つのクイズ会場を決め、前日、挑戦者に
「明日は午前10時からクイズをはじめます」
と告知しました。
実はこの告知がキーポイントだったのです。
午前10時にクイズが始まり、敗者が1名決定しました。
ところが、1時間逆戻りした場所に移動して、再び10時にクイズが始まったのです。
先ほど負けた筈の敗者も回答席に並んでいるので、勝ち組のみんなはキョトンとしています。
司会の福留さんが
「今日は10時からクイズ開始と言ったでしょ。だからこれから始めます」
と、再びクイズが始まったのです。つまり、10時開始を2度体験してもらった訳です。
それだけでは能がありません。
実はこの2度のクイズは、設問は異なりますが、正解は同じというものを並べたのです。
A会場
問・
アメリカ本土にある4つの標準時間、東海岸のニューヨークと西海岸のロスアンゼルスの時間差は何時間?
問・
葬儀などに使われる白黒の幕。動物の名を使って何幕という?
B会場
問・
ワシントンとニューヨークを結ぶメトロライナー。何時間で走る?
問・
作家のC・W・ニコルによって話題になり、近年日本で手に入りにくくなったのは何の肉?
答・3時間
答・クジラ
2つの会場で、答えが全く同じと気が付いた人から順に勝ち抜けたのは言うまでもありません。
そしてA地点B地点の敗者2人による真の敗者決定戦が行われ、1名が敗者になりました。
ウルトラクイズも長い間には、この様な変則クイズも発明しなければならなかったのです。
挑戦者は人類初のタイムマシーンを体験したというお話です。
そういえばレイクミシガンの前で、現地敗者予想を早押しクイズでやっていましたが、この時の敗者がMさん…レイクミシガンの敗者もMさん…あの敗者予想の早押しは何の意味合いがあったのか、今でも謎です。
誰か分かりませんか?
翌朝10時からクイズを行うと視聴者に周知すること、当時出たボードゲーム(挑戦者がやっていたやつ、通称 千手観音)の宣伝を兼ねていたのではないでしょうか。
番組で特定の賞品を宣伝するための仕掛けはしません。番組でその様な事をやり始めると、収拾がつかなくなってしまうのです。TV業界にはその様な悪徳Pも居ますが、我が番組にはそのような輩はいませんでした。
すいません。当然理由があったはずですが、今の私には記憶がありませんのでお答えできません。
初めてコメントさせていただきます。
当時14回は大学1年で参加できました(参加しなかったのは一生の不覚!)。
バックトウザフューチャークイズはウルトラクイズの中でも最も秀逸な形式かと思います。ちなみに一回目で大島渚の解答の問題があったと思うのですが、2回目はなかったのでしょうか?いまだに謎です。
大島渚氏も有名な監督ですからクイズ問題にはなっているでしょうね。詳しくは解りません。
こんばんは、ノリです。
以前第14回で印象に残ったクイズといえば、
「バック・トゥ・ザ・フューチャークイズ」と書いたことは
記憶にあるんです。
たしかA会場はバッファロービーチで、B会場はミシガンシティでしたよね。
特にB会場で高松君が一抜けしたのを覚えています。
そう「3時間」と「クジラ」でした。
答えが2回も出たのに答えられなかったのは、
「ローレンス・オリビエ」でした。これはちょっと難しいと思いますね。
「バック・トゥ・ザ・フューチャークイズ」は
僕にとってのウルトラクイズの名作ですね。
ローレンス・オリビエは我々の年代にとっては世紀の大スターでしたが、時代が古すぎたのでしょうかね。挑戦者が若かったので、名前を聞いても納得が行かなかったようです。クイズ問題は、老若男女が対象だったので、中にはこのような古い時代の人物当てもありました。
こんばんは。
日本国内では、異なる時間帯がありません。ですから、日常で時差を体験しない日本人にとって、あのクイズは、素晴らしいアイディアが生みだしたクイズ形式、まさに「発明品」だったと思います。
テレビでのんびりと見ている側からは、すぐに「おや、これはさっきの会場と答えが同じだぞ」と気付きましたが、挑戦者にとっては、何が起こっているのか、頭がパニックになったことでしょう。
サラリーマンのMさんが、最後の最後までキツネにつままれたような表情をしていたこと、そして、ヤマをはって「セントルイス!」と派手に誤答していたことを覚えています。
細かい部分まで記憶に残っているのですね。挑戦者は頭の中がパニック状態になったでしょうし、視聴者は余裕があるので、笑えた場面が沢山あって、満足の出来栄えでした。これがウルトラクイズの本分だったのかも知れません。
このクイズ、洒落っ気があって本当に大好きでした!
出場者のキツネにつままれたような顔が段々「ははーん」に変わっていくところがたまりません。実に爽快で楽しいクイズでした。
記憶に残っていたのですね。あんな馬鹿馬鹿しくて面白い形式は、時々しか発明できません。あの時代の我々には、みんなで考えるエネルギーがあったのです。懐かしい時代の産物でした。
ついに、この記事が登場しましたね。待ってました!
このクイズは見ていて、腹抱えて笑いました。今見返しても、面白いですね。
個人的には知力と運の2大要素を兼ね備えながら、直感力や記憶力も試される最高傑作のクイズ形式だと思うのですが、ただ、他では使えないし、2度と同じネタが使えないという欠点が惜しいところです(笑)
数あるクイズ形式の中で、印象に残る傑作の一つだと思っています。でも、他では使えないし、同じような場所を探して第2弾をやっては価値が半減して面白くありません。その辺の悩ましい形式でした。
このクイズは面白かったです。
クイズの答えだけではなく、後ろでバレーボールをしている女性や郵便局員まで合わせるなんて。
そして「ピン」ときた回答者のボタン押しが異常なまでに早いこと。
本記事とは直接関係しませんが、
ここで敗者になった方のコメントは意味が深いです。
当時小学生だった小生は意味が全く分からないのですが、
30を超えた今では、なんとなく言いたいことが分かるなぁと思いました。
当時小学生では、ちょっと理解できないクイズ形式だったかも知れませんが、結構凝った内容で、我々は自信作だったと思っています。でも、2回目が出来ないという欠点もありました。
先にスミマセン!
フィーチャー(特色)ではなく、フューチャー(未来)ですよ。
結構みなさん何気なく間違えて使っている、カタカナ言葉の定番です。
英語の日本語読みは難しいですね。ご指摘有難うございます。