アメリカ横断ウルトラクイズで、数多くのクイズ問題を作成しましたが、中にはスポーツ選手の記録という範疇が含まれています。
スポーツの日本記録、世界記録は他のクイズ番組でも、度々クイズ問題として出題される重要な分野でしょうね。
クイズ・マニアと呼ばれる皆さんは、重要なスポーツの記録はほとんど頭の中の引き出しに詰め込まれているというのが常識かもしれません。
ウルトラのクイズ会議では、この様な記録を問題化して提出しても中々採用になりません。
「何故、その問題が今なのか?」
というハードルをクリアしなければ、採用にならないのです。
勿論、その年に出された記録であれば、間違いなく採用されますが、古い資料を見て、単なる記録を何の工夫も無く、問題用紙に書き込んで提出しても、面白い問題とは判断されません。
そうした中で意外性のある問題もありました。
最初は
「王選手の獲得していない賞は、ホームラン王、打点王、新人王、の内どれ?」
という問題でした。
世界のホームラン王ですから、ホームラン王、打点王は当然で、残るのは新人王と、誰にでも解ってしまうつまらない問題です。
従ってクイズ会議では「没」の宣告があって、廃棄処分になる問題でした。
しかし、世界の王選手が新人の頃、新人王に選ばれなかったというのは面白い発見でした。
そこで、この問題は機内400問ペーパークイズで生き返りました。
第11回の問題に採用されたのです。
問・
新人王を取っていないのは?
①王貞治 ②長嶋茂雄 ③広岡達朗
解説
広岡選手は54年、長嶋選手は58年に、それぞれ最優秀新人選手に選ばれています。因みに王選手が入団した59年は村山実、坂東英二、張本勲といった、プロ野球人気を支えた新人が綺羅星の様に並び、桑田武選手(大洋)が、新人賞を獲得しています。
同じように大記録を立てながら、盲点となっているのは野球の神様と称された川上哲治さんの記録です。
赤バットの別名で戦後の野球を盛り上げた第一人者の川上さんはホームラン王の印象があります。
しかし、記録を調べて見ると、首位打者のタイトルは3回獲得していますが、ホームラン王の記録は0なのです。
イメージと異なる記録の盲点、これも面白いクイズ問題ですね。
先日、日米野球のゲスト解説と巨人×阪神OB戦で帰国した松井秀喜さんも新人王を穫っていないというのも、知る人ぞ知る事ですよね。
ウルトラがやらなくなってしまった1993年、ヤクルトスワローズの伊藤智仁・現コーチが受賞したので、ファンとして当然の定番問題です!
ところで、阪神から古巣・広島に再入団した新井貴浩選手、長年つけていた背番号25ではなく28で再起をかけます。
広島で28といえば、鉄人・衣笠祥雄さんが新人の頃につけていた番号だった事で、後楽園予選で出題されていました。
この頃は鉄人=28というワケで選んでない、ただの空き番号だったのが、偶然の産物となりましたよね!
記録の常識を覆すお話が、クイズ問題になり易いですね。その様な目線で記録を調べると、面白い現実に突き当り、話のネタが増えるのです。