アメリカ横断ウルトラクイズのクイズ問題は、答えを聞いた人が「へー、そうだったの!」という新しい発見をするような問題が喜ばれていました。
クイズの面白さは、新しい知識の吸収に在るのですから、当然の話ですね。
動物や植物には、それぞれ面白い生態が隠されています。
それらを発見してクイズ問題に仕上げるのが、クイズ作家の皆さんの仕事でした。
例えば、同じ種類の魚でも、育っていく段階で名前が変わる出世魚という分野がありますね。
これもクイズ問題の重要な素材と言えるでしょう。
勿論、ウルトラクイズでも何回も出題されていました。
第5回のサイパンで、昆虫の問題が出ています。
問・
シオカラトンボのメスは何トンボ?
答・
ムギワラトンボ
解説
日本中の森や公園で、どこでも見られるシオカラトンボとムギワラトンボが、雄と雌で名前が変わってしまうという新しい発見でした。
元々平地の池や川を好むムギワラトンボは、若い頃は雄、雌共に同じ色をしたムギワラトンボと呼ばれています。
黄褐色と黒の縞模様が麦わらに似ているところからその様に呼ばれています。
ところが雄は成熟するに従って、次第に腹部に白っぽい粉が吹いてきて、体色は青く変化して来ます。
白っぽい塩のような殻の印象からシオカラトンボと呼ばれて親しまれています。
学名は共に塩辛蜻蛉。
この様に、同じ種族でも子供の頃と成熟してからの名前が変わる動物も沢山あって、これらもクイズのタネとして良く取り上げられています。
シオカラトンボを見た子供たちが「ムギワラトンボと同じ種類なんだぜ!」と話題になるような問題、これこそが理想の問題でした。
最近は昆虫の新種がいろいろ発見されてますから、問題作る人も作り甲斐がありそうですね。髪の毛のような毛が生えたバッタも見つかったとか。
今は問題思いつきませんが、クイズ作家さんはどんな問題を、どこに着目して作るんでしょうか。
興味は尽きません。
クイズ作家は常に「鵜の目鷹の目」で物事を見る習慣を付けなければ面白い問題は生まれないでしょう。プロの皆さんは、みんな同じような努力を重ねているのではないでしょうか。