ヨーロッパで最も有名な日本人は?

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には時々「えっ!そうなの?」といった情報が紛れ込んでいます。

例えば、ヨーロッパで最も有名な日本人は誰? と言う問題がありました。

でも、この設問では、あまりにも漠然としていて、正解を固定できません。

もう少し設問の範囲を狭くして、正解を固定するために文章を変えて、次のような問題になりました。

第16回のハワイで出題された問題です。

・フランスのクロード・ファレルの小説『ラ・バタイユ』のヒロインで、香水の名前にもなった日本軍人の奥さんと言えば誰?

答・ミツコ

解説 これは難問ですが、考えようによっては簡単な問題かもしれません。

難問で簡単。

とても矛盾した意見ですが、作家の名前も作品名も、聞いた事が無いようなレベルで、その様な作品のヒロインの名前を問うのは超難問です。

でも、香水の名前で日本人というヒントで「ミツコ」と答えるのは簡単な部類でしょう。

実は光子は実在で、明治時代に骨董屋の娘で青山ミツと言う人物がいました。

彼女は日本に赴任してきたオーストリア・ハンガリー帝国の外交官に見初められて18歳で結婚しています。

夫が貴族だったために、夫の死後莫大な財産を引き継ぎヨーロッパの社交界で有名人になりました。

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このミツコという名前を記憶していた作家が、架空の小説にその名を借用し、後に香水の名前になったのです。

従って、モデルは実在。

その名が、高価な香水の名前としてヨーロッパでは最も知られた日本人となる訳です。

何故、ヨーロッパ産の香水に日本人の名前が付いたのか、この疑問を調べている時に、上記のお話を探し当てクイズ問題として取り上げた訳です。

なお、実在のミツコさんの生涯は「黒い瞳の伯爵夫人」として文献でも紹介され、昭和62年にNHKが足跡を辿る番組を放送しています。

案内人は吉永小百合さんという豪華な顔ぶれで、その後も続編が再放送されたという話を聞きました。

ミツコさんは、やはり日本を代表する有名女性には違いなかったのですね。雑学のクイズ問題の出来る過程をご紹介した「今だから話せる」裏話です。

「ヨーロッパで最も有名な日本人は?」への2件のフィードバック

  1. こんばんは。

    この問題は、リアルタイムで見ていたとき、「相当な難問だぞ」と感じました。いかんせん、中学生だった当時の私には、香水の名前はさすがに守備範囲外でした(笑)

    「フランスの老舗香水メーカーの有名な香水に、なぜ、日本人女性のような名前がついているのだろう?」と探ると、意外な歴史が隠されているのですね。こういう発見があるから、クイズは楽しい・やめられないのだとつくづく感じます。

    1. 素朴な疑問を追及する、そこから新しい発見がある代表例ですね。
      ミツコさん自身はポピュラーな著名人では無いけれど、実はすごい人だったという歴史の発掘的な問題だったように記憶しています。

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