アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、答えを聞いて「へー、そうなの!」と面白そうな出来事を探して問題化していました。
その中には、現在では大変評価の高い芸術作品や建造物、人物なども最初は評価されないどころか、最悪との評判を呼んでいたものもあります。
意外性の面白さですね。
特に、絵画や彫刻などの芸術作品にはこの傾向が強く、今では世界的な名画と呼ばれた作品も、作者が存命中には誰にも認められなかったという作品は多数あります。
時代によって、価値観の変わった物を探していた時に、出会ったのが次の問題でした。
第14回のタヒチで出題されました。
問・完成して今年で101年。落成当時は「無用の塔」と呼ばれた、セーヌ河畔の建造物とは?
答・エッフェル塔
解説 今ではパリを象徴するエッフェル塔ですが、建造された当時はパリっ子達に不評で、景観を損ねるという声が高かったのです。
そもそもこの塔は、1889年にフランス革命を記念して、パリで万国博覧会が開かれる事になり、そのシンボルとして計画されました。
でも、奇抜な姿が嫌われ、芸術家や文壇などの知名人が先頭に立って反対運動を繰り広げたのです。
反対派の文学者、モーパッサンは完成後一階のレストランに良く通ったそうです。
その理由は「ここがパリの中で、忌々しいエッフェル塔を見ないで済む、唯一の場所だから」との言葉を残しています。
当初は1909年に解体される計画でしたが、軍事用の無線電波を送信する恰好の施設として評価され、取り壊しは中止されたという運命をたどっています。
現在ではパリの、と言うよりはフランスの象徴となっているエッフェル塔ですが、波乱の歴史を経て今日に至っていたのです。
たった一問のクイズ問題にも、この様なドラマが隠されている、今だから話せる裏話でした。