アメリカ横断ウルトラクイズの問題には素朴な疑問を基に創られた設問が数多くありました。
クイズ大好き人間の特徴に、蘊蓄好きという一面があります。知識欲が旺盛な人の共通点でしょうね。
例えば、日本中の道路にはトラック、乗用車、バスなど各種の自動車が氾濫しています。
それらの車両には、例外なく一律にエンブレムが付いています。車の名称、製造会社の名称など表示は自由ですが必ずエンブレムが付いています。
車好きの人は、エンブレムで車名を当てるのは当然で、その蘊蓄を他人に語りたいとの気持ちがある筈です。
そんな車好きの人が答えたくなる問題が、第15回のモハーベ砂漠で出されていました。
問・フェラーリとポルシェのエンブレムに共通する動物は何?
答・馬
解説 当時はフェラーリやポルシェをはじめとするスポーツカーが人気で、スーパーカー・ブームと呼ばれていました。
エンブレムは日本語で「紋章」ですから、どのメーカーもそれぞれ意味のあるデザインを考えています。
馬のエンブレムは、最初の乗り物が「馬車」だったところから、結構多いですね。
フェラーリ、ポルシェの他、フォードマスタングなども思い浮かびます。
エンブレムは車の顔。格調が高く、印象的、しかも人々の憧れの的になるのが理想のデザインでしょう。
高級車の代表的な存在にメルセデス・ベンツがありますね。誰もが一度は乗って見たい車でしょう。
ベンツのマークは「スリーポインテッド・スター」と呼ばれ、最初は三つの頂点を持つ星形のみでした。
これは「三本の光芒であり、陸・海・空を指し、それぞれの世界での移動しやすい乗り物の発展を意味する」という願いが込められたものだったそうです。
この様にエンブレムには、それぞれの願いや理想、希望などが込められているのです。
クイズ問題の馬のマークですが、これはイタリアの英雄で第一次世界大戦時、撃墜王と呼ばれたバッカラという人がいました。
彼の愛機に「跳ね馬」のワッペンが貼られており、フェラーリがレースで勝った時に、後援者だった伯爵が「跳ね馬」の紋章を贈ったそうです。
この伯爵、実は英雄バッカラの父で、レーシング・マシンに付ければ,幸運が訪れるであろうとの理由でした。
一方、ポルシェの跳ね馬はポルシェといえば、本拠地はドイツですね。
ドイツのシュトゥットガルト市という場所に拠点を構えていたので、地元の紋章をメインシンボルにデザインを行いました。
赤い帯は知性、黒い帯は森、黒い枝状は森に棲む鹿の角黄色は麦の豊作など地元の紋章から引用しています。
ポルシェは農耕機も制作していたので、地元の農家への気配りもあったようです。
車のエンブレムは「紋章」なので、ヨーロッパでは家紋のように凝ったデザインもあります。
それぞれに深い意味が含まれており、調べると面白そうな話がゴロゴロあります。
車好きには、薀蓄の宝庫的存在なのですよ。