アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は日本人の一般常識を問うクイズが大半を占めていました。
問題の難度は、基本的に3段階に分類されていました。易しい問題は10人中7人が正解出来る程度でした。
10人中5人が正解出来るのは、中程度の問題。また、10人中3人はやや難しい問題というのが目安です。
中には、10人中1人という問題もありました。これは専門用語などで、知らなくても恥ではない知識で超難問との分類です。
超難問は、決勝戦のような場面で出題され、解答者の凄さを表現する効果を狙って準備されていたのです。
前説はこの位にして、決勝戦でやや難しい、10人中3人の問題をご紹介しましょう。
第6回のニューヨーク決勝戦で出された問題です。
問・豪傑、武蔵坊弁慶から刀を奪われた被害者は合計何人?
答・九九九人。
解説 弁慶と牛若丸(義経)の出会いの場面を知っていれば、簡単に正解出来た問題でした。
弁慶は1,000本の刀を奪う事を計画。五条の大橋で夜毎カモを待ち構えていました。
そんな噂を知った牛若丸が、1,000人目の被害者として現れたのです。弁慶の薙刀をヒラリとわかした牛若丸は橋の欄干へ。
次の瞬間、弁慶に一太刀入れたのです。この瞬間、弁慶は牛若丸の家来になる事を誓い、一生を義経に捧げたのです。
奥州の平泉で、弁慶の立ち往生と伝えられるように、死亡するまで義経に仕えた話は歌舞伎などで有名ですね。
この話を知っている方は、10人中3人でやや難しい知識のある方と言えます。
歌舞伎ファンで無くとも、日本人なら昔は子供の頃、絵本などでこのお話は読んだはずです。
しかし、平成の現代では、日本昔ばなしを知らなくても非常識と言われる事はないでしょうね。
時代と共に、人々の常識にも変化が出る。世の中の流れに逆らう事は出来ません。
本日の裏話は、世の中の常識からやや外れかかっている、日本昔話の一端のご紹介でした。
でも、日本人として「義経と弁慶」の物語は忘れて欲しくないですねえ。