アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、同じ系列を分類して幾つかの「枠」に分けていました。
これは挑戦者の得意な分野を知るためで、特定な人に有利になる事を避けるのが目的です。
例えば芸能問題、スポーツ問題に強い人が居たとします。そんな時に同じ系列問題が続けば、その人が有利になります。
これでは、挑戦者も視聴者も「不公平だ!」と不満を持つ事になってしまい、番組は成立しません。
我々はその様な配慮から、毎回クイズ問題の配分には相当神経を使って選んでいました。
この分類に「日本語」の枠があり、語源、諺、文字などに関する多岐の問題がありました。
その中で、多くの人が正しい意味を勘違いしそうな、日本語の問題があったのでご紹介しましょう。
第14回のレバノンで、次のような問題がありました。
問・「夢うつつ」の「うつつ」とは何のこと?
答・現実
解説 この言葉は「夢うつつ」でも解るように、夢と同時に使われるので、夢見心地、半覚醒と誤解され易いそうです。
しかし日本語の正しい意味は、目が覚めている正常な心の状態で「現実」と日本語の辞書には記されています。
また、この言葉を使ったもので、江戸時代「現責め」と呼ぶ拷問があり、眠らせずに自白を迫る手段もあったそうです。
現代の刑事ドラマでも、眠らせずに自白を迫る場面がありますが、これは冤罪を生む可能性が高いのです。
被疑者を怒鳴ったり、威圧したりは人権を犯すので、取り調べの可視化(録音、録画)が検討されました。
これは、今年の6月までに施行されるそうで、今後は冤罪事件のような不幸な出来事は減るであろうと予測されています。
本日の裏話は、誤解し易い日本語の問題から、犯罪被疑者の人権保護問題にまで及んでしまいました。
日本人でありながら、正しく日本語を理解するのは難しいですね。だからクイズは面白いゲームと言えるのでしょう。