アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本の伝統的な習慣、行事、祭りなど日本人の常識を問うクイズが多数ありました。
日本独特のもの、外国にも同じような習慣や行事もありますが、本日は日本独自の習慣を取り上げたいと思います。
第11回のデビルスタワーで、次のような問題が出されていました。
問・お店に長年勤めた奉公人が独立する時、主人の屋号を分けてもらうのは何分け?
答・のれん分け
解説 屋号や商標等を共有しながら、円満な形で独立する事を暖簾分けと言いました。
互いに、相手を信頼する人間関係で結ばれ、江戸時代に盛んに行われたもので日本人独特の美しい習慣でした。
処が、明治維新で世の中は大きく変貌、小売業だけに限らず、製造業からサービス業に至るまで、暖簾分けの言葉は残りました。
しかし、特許や商標登録など、権利に関する法律が細分化され、単純に人間関係では済まない世の中になってしまったのです。
現代の暖簾分けは、フランチャイズ制度と名を変えましたが、性質も大きく変貌しました。
こちらは本部のサポートを受けながら、独立する制度でリスクの少ない開業方法と言えます。
そのため本部との契約に逆らう事は絶対に出来ないのです。
そもそも暖簾とは、商号、技術、格式、伝統、顧客、仕入先などの有形、無形の財産を指します。
従って、一頃問題になったチェーン店の店員が、店内で悪ふざけの写真をSNSで公開するなどは許されない違反行為です。
勿論、契約解除で閉店になった店舗もある位です。
日本に根付いた、暖簾分けという人間同士の美しい習慣も、心無い若者によって危機に瀕しているのが現状です。
中には、暖簾分けで全国的に広まったラーメン店のように、連日行列の続くお店も有り、頑張って欲しいものです。
本日の裏話は、日本に古くから存在した暖簾分けの習慣も、現代では大きく姿を変えてしまったとのお話でした。
昔からの屋号で、蕎麦屋さん、すし屋さんなど全国的に同名のお店がありますね。
こちらは、元祖、本店などの看板を抱えて頑張っています。果たしてこの看板、本当なのでしょうか?迷ってしまいますね~。