最も根性の悪い、アンフェアなクイズ形式!

メリカ横断ウルトラクイズは、知力、体力、時の運がキャッチフレーズでした。
クイズに強いだけでは勝てない。
運も、体力も、ジャンケンも強く、更に根性が悪い人程勝てるチャンスがある、そのようなクイズ形式を考えようと、悪魔のような事を言い出したスタッフが居たのです。

々構成作家には、そのような意地の悪い発想をする人間はいませんが、注文があれば考えないわけには行きません。
それが自由業のつらさというものでしょうね。
言い訳は兎も角、挑戦者には恨まれるけれど、視聴者には喜ばれる根性の悪いクイズ形式は第13回のオーストラリアのゴールドコーストで実行されました。

ゴールドコースト

 
れも、メインのクイズが終った後の、敗者復活戦で行われた「ダウトクイズ」です。
方法は他人を騙した人程、勝ち抜けるチャンスがあるというものです。

ルールはトランプのダウトを思い起こしてください。
早押しクイズで解答権を得た人は、本当の正解を答えても良いし、ワザと嘘の答えを言っても構わないのです。
正解を答えた場合は、他人がダウトと発言すれば勝ち抜けする事ができます。
また、嘘の答えを言った場合、誰も嘘と気付かずダウトの声がかからなければ、これも勝ち抜けです。

トランプ


要は、自信が無さそうに正解を答えて騙すか、自信たっぷりに嘘をついて騙すか、いずれにしても、他人を騙した人が勝ちぬけられるというアンフェアなルールなのです。
このような、理不尽とも思える遊び心が、実はウルトラクイズの真情だったのです。
ウヒヒヒ…。

クイズ会場に大豪邸を

メリカ横断ウルトラクイズは普段一般の観光客が行けない場所でクイズを行う事にも挑戦していました。
例えば第10回の、ロサンゼルスで行なったチノ刑務所
刑務所内で囚人監視の見守る中でクイズを行うなんて、正にクレージー、それがウルトラ精神だったのです。

LA_刑務所

その精神から言えば、ハリウッドのスター達の豪邸が並ぶビバリーヒルズの豪邸をクイズ会場に、という案は毎年出されていたように思います。

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しかし、アメリカスター達はプライバシーを重視するので、自分の家を開放する事に抵抗があるのでしょうね。
当時、ハリウッド版スターの豪邸マップと言う本が売り出され、観光客に大ヒットした事がありました。

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でも、これに載せられたスター達は怒りまくったそうです。
「私達が不快な思いをするだけでなく、観に来るファンの人だって歓迎されず、不愉快な気分になるだろう」とご尤もなご意見を述べ、大憤慨していたのです。

本のスターの皆さんが、自分の家を自慢するテレビ番組がありますが、考え方がずいぶん違うものなんですね。
このような社会的背景があったので、我々もスターの家でのクイズ会場は諦めて、別の豪邸を探したのです。
それが第13回のロサンゼルスで行われた、「私がママよ!クイズ」の会場でした。

これはビバリーヒルズ以上に豪邸が並ぶ、パサディナという地区にある豪邸を借り、その家の前庭でクイズを行ったのです。
この家はどこかで見た感じ、と思われた人も多かったはずです。
というのは、映画「バットマン」で、彼の住む自宅として、映画で撮影された事があるという家だったのです。

の中には桁外れのセレブがいるものですが、この邸宅は公園の中に建つお城といった方がぴったり来る位で、超豪邸が建ち並ぶ中でも、一際目立つ広大なお屋敷でした。
一体、どのようなご身分のお方が住む家かと思ったら、御当主は若い中国人のお医者様で、我々の撮影を横目で見ながら、自分で車を運転しながら病院へ御出勤して行きました。

一体この若い外国人が、どのような経緯で、夢のような大豪邸に住む事になったのか、それを想像するだけで、夢が広がりますよね。

さすがハリウッド
夢を創る都でした。

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誰が儲けているのか?ブランド品の値段

メリカ横断ウルトラクイズで、毎年アメリカ各地を旅しました。
先日、このブログで、スーツケースの事を書いたところ、ブランド品の日本での値段が高すぎる、一体誰が途中でそんなに儲けているのか、というご意見を戴きました。
確かに、これは大きな疑問ですよね。
今でもブランド品を買うなら外国で、と考えている方は多いと思います。
そのような風潮を利用して香港買い物ツアーなど、買い物をするだけの目的で海外旅行をする人までいる世の中です。

達がウルトラクイズでアメリカへ行っていた時代、ブランド品を日本で買う場合は、値段にどのくらいの差があるのか、私の体験をお話したいと思います。

まず、このブログで書いたスーツケースをはじめ、ZEROの鞄でいえば、日本での定価は現地の2.5倍から3倍はしたと記憶しています。
勿論これは、値引きの交渉をして買った値段で、あちらの定価という話ではありません。

3分の1の値段で買えるなら、どのような高級品だって買いたくなるのが人情でしょう。
また、私がよく買った靴なども、大体、半額から3分の1で買っていました。
ネクタイやシャツなどもブランドによって差がありますが、半額以下というのが相場でした。
だから、知人や友人に良く買い物を頼まれ、ニューヨークの最後の日は、頼まれた買い物で1日が終わってしまうような事も何度かありました。

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だ、外国旅行が珍しい時代でしたから、私と同じような体験をした方は多かったのではないでしょうか?
今では若い人でも、年に何回も海外へ出掛けるような時代なので、他人に買い物を頼むなんて、ピンと来ないでしょうが、実はそんな時代がつい最近まであったのです。

また、アメリカでは皮製品が安く、我々はジャンパーや靴、鞄など、安い専門店を見つけると、その情報がすぐさまスタッフに伝わり、競争で買い物に走って行ったものでした。
そのような場合は、衝動買いをするので、後で考えると「安物買いの銭失い」というバカな事も多かったようです。

ブーツ

ランド品が高すぎる、とういう話から一寸脱線してしまいましたが
「高いからこそ欲しくなる」
という大衆心理もあるようで、その辺の気持ちを計算して付けられたのが、現在の定価なのだ、と専門家の話を読んだ事がありました。

論としては、何と言われようと大衆心理を上手く操った人が、勝ち組ということですね。
ウルトラクイズも、あの時代には大衆心理を上手く掴んだようで、テレビ番組の勝ち組でしたが栄枯盛衰世の習い何事も永遠に続く事は無いと、昔の人は良い教えを残してくれました。

孔子

多彩なカメラマン軍団に脱帽

メリカ横断ウルトラクイズの旅では、毎年大勢のスタッフと旅をし、仲間になって行きました。
テレビ番組を作る上では、数々の職種が協力して一つの作品を仕上げるわけで、仕事の中味はそれぞれ異なるのは言うまでもありません。
大きく分類すると、ウルトラクイズの場合は、構成演出撮影録音美術のように分かれます。
そして、それぞれの分野で、その技と言うか、技術を出し合って、作品を作り上げて来ました。今回は、そんなスタッフのお話を書いて見たいと思います。

業務用ビデオカメラ


組は17回もありましたので、スタッフも随分入れ替わったと思われますが、実は最初から最後まで、ほとんどメンバーが変わらなかったセクションがあるのです。
それは技術のカメラ班と、録音班でした。

録音班は一つの会社が引き受けていたので、最初からメンバーはほぼ固定されていました。
カメラマン達の撮影班は、最初は全員が同じ会社に所属していたので、主だったカメラマンは、初めから参加していました。

ころが、回を重ねるうちに、カメラマンも独立して新たに会社を興したり、他の技術会社に引き抜かれたり、所属する会社が変わってしまう事があります。
しかし、ウルトラクイズに参加したカメラマンは優秀だったため、会社が変わっても人物中心でリクエストをし、メンバーは最初から最後まで、ほぼ変わらずに参加していたのです。
ですから業界では、ウルトラクイズのカメラマンは、優秀と評判になっていました。
それは、迫力のあるダイナミックな映像、細かく繊細な表現、場面によって変わる状況を、その都度変わった視点で捉え、これが視聴者に受けていました。

初はアシスタントだったカメラマンが、やがて1人前になり、ベテランの仲間になった人も何人か居ました。
普通の職場なら、所属が別の会社で、チームワークは大丈夫かと言う疑問が沸いて来ます。でも、カメラマンに限っては全くそのような心配はありませんでした。
何故なら、彼らは厳しい徒弟制度の中で育っているので、最初の身分制度が、会社は変わっても崩れるような事にはならないのです。

初のボスが何年たってもボスである限り、構図は変わりません。
だから、一度築かれた上下関係は全くゆるぎなく、何年経とうがチームワークが崩れる事はありませんでした。
それにしても、カメラマンの世界は、厳しい修行の連続という事が良く解りました。
つまり、ボスの権限が強く、絶対服従の体育界系に近い感じです。
だから、門外漢の我々が見て、「良く反乱が起こらないものだ」と心配するほど、厳しく部下をしごいているのを目撃しましたが、それだから皆さん実力を付けていったのだと思います。

達はテレビで、すごく迫力のある場面を見ることがあります。
例えば、スキーヤーが危険な場所を滑降して、その状況が見事に伝わって来たりします。
これは、カメラマンも同じように滑りながら撮っているから、表現できるのですね。
また、登山家が危険な岩場を登っているような場面、これだって近くで重いカメラを肩に担いで撮影しているカメラマンが居たからこそ撮影出来ている訳です。
このように考えると、カメラマンと言うのはどのような場面でも、同じような体験をしながら、撮影をしている人達なので、本当に凄い人達なのだと思います。

ルトラクイズでも第8回に、バハマで海底クイズと言うのをやりました。
この時もカメラマンは事前に、アクアラングの教習所に入り、資格を取って海中撮影をしていました。

水中散歩


また、ヘリコプターに乗って上空から撮影する事は度々ありました。
そんな時、ヘリコプターの窓越しに撮影をしていたのでは、迫力のある空からの映像は撮れません。
彼らはヘリコプターの下のバーに足を掛けて、ドアから外へ身を乗り出し、撮影しているのです。

決勝に向かうヘリ


一つ間違えば、まっ逆さまに転落しそうですが、そのような危険な姿勢で、当たり前のようにカメラを回しています。
勿論、転落防止のために命綱は付けていますが、高所恐怖症でなくても、足がすくんでしまうような事を平気でこなします。
時、その辺の気持ちを聞いたのですが
「カメラのファインダーを覗くと、怖いなどと言う気持ちが起きないのだ」と言っていました。

その時以来「カメラマンはスーパーマンだ!」と私は思っています。

ウルトラクイズに於ける自由の女神物語

メリカ横断ウルトラクイズでは、第一問目の問題が自由の女神として、定着していました。
そのために自由の女神といえば、ニューヨークというイメージを盛り上げてきました。
今的にいえばニューヨークのイメージを高め、大いに宣伝をしたわけで、ニューヨーク市長から感謝状をいただいても良いくらいのものでしょうね。

自由の女神2

この自由の女神がウルトラクイズに初めて問題として登場したのは、第2回目でした。
でも、最初はウルトラクイズの代名詞になるなんて、誰も考えていませんでした。単にニューヨークで有名な物を第一問にしようという軽いのりで作られたのが、記念するべきあの問題だったのです。

 「ニューヨークの自由の女神がたいまつを持っているのは左手である」○か×?

答 ×
今でこそ自由の女神は、あらゆる角度から研究されているので、このような易しい問題では落ちる人もいないでしょうが、最初の頃は、これでも充分に難しい問題だったのでした。

そして、自由の女神がウルトラクイズの看板になりだしたのは第4回目からでした。

「ニューヨークの自由の女神は石で出来ている」

これは銅像ですから×が正解でした。

第5回は「ニューヨークの自由の女神は裸足である」
これは、サンダルを履いているので×が正解でした。

の頃になると、前年に出された問題関連として、研究してきた人も居るだろうと予想しました。でも、まだその当時はクイズ研究会も無かったのか、正解者の方が少なかったのです。

ここで我々は、自由の女神を、この先も第一問にしようと会議で検討したのです。
その結果、自由の国アメリカに相応しい
ニューヨークに在って誰でも知っているし番組の象徴になる。
この像が出来るまで、或いは贈呈されるまでの間に、エピソードがいろいろあるだろう。
それらの中からクイズ問題を作れば、まだ5年や10年は行けるだろう、と浅はかな考えでスタートしてしまったのでした。

ころが、世の中はままになりません。
我々には思いもかけぬ誤算があったのです。
というのは、ウルトラクイズで「自由の女神」が話題になるや、その関連の本が次々と発売されてしまったのです。
しかも、クイズの参加者達の中には、「自由の女神」の本を大事に抱えて参加してくる人達が増えていたではありませんか。
そうなると、本の中に正解の記述があったりしたのでは、あのドキドキ感も興奮も生まて来ません

って我々としては、本に記述が無い事象を見つけて、それを問題にしない限り、第一問としては成りたたない事を思い知らされたのです。

だから、日本では何時から女神と表現されたのか、自由の女神の除幕式の状態、この式典に招待された人物、このように自由の女神関連の本がまだ取材していない事象を見つけ、そこから問題を制作するという苦難の道が始まってしまったのです。

年、問題制作者にはノルマを与えて自由の女神問題を作らせ、この数は200問~300問という膨大な数になっていたのです。

自由の女神