陽の目を見なかった珠玉の問題

メリカ横断ウルトラ・クイズのクイズ問題は、厳しい選考を経て採用が決まるので、知って為になる、あるいは楽しい、といった問題が多かったと思います。
その多くはテレビ番組で放送されるので、視聴者の皆さんもご一緒に楽しめたと思いますが、そうでなく陽の目を見る事もなく消費されてしまうクイズ問題も沢山有りました。
成田からグアムへ向かう飛行機の機内で出題される機内ペーパー・クイズの問題がそれに相当します。

にもこのブログで書きましたが、早押しクイズ、あるいは○×クイズとして作られた問題の中から、捨てがたい問題を3者択一問題に書き換えて採用していました。
だから、狙いも問題点も的をえている問題が沢山有りました。
今日はその様な中から、第1回の機内ペーパー・クイズの、最初の5問をご紹介してみましょう。
どれも、納得がいく問題だと思いますよ。

機内クイズ

1 エルビス・プレスリーが死んだのは42歳。ではエルビスの母親が死んだのは?
    ① 32歳              ② 42歳            ③ 52歳

2 航空機の出発時刻とは次のどの瞬間を基準とする?
    ① 航空機のドアを閉める時  ② 車輪が回転を始める時  ③ 離陸許可が下りた時

3 アメリカから日本へハガキを出す場合、その料金はどこの国の収入になる?
    ① アメリカ             ② 日本              ③折半
 
4 上野の山の西郷像、彼が履いている履物は?
    ① 裸足               ②下駄               ③草履

5 あずさ2号は新宿を何時に発車する?
    ① 午前7時             ②午前8時            ③午前9時

今思うと、早押し問題としても遜色は無いし、何故これらのクイズが問題会議で通過しなかったのか、不思議なくらいです。

機内クイズ2

正解は以下のようになります。

  1、②  スーパー・スターらしい数奇な運命というところが問題として面白いですね。
       2、②  クイズ問題の急所を突いた点が優れています。
       3、①  誰でもが疑問に感じる、身近な生活の盲点と言えるでしょう。
       4、③  知っているようで、確証がない、迷う問題です。
       5、②  「あずさ2号」は狩人のヒット曲として、当時の若者に大人気だった。お蔭で、あずさ2号に乗る若者も多かったという。

古い資料を見直して見ると、初期の頃はまだ、みんなが慣れていなかったせいもあって、良い問題の処理が下手だったなあ、と反省材料になります。

ヘリコプターを多用した贅沢な番組

メリカ横断ウルトラクイズは、印象としてスケールの大きさを上げる方が多いですね。
その役目を果たしたのは、1つにはヘリコプターを多用したという事が上げられるでしょうね。
テレビ番組を作る人達は皆、この辺をうらやましがっていました。
何故なら、空から俯瞰の映像が入ると、視聴者にその場所の状況が良く理解できるので、ディレクターであれば誰でもそのような映像が欲しくなります。

タイトル

しかし、どの番組でも予算がありますので、そう簡単にヘリコプターをチャーターする余裕が無いのが普通です。
つまり、ヘリコプターの使用料は一般に高いというのが常識となっています。
その点、日本と違ってアメリカではヘリコプターのチャーター代がそれほど高くありません。
我々はそこの眼をつけ、ヘリコプターを多用しました。

えば恒例になっている、ニューヨークの決勝戦が有名でした。
対戦者が何故か2機のヘリコプターに乗って、別々の方角からパンアメリカン・ビルにやって来るという演出です。

ウルトラクイズ決勝1

しかも、2機のヘリコプターが並んで飛行する場面があるわけですから、都合3機のヘリコプターが飛んでいることになります。
それぞれの機にカメラマンが乗っているので、撮影状況としては大変に贅沢な配置です。
しかも、そのような状況は説明がありませんから、専門家が見れば贅沢さは理解しますが、一般には解りません。
でも、視聴者にはその様子が何となく他の番組では見られないようなスケールの大きさを感じてしまうのでしょうね。
これはニューヨークだけに限らず、各チェックポイントでそのような演出を試みました。
ヘリコプターから撮る俯瞰の映像はスケール感を出すのに効果があるのですね。

そのようなこともあって、ヘリコプターに随分助けられた番組だったので、このヘリコプターに関するクイズ問題も作りました。
第16回のサンタフェ・バラマキクイズで出題された問題です。

・世界で初めてヘリコプターの原型となるものを発案した、イタリアの画家でもある彫刻家は誰?

・レオナルド・ダ・ヴィンチ。

解説・ダ・ヴィンチは「スパイラル」というものの設計と理論を考案しました。これがヘリコプターの原型と言われていますが、彼は設計だけで実際には作られていませんでした。

今ではヘリコプターの原型はダ・ヴィンチというのが常識になっていますが、あの時代にはまだ一般的な知識として、それほど行き渡っていなかったので、問題として採用されたのでした。
クイズ問題は時代と共に変化する、当然ですね。

↓挑戦者を乗せたヘリコプター 実は前に乗っているのは私です。

決勝に向かうヘリ

スタッフと挑戦者の距離について

メリカ横断ウルトラクイズは全部で17年間に渡り放送されました。
この番組に挑戦した方は、相当数にのぼります。
第1次予選を通過して、空港まで行った方だけでも、単純計算して1,700人の皆さんが、ジャンケンに挑戦したわけです。
その内の半分の方が飛行機に乗ってニューヨークを目指したことになります。
我々スタッフはそれらの方達と一緒に旅をしました。

のブログを書き始めてから、一緒に旅をした挑戦者を初め、沢山の方からコメントを頂いています。
普通の番組ならば、一緒に外国を旅した仲間ですから、お互いにもっと親しい間柄になってもおかしくは無いはずです。
しかし、ウルトラ・クイズの場合はスタッフと挑戦者が仲良く、或いは親しく言葉を交わす事を意識的に避けてきました。

の理由については、以前にもこのブログで書いた事がありますので、割愛しますが、最近ウルトラクイズはドキュメント番組を目指して作っていたというお話を書きました。
すると沢山の方たちからコメントが寄せられました。
なぜ、ドキュメントだったなどと書いたかと言いますと、それには訳があります。
というのは、このブログの読者の方のコメントで、挑戦者が或る時スタッフを困らせてやろうと、同じ色のTシャツを着たという話がありました。
つまり、着る物が同じだったら、我々が挑戦者を区別出来なくなるだろう、という意味だと思いました。
つまり、挑戦者と私たちはいつも一緒に旅をしていますが、顔も覚えていない間柄と思っていたと言うわけです。
それに対して、我々は挑戦者に対し、そのような無関心な気持ちでは無かったと言う事を言いたくて、あの記事になったわけです。

まり、挑戦者の皆さんはスタッフの顔と名前が一致しなかったでしょうが、我々スタッフは、挑戦者の名前と顔どころか、性格や特技、趣味に至るまで情報はみんな掴んでいたのです。
それで無ければ、人間ドラマを描くことなど不可能です。
そのような意味も兼ねて、あの記事を書きました。
皆さんのコメントは、殆んどが好意的に受け止めてくださったので、胸をホットなでおろした所です。

識的に微妙な距離感を作り出していたのです。

微妙な距離感

々の反省点は、最初の外地グアム、或いはサイパンあたりで、
「これから一緒に旅をするスタッフです」
と言うような名前、役割紹介を兼ねた簡単な食事会をやるべきだったのでしょうね。
でも、旅の初日は翌日の準備が忙しかったので、そのような余裕が無かったのも事実でした。

何はともあれ、読者の方のコメントのおかげで一本書けました。
ありがとうございます。

実現しなかった温泉クイズ

メリカ横断ウルトラ・クイズでは、クイズ地を求めてアメリカ中を歩きました。
日本の観光地の場合、温泉を売り物にする場所が沢山有りますね。
だから旅番組では定番となっている入浴シーンと温泉旅館の料理の紹介場面が出てきます。
ウルトラクイズでアメリカ各地をリサーチしたところ、アメリカにも温泉を目玉にしている場所は幾つかありました。
我々がロケハンをすると、健康ランド的な泥パックを売りにしていた温泉が幾つかありました。
しかし、泥んこの姿はグアムの泥んこクイズには太刀打ち出来そうもありません。
しかし、挑戦者が温泉に入って、のんびりしている状況でのクイズが出来ないものか? そのような目的で温泉を探しました。

えば第4回で訪れたイエローストーンには、温泉がありました。

イエローストーン

ここは火山地帯の真上ですから当然温泉に適した豊富な条件が、備わっています。
この時は、大自然に吹き上がる間欠泉にヒントを得て、「間欠泉熱湯クイズ」というのをやりました。
クイズの最中に、定期的に吹き上がる間欠泉が20メートルを超えた場合は、ラッキー・チャンスとばかり得点は倍になるというルールでした。

イエローストーン_間欠泉

ですが、このクイズ形式に決まる前には、周囲の温泉状況を調べました。
そして発見したのが自然の中にある、露天風呂でした。
川の中に温泉が湧き出ていて、自然の中にある露天風呂の雰囲気で、クイズ地としては格好のロケーションです。
ここで考えられたのは「早押し、いい湯だな!クイズ」というものでした。
挑戦者はウルトラハットをかぶって首まで温泉につかり、早押しクイズを行う。
この場合、時間が経つとのぼせて思考力が鈍るので、休憩を入れて再度クイズが行われるという形式でした。

かし、アメリカまで来て、わざわざ温泉クイズでも無いだろう、という意見が賛成多数で可決され、「早押し、いい湯だな!クイズ」は幻のクイズとなってしまったのです。
最も、この形式は第1回高校生クイズ」で、実現しています。
何故なら、あの時はスタッフがほぼ全員同じメンバーだったから、そのような事が実現したのです。

幻の罰ゲームとは?

メリカ横断ウルトラクイズでは、数々のキツイ罰ゲームをやってきました。
その中で、最初から候補に上がっていながら、実現出来なかった罰ゲーム案がありました。
それはニューヨークの摩天楼を象徴するエンパイアーステートビルを一気に駆け上ると言う罰ゲームです。

Empire_State_Building

は我々のウルトラクイズが始まった年を第1回とする「エンパイアーステートビル駆け上りレース」と言うイベントがあります。
このビルはニューヨークの象徴であり、高さ381メートル、地上102階で世界一高いビルとして有名でした。
そのような知名度を利用した、このレースは毎年ニュースになるくらい過酷な競争だったのです。

ューヨークの罰ゲームとしては、格好な候補と言えるでしょうね。
しかし、ニューヨークの敗者は決勝戦の敗者で、そのような頑張った人にこんなキツイ罰はそぐないと言う理由で、罰ゲームは省略していました。
また、視聴者の興味も勝者インタビューや賞品の方に向いているので、罰ゲームは無し、という作りになっていたのです。

ころでこのエンパイアーステートビル、階段駆け上りレースですが毎年世界中から参加者が集まり、開催されています。
当時の最高タイムは12分19秒でしたが、今年は600人が参加し、記録も2分以上更新して、10分12秒というものでした。
1階のロビーから86階の展望台まで、1,576段の階段を1気に駆け上るのですから、こんなキツイは無いでしょうね。

も調べてみたら第9回にこれに近い罰ゲームがありました。
その時は決勝の地がパリだったので、ニューヨークの敗者にも罰ゲームが与えられたのです。
敗者は山登りを趣味とするYさんでしたが、彼の趣味に合わせて、重いリックを背に、高層ビルの階段を1時間かけて上るというものでした。
しかし、上り詰めた屋上が悪かったのです。
そこはアスレチッククラブで、1周100メートルのトラックがあったのです。
そこで、スペシャル罰ゲームという理由をつけて、なんとこのトラックでフルマラソンに挑戦して頂こうと言う事になりました。
と、いうことはトラックを422周回るというわけで、これは限界に近い罰ゲームでした。
やっぱり、摩天楼の街は油断大敵ですね。

摩天楼