第1号は要チェック

アメリカ横断ウルトラ・クイズのクイズ問題では、何事によらず第1号は問題になり易い、という傾向がありました。

例えば「賞」の受賞者でも、日本人で最初に受賞したのは? という設問は数多くありました。

どのような出来事でも「最初は?」という疑問には興味がありますよね。

人間の偉業、記録の達成、発明、発見、災難どれをとっても記録に残る出来事には第1号があるはずです。

話のタネとして、「第1号を知っている?」というのもクイズマニアにとっては自慢話になりますし、知っておきたい知識でしょう。

そのような、第1号を探す作業の中から生まれたクイズ問題が、第4回のイエローストーンで出題されていました。

1912年4月15日、氷山と衝突して沈没、SOS打電1号となった船の名は?

答・タイタニック号

解説 SOSは1906年にベルリンで行われた万国無通信会議で採択された、世界共通の遭難信号です。

一般的には救助や助けを求める際の合図として、万民に浸透している貴重なサインともいえるでしょう。

おそらくタイタニック号の以前にも、この信号を発信して助けを求めた船や遭難者はいたでしょう。

でも、世界的な大きな災難として記録に残されているのは紛れもなくタイタニック号でした。

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クイズ問題をより正確にするために、この問題では遭難の日時を限定、更に氷山と衝突し沈没、の条件を盛り込みました。

SOSの第1号は知らなくても、問題の条件だけでタイタニック号と正解できるヒントでもありました。

タイタニック号は世界最大の豪華客船と言われ、処女航海で沈没するというドラマティックな運命をたどっています。

更に、何回も映画化され、世界的な大ヒットを当ていますので、クイズ素材としては正当派と言えるでしょう。

昭和55年のこの時代、タイタニックの引き上げが話題になっており、それも問題として取り上げる材料になっていたようです。

救難信号、SOS発信の第1号はタイタニック号 本日のマメ意識でした。

今こそ伝えたい火の車の意味

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズのクイズ問題には、日本の諺をはじめ、子供達の情操教育に必要な問題が沢山出題されています。

最近は中高校生をはじめ、年少者の殺人事件のような凶悪事件が多発しており、世間を騒がせています。

「何故その様な行為を?」と眉を潜める事件が、全国で次々と発生しており、メディアでは識者が子供の頃の情操教育の不足を挙げています。

その様な子供が増えるのは学校の責任か? はたまた家庭教育の問題か、テレビでは責任の所在を巡って論戦を行っていますが、結論は出ません。

昔の日本では、子供に善悪を教えるのは、両親は当然ですが、お爺ちゃん、お婆ちゃんのような年配者の仕事でもありました。

ご近所には、どこでも世話焼きのおじさんがいて、子供達が喧嘩や虐めなどの悪さをすると、叱ってくれたものです。

ついでに説教をして、子供達に正しい生き方を教えるような人が住んでいました。

日本の社会では、子供達の道徳心は、大人達がみんなで教えるシステムが自然に出来上がっていたのかも知れません。

その様なことを問う、クイズ問題がありました。

第14回のキティホークで出題されています。

仏教で罪人を地獄に運ぶ車を、何の車という?

答・火の車

解説 「火の車」は家計などが切迫した時の表現に使われる日本語ですね。

広辞苑

でも、本来の語源は、悪事を働いた人が死ぬと、地獄の番人が燃え盛る火の車を牛や馬に曳かせて、迎えに現れる、という仏教から伝わるお話です。

燃えたぎる炎に包まれた迎車、想像するだけで恐ろしい光景ですね。

「悪いことをすると、お前もそんな運命が待っているよ」と昔の子供は教えられていたのです。

このお話は「古今物語」などの古書にも記されているそうで、日本に昔から伝わる伝説の一つと言えるかもしれませんね。

遊び仲間をリンチで殺す高校生。

酔っ払い運転でスピードレース。事故の被害者を何kmも引きずった上に轢き逃げをする若者。

このような神をも恐れぬ最近の犯罪は、正に子供の頃の情操教育の不足が引き起こした事件のように思えます。

ウルトラクイズの時代には、番組終了後にクイズ問題を題材に家族で対話するというご家族がいました。

それこそが理想の情操教育だったかもしれません。

そんなクイズ番組、また出来ると良いですね。

 

 

 

勘で予測できる問題

アメリカ横断ウルトラ・クイズのクイズ問題は、知識があれば当然正解できる問題が並んでいました。

しかし、クイズに強い挑戦者の武器とも言えるものは、知識の他に勘があります。

実は、知識は無いけれど、しかし、勘で予想して正解に持って行くという強者も結構いましたね。

その様な人にピッタリな問題が第14回のグランドテイトンで、出題されています。

地球で起きるのは地震。では、月で起きる地震を何という?

問・月震(げっしん)

解説 日本は世界でも有数の地震大国と言われています。特に3・11の東日本大震災以来、日本人は地震に敏感になっています。

昨年の御嶽山の噴火を切っ掛けに、今年は火山の活動も盛んで、ニュースでは連日の様に報道されていますね。

その度にテレビに専門家が出演し、地震や火山活動のメカニズムを解説してくれるので、国民の多くがその知識を吸収しています。

逆に言えば、地震や噴火に関するクイズ問題なら、大抵の人達が正解出来るレベルになっているでしょうね。

そんな人でも月の地震の事までは知りません。

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でも、語源を考えれば、地震は地球の震動で地震なのですから、勘を働かせれば、月の震動なら「月震」と判断するでしょう。

事実、月でも月震はあるそうで、大きさはマグニチュード3程度だと伝えられています。

歴代のクイズ王は、知識も豊富でしたが、勘も鋭かったようですよ。

中にはヤマ勘王も居たようですが…。

今年は金沢が熱い!

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、日本各地の地名を当てる問題が、数多く出題されています。

クイズ問題の重要な要素に、タイムリー性が求められていたので、もし、今あの番組があったとすれば、恐らく金沢市に関する問題が多数作られた事でしょう。

今年は3月14日に北陸新幹線が全通開業し、金沢がテレビで大フィーバーしています。

東京→金沢を、電車を乗り継いで、急いでも4時間要していました。

それが乗り継ぎ無しで2時間半で、結ばれたのですから地元の皆さんにとっては嬉しい限りでしょうね。

テレビでも、金沢を取り上げたグルメ情報、旅番組が連日の様に放送され、金沢の街が全国的にクローズアップされています。

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ウルトラ・クイズの時代には金沢と言えば、加賀百万石の城下町として知名度がありました。

また、水戸の偕楽園、岡山の後楽園と並んで日本三名園の兼六園、この辺りがクイズの素材になるくらいでした。

第11回のロサンゼルスで次のような問題が出されています。

加賀友禅、九谷焼で有名な城下町は?

答・金沢市

解説 前田氏の加賀百万石の城下町として、江戸時代から長年にわたって栄えた都市です。

加賀友禅の加賀が、イコール金沢を連想される訳で、ヒント付きの超易しい問題と言えるでしょうね。

加賀友禅、九谷焼の他にも、金箔の生産日本一など、金沢を象徴する産業は各種あります。

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特に今年は北陸新幹線の開通で観光客が大量に押し寄せ、最近では、関東から日帰りで金沢旅行を楽しむ家族もいるという話題がありました。

昔は旅は時間をかけてのんびり楽しむもの、という考えが主流でしたが、最近では短い時間に効率良く、という考えも増え、ライフスタイルも変化しているようです。

ゴールデンウイークには、金沢が観光客で溢れ、間もなくやってくる夏休みも目が離せない事になりそうです。

地方経済の活性化が今の日本の課題ですから、その意味では北陸新幹線の開通は取り敢えず、大成功だったと言えるようです。

 

危険な動物達

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズのクイズ問題では動物という分野があり、動物の生態や特色などが問題になっていました。

代表的な例で思い出すのは、「ペンギンもシモヤケになる」と言う問題で、この正解は×でした。

「ハゲタカは子供の時から剥げている」と言う問題もあり、この様な面白い問題は永く記憶に残ります。

最近のニュースで、三重県で捕獲した熊が、滋賀県で山に放逐され、その後、滋賀県の女性を襲って怪我を負わせたという事件がありました。

また、飼っていたドーベルマンが逃げ出して、街の人達4人に噛みついたという騒ぎもありました。

この様なニュースが立て続けに起こると、危険な動物という話が人々の口に上り、動物愛好者にとっては迷惑千番な話ですね。

今では動物をペットにする人も増えているので、人間と動物は仲良く共存するべき時代なのに、相応しくないニュースでした。

さて、危険な動物の代表的なクイズ問題が、第11回のニュージャージで出されています。

極めて危険な場所を動物の口に例えると何の口?

答・虎の口(ここう、こくう)

解説 「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の例えがあるように、危険な動物は数々いますが、中でも虎はその代表格だったようです。

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何故なら虎は朝鮮や中国など、アジアに生息する動物の中で、ズバ抜けて危険な猛獣だったために、中国の諺にも多く登場していたようです。

加藤清正の「虎退治」のような伝説も、強さを強調する意味で「虎」が選ばれたのでしょう。

虎は強い動物。

プロ野球の方でも、今年はトラ軍団が頑張っているようですね。