生物の生態は面白い

アメリカ横断ウルトラ・クイズの分類で「生物」と言う分野がありました。

同じ生物の中でも、動物から昆虫、爬虫類に至るまでが含まれているので、範囲は広いのですが、それぞれの生態を調べると面白い特徴が解ります。

我々の生活の場に近い昆虫に「蜂」がいます。

毎年スズメ蜂が住宅の近くに巣を作り、その被害や対策がニュース番組で話題になっていますね。

スズメ蜂に刺されると、運が悪いと死に至る被害もあるので、行政も力を入れて対策を考えているようです。

昆虫の「蜂」一つを取っても生態を知ると面白い事が解るので、クイズの問題になり易いのです。

第7回のデスバレーで、次のような問題がありました。

問・一度刺したら死ぬハチは何?

答・ミツバチ

解説 人間が最も恐れているスズメ蜂やクマンバチは、何度でも刺す事があります。

しかも、性質は獰猛で攻撃的と言われているので、素人が捕獲や退治をするような行為は止め、専門家に任せるべきでしょう。

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一方、ミツバチは人間に「蜜」を提供する益虫の代表的な存在です。

性質も穏やかで、こちらが攻撃をしない限り刺す様な事はあまりありません。

ミツバチは他のハチと異なり、一度刺すと針が抜けずに身体からちぎれてしまうので死んでしまいます。

この様な昆虫の生態を知っていると、悪戯に追い回して刺されるような事は避けられます。

こうした知って得をする情報、これもウルトラクイズの重要な目的だったのです。

外来語vs日本語

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を思い返してみると、言葉の問題が結構あります。

クイズの分類で「言葉」という括りがあり、その中に流行語などと並んで外来語という範疇がありました。

普段、我々は日本語と思って口から出ている単語の中には、元々は外国から入って来た言葉なのに、何時の間にか日本語化している事が多いのです。

特に最近の若い人にその傾向が強く、古い日本の言葉、例えば乳母車と言っても何の事か理解できません。

孫に「これの事だよ」と実物を示しても「それはベビーカーって言うんだよ」と逆襲されてしまいます。

本来の日本語で表現すると「何の事?」とキツネにでも抓まれたように理解できない品物が多いのです。

例えば西洋音楽で使う楽器などは、ほとんどが外来語で定着しています。

でも、日本に入って来た当初には、それぞれ日本語に訳した日本名があったのかなぁー、と疑問が湧いてきます。

そのような素朴な疑問を調べてみると、意外性のある面白い問題が浮かび上がってきます。

第3回のグランドキャニオンで次のような問題が出されています。

・アコーディオン、日本語では何という?

答・手風琴

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解説 これは結構な難問です。とはいえ問題と答えを逆にして、手風琴とはどんな楽器? のクイズであればアコーディオンと正解する人は多いと思います。

何故なら風を送って音を出す「風琴」がオルガンと知っている人は多く、手で風を送るならアコーディオンに辿り着くはずです。

この様にクイズ問題は、設問と正解を逆に設定するだけで、時には難問に聞こえる場合も有るのです。

尤も、しっかりとした知識の持ち主であれば、どちらでも同じ結果になりますがね。

因みに、西洋から入って来た楽器には当然和名もあります。

でも、ハープが「竪琴」、ピアノが「洋琴」程度は良いとして、オーボエは何? ピッコロは? のような重箱の隅をほじくる様な問題は作りませんでした。

こうしたある分野の細部を知りたがるのは、「オタク」と呼ばれる人達で、我々はクイズ・オタクの番組を作る気持ちは無かったのです。

クイズ番組は、超物知りだけのゲームではなく、一般の知識をベースに、お茶の間の誰でもが参加できるレベルの問題を理想としていました。

それでいて、知って得する面白い話。誰かに教えて自慢したい情報。

理想は……欲張りですねー。

 

 

魚の親と卵の名前当て

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、森羅万象の知識を競い合いました。

その中でクイズ問題の定番になっている物に、魚の卵に関する問題があります。

普通に呼ばれている卵の商品名を出題し、親の魚の名を答えにするというのが一般的なクイズ問題です。

日本の食卓で人気のある「筋子」「イクラ紅子」はいずれも鮭の卵でありながら、3つの名前で呼び分けられています。

つまり、親鮭の状態や種類によって、名前が変わって来るのです。

ついでに解説すると、鮭でも未熟な卵巣に塩をしたのは「筋子」です。成熟した卵巣卵をばらしたのは「イクラ」と呼ばれています。

更に紅鮭の卵は「紅子」と呼ばれ、区別された存在になっています。

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同じ「鮭の卵」でこれだけ分類されるのですから、魚の卵はクイズ問題の定番になるのは理解出来ますね。

初期の頃、第3回のハワイで次のような問題が出されました。

・キャビアと言えば何の卵?

答・チョウザメ

解説 キャビアは、トリュフ、フォアグラと並んで世界の3大珍味と呼ばれています。

3大珍味となれば、希少価値も加わって高級食材の王座的な存在と言っても良いでしょう。

魚の卵で食材になっているものには、高価なものが結構ありますね。ボラの卵のカラスミなどはその代表と言えます。

また、今ではそれほど高価ではありませんが、鰊の卵の「数の子」もある時代には、黄色い宝石と呼ばれ珍重された時代もありました。

我々のウルトラクイズに限らず、魚の卵の呼び名で、親の魚名を当てるクイズ問題は、料理の好きな主婦をはじめ、女性向けの問題として作られていたはずです。

尤も現在では、男性でも料理好きが増えて、台所を占有している夫が多いという記事を読んだ事があります。

クイズ問題に男女の区別は無い、時代の変化に戸惑う昨今です。

 

船長さんの資質を問う

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を創っていた時代、我々は情報のネットを張り巡らせ、新聞、雑誌、週刊誌は基より、世界のニュースにも目を光らせていました。

面白い問題を創るためには、多量の資料と情報が必要で、当然の努力と配慮だと思っています。

最近の大きな事件や事故を振り返って見ると、外国での海難事故の多さに驚きます。

例えば、3年前に地中海で豪華客船「コスタ・コンコルディア」が座礁・転覆し乗客など32人が死亡しました。

驚いたというよりは、呆れたというべきは、乗客4200人のうち、32人が死亡。

乗客の避難が済まないうちに、船長が真っ先に避難していたことがわかりました。

イタリア人のこの船長に対しては、今年禁錮16年の刑が確定していました。

同じ海難事故で、昨年は韓国で「セウォル号」転覆事故というのが発生しました。

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乗員、乗客476人のうち、300人以上が死亡するという痛ましい事故でした。

この事故で呆れたのは、事故の原因と乗組員の無責任体質でした。

亡くなった被害者の多くは修学旅行中の高校生でしたが、原因はこの船の所有者一族の欲望の激しさにあったようです。

定員を遥かに超える乗客と荷物を積み過ぎたために転覆したのです。利益主情主義の犠牲ですね。

更に驚いたのは、乗組員の無責任ぶりで乗客の避難誘導を怠ったどころか、自分たちが我先にと逃げ出して助かっているのです。

その代表選手は船長で、一番先に救助されているのですから、流石の韓国国民も呆れ返っていました。

今年の6月7日にも中国の長江で客船が転覆し、乗客・乗員456人のうち、431人の死亡が確認され、行方不明者の情報は入ってきません。

事故原因も経過もほとんど明かされないのは、中国の報道規制のためで、近代の世の中とも思えない隣国の状況です。

このような海難事故で、クイズ問題に度々登場するのはタイタニック号ですが、今回は船長の資質に関する問題です。

第6回の後楽園球場で出題されています。

問・泳げない人は、外国航路の船長にはなれない。

答・×

解説 船長に限らず、船員も別に泳げない人は採用されないという規則はありません。

別に泳げなくても、もし事故が発生した場合に、避難の誘導をきちんとやってくれる人なら、乗客は安心して船の旅を愉しむ事が出来るはずです。

今日、例に挙げたイタリアや韓国の船長のような無責任な船長は、わが国には絶対に居ないものと信じます。

でも、世界は広いので、外国旅行の時はその国民性を多少は調べたほうが安全だと思いますよ。

 

 

 

日本人の名前は難しい

アメリカ横断ウルトラ・クイズのクイズ問題では、歴史上の人物が答になる問題が時々出されています。

中学、高校で日本史は苦手と言う人は多いのですが、その理由で一番多いのは、歴史上の人物の名前が難しい、覚え難い、というのが挙げられています。

例えば源氏でも平家でも、源の○○、平の××の様に一族の名前が延々続くのを記憶するのは、大変な能力が必要になります。

また、幼名と成人してからは呼び名が変わる場合がほとんどです。

更に「号」と呼ばれる名前があったりすると、1人の人物でも最低2つ。多いと3つも4つも記憶しなければなりません。

その様に1人の人間を正解するのに、3つの名前を記憶し、更に通称名を答える問題がありました。

第3回のマイアミで出題された問題です。

問・幼名を小吉、大きくなって吉之助、号は南洲、幾つもの名を持つ明治維新の政治家は誰?

答・西郷隆盛

解説 明治維新に大活躍した偉人の中で、一際人気が高いのは西郷隆盛です。

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西郷の業績をたたえた小説やドラマは数多いので、小吉も吉之助も南洲も記憶に留めている人は多いはずです。

3つある名前の一つでも思い浮かべば正解出来る易しい問題でした。

明治維新で、あれだけ功績のあった西郷が西南戦争で明治政府軍に敗れ、明治10年に自刃して果てたのです。

正に、西郷隆盛は日本人好みの「悲劇の偉人」として日本の近代史に燦然と輝いています。

「号」とは学者や文人、画家などが本名の他に用いる名前で、この習慣も日本史での名前の記憶を混乱させています。

クイズ問題では勝海舟、山岡鉄舟、西郷南洲を並べて維新の3しゅうと呼ぶ問題もあったような記憶がありますが、何処で出されたのか思い出せません。

それよりも勝海舟が山岡鉄舟、高橋泥舟と並んで「維新の3舟」と評された時、「冗談じゃない。鉄や泥と一緒にするねえ!」と怒ったという話が、伝説として伝わっています。

日本の「号」という呼び名はややこしい文化ですが、これも「郷に入ればごうに従え」ですね。