アメリカ横断ウルトラ・クイズのクイズ問題は、日常の生活の中にある出来事から、盲点を探すと思わぬ発見があります。
或る時、クイズ問題制作者に「朝目覚めてから、夜眠るまでの習慣的な行動の中」から問題を作るように注文を出した事があります。
その時に作成された問題が、第14回のオレゴン街道で出題されました。
問・正式名称は「国民保険体操」。一般には何と呼ばれている?
答・ラジオ体操
解説 小学校時代に学校で習い、以来成人してからも、家庭や職場で延々と受け継がれているラジオ体操。
人によっては、毎朝の習慣になっている方も多いかと思います。
そもそもの成り立ちは、1928年に遡ります。
逓信省の簡易保険局と文部省の体育課、日本放送協会の3者が国民の「健康生活を増進」させる目的で開発したのだそうです。
老若男女を問わず、誰でも出来る事をポイントに考案したというだけあって、無理のないポーズが特徴ですね。
単に「ラジオ体操」は第1を指しますが、その後「ラジオ体操第2」「みんなの体操」とパターンは増えています。
毎日の生活習慣の中から「ラジオ体操」に着目したクイズ作家が、ラジオ体操の歴史を調べた結果、「国民健康体操」という意外性のある言葉を探し出したのです。
現在では日本各地で、ラジオ体操の会が自然発生的に出来上がり、国民みんなが楽しんでいます。
因みに、日本人の耳に聞き慣れた「ラジオ体操」の曲を作られたのは作曲家の服部正さんでした。
普段の生活習慣の中にも、この様な面白い発見があるのがクイズの大いなる楽しみ方と言えそうです。