お金に関する知識

 

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中で、クイズ問題の宝庫とも言えるのが、お金に関する知識です。

洋の東西を問わず、何時の時代でも人間はお金に興味を持ち、欲しがるのが自然の姿でしょうね。

最近もオリンピック招致で、日本が裏金を支払ったとの疑惑が発生。

また東京都知事の金銭疑惑がニュースで騒がしく取り上げられています。

何故か、日本の政治家に関しては、常に金銭疑惑が付いて回るのも、恥ずかしいと感じる国民が多いはずです。

それほど人々の関心を集めるお金ですから、クイズ問題の宝庫とも言える分野でもあります。

日本のお金は、日本銀行が発行する決まりで、当然厳しい法律的な制度の中で製造されています。

クイズになり易い項目を、大きく分類すると以下の様な範疇に分ける事が出来ます。

紙幣と硬貨に関して分けられますが、紙幣の方が分類は多くなります。

①肖像になった人物、②紙幣の表の図案、③裏の図案③サイズ、④偽造防止の技術、⑤現在発行されている紙幣、⑥発行はされていないが有効な紙幣、⑦すでに失効された紙幣、⑧損傷銀行券の引き換え基準、など多岐に亘ります。

硬貨の場合は、材質、目方、図案、裏表の違い程度でクイズ・ネタとしては単純明快で面白さに欠けます。

紙幣の肖像画に登場する人物に関しては数多くの問題が創られていました。

歴史上の人物、政治家、文学者、偉人と評価される人達など錚々たるメンバーが登場します。

我々の記憶に新しい紙幣では、聖徳太子、伊藤博文板垣退助、岩倉具視、新渡戸稲造、福澤諭吉どが思い浮かびます。

でも、その他に1,000円札の夏目漱石、野口英世。5,000円札の樋口一葉などが有りますが、忘れられる事も多いようです。

第14回のレイクミシガンで、次のような問題がありました。

問・「私は太平洋の橋になりたい」と言った、お札の肖像にもなっている人物と言えば誰?

答・新渡戸稲造

解説 新渡戸が札幌農学校を卒業後、東大文学部で学ぼうとした時「何のために英文学を学ぶのか?」と質問され、応えた言葉と伝えられています。

新渡戸は、明治、大正から昭和にかけて活躍した日本の教育者で、特に英文で書かれた「武士道」という著作が有名です。

伝記によれば「武士道」は世界の著名な政治家に読まれ、長い期間世界で読まれ続けたと記されています。

日本の紙幣に登場するくらいですから、勿論日本を代表する偉人には違いありません。

新渡戸稲造が紙幣に登場した時代に、話題の人物を調べ、クイズ問題になったという経緯があります。

偉人ともなると、入学試験の受け応えまでが、歴史に残るもので、この辺りが偉人たる所以でしょうね。

 

5月16日に因んだ問題

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には知って得する面白い知識が多数採用されています。

日本には「今日は何の日?」というほど、暦の上に記念日が設けられています。

その、多くが「月日の語呂合わせ」で創られる傾向にあります。

でも、他にも正確な理由が存在するため制定された記念日が有り、その辺がクイズ問題になっています。

第16回のサンタフェで出題された問題です。

問・5月16日は「旅の日」。この日は、ある人が旅に出た日に因んで作られたものだが、それは誰?

答・松尾芭蕉

解説 日本で最も有名な旅人は誰か? を推理すれば、正解を知らなくても答えられる問題でもあります。

芭蕉の旅は「奥の細道」で知られており、日本人なら学校の教科書で必ず習っている常識ですね。

元禄2年3月27日、当時46歳の松尾芭蕉は弟子の曽良を伴に、江戸の深川から旅に出発しました。

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当時の暦は陰暦で、現代の暦では5月16日に当たります。

各地で俳句を詠みながら、紀行文を書き、序文の一節は子供の時代に暗記した方も多いと思います。

「月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也」

松尾芭蕉の歩いたルートは、各地に記念の遺跡が建てられ、観光客を呼ぶ宣材として活用されています。

「奥の細道」では、出発地が江戸の深川で、岐阜県大垣市が旅の結びの地、この辺は押さえて置くべき知識と言えるでしょう。

この「旅の日」は元禄から300年後の1,988年に、日本旅のペンクラブの提唱で制定されたものでした。

松尾芭蕉の足跡を辿る俳句愛好家も多く、観光客誘致に貢献している芭蕉さんは、やっぱり並外れた偉人だったのですね。

思考の混乱を招く意地悪問題

 

メリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、単に知識の競い合いだけでなく、遊び心で挑戦者の思考を混乱させる目的もありました。

各種のクイズ形式は、遊びの心を強調させるために考案されたと言っても良いでしょう。

中でも毎回レギュラー的に行われたのが、バラマキ・クイズと言うスタイルでした。

砂漠や荒野などの広い場所で、空からクイズ問題をバラマキ挑戦者は走ってクイズ問題を拾って戻らなければなりません。

苦しい思いでやっと拾って戻ったのに、拾った封筒には「ハズレ!」と書いた用紙が入っている事もありました。

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また、挑戦者は走って戻るので、思考回路が鈍る事もあり、平静な状況なら簡単に正解出来る問題にも、答が浮かばないという事も我々の狙いに有りました。

例えば第4回のソルト・レイク・シティーで次のような問題がありました。

問・足の保護、歩行走行、労働能率などの向上の為の働をし、衣服とつりあった美観を保持し、足を包み込む閉鎖性の履物を何という?

答・靴

解説 冷静に考えれば、「履物」なので、靴か下駄か草履などが思い浮かぶでしょう。

しかも、閉鎖性とのヒントが有るのですから、正解の靴に辿り付くはずです。

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ところが体力を消耗し、精神的に追い込まれてしまうとこの様に冷静な判断が出来なくなってしまうのです。

毎回行われた「ばら撒きクイズ」では、こうしたややこしい日本語で、回りくどく説明した簡単な問題を用意していました。

でも、各学校のクイズ研究会の人達は我々の狙いを見抜いて、普段からこうした訓練をしていたようで、簡単に正解する事もありました。

キツネタヌキの騙し合い、ウルトラクイズにはそんな遊び心が随所にあふれた番組だったのです。

 

常識の盲点を探す

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、一般に常識と思われている中にも、時として盲点があります。

我々は、誰でも知っている常識の中から、盲点を探す作業をした事が度々ありました。

例えば、世界で最も知られた王族と言えば、イギリスのエリザベス女王でしょうね。

「エリザベス女王」の画像検索結果

他の国の王様の名前は知らなくても、エリザベス女王を知らない人は滅多に居ないでしょう。

でも、知っているようで知らない女王陛下の問題がありました。

第3回のハワイで出題されていました。

問・現イギリス女王は、エリザベス何世?

答・2世

解説 世界で最も有名な女王ですが、即座に2世と応えられる人は少ないというのが、クイズ選考会議で解りました。

我々は会議で、問題文を読み上げ出席者が答える形式を取っていますが、クイズ自慢のスタッフでも正解したのは極少数でした。

英国王室の情報は度々ニュース番組で取り上げられているので、家族構成には詳しい人も多いはずです。

でも、エリザベス何世か? は盲点だったのですね。

エリザベス1世は、16世紀から17世紀にかけて在位した女王様だったのです。

なお、現エリザベス2世は、1,953年に女王となり、今年の2月現在、在位65年でイギリス史上最長との記録を残しています。

また、イギリス以外でも、カナダ、オーストラリア、ニュージランドなど16か国の元首でもあります。

世界で最も有名な王族だけに、クイズのネタになり易いのは理解できます。

でも、プライバシーが覗かれるという点では御気の毒とも言えます。

中でも、ダイアナ妃がパパラッチに追いかけられた挙句の事故死も、世界史に残る悲劇と言えるでしょうね。

 

 

兵器も平和利用に

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、正解を聞いて考えさせる事がしばしばあります。

例えば原爆のような危険な戦争兵器も、平和利用の名目で原子力発電として利用されています。

その原子力発電にも、事故の危険性を含む賛否両論があって、社会問題になっていますね。

同じように、一方では危険でありながら、平和利用の道で注目されている事象がクイズ問題に有りました。

第14回のオレゴン街道で出題されています。

問・ノーベルが発明したのはダイナマイト。では、それよりも20年前に、イタリアのソブレロが発明した爆発物「三硝酸グリセリン」とは何?

答・ニトログリセリン

解説 ソブレロ自身がニトログリセリンの爆発性があまりにも激しいので、使い物にならないと考えていました。

でも、ノーベルが爆発原料としての用途を確立、ダイナマイトの発明に繋がったのです。

「ダイナマイト」の画像検索結果

ダイナマイトで大儲けしたノーベルの工場で、ニトログリセリンを原料に爆薬を創っていた工員の間で奇妙な現象が起こったのです。

工場で働いていた多くの狭心症患者が、勤務中は症状が治まっているのに、自宅に帰ると発作が起こるという現象です。

これに関して医学者が研究したところ、ニトログリセリンには血管の拡張作用がある、との発見をしたのです。

ニトログリセリンの発明ダイナマイトの発明狭心症の薬の開発、と繋がるまでには多くの時間が経過しています。

でも、ダイナマイトという危険な爆薬が、薬の開発まで連鎖で繋がっている、化学の凄さが解ります。

一問のクイズ問題で、ここまでは説明出来ませんが問題の裏を調査していると、こうした事実を発見する事があるのです。

今だから話せる裏話、本日は問題調査の段階で発見した思わぬ連鎖のお話でした。