アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、知識の奥行きが深いほど、正解率が高まります。
知識を広める手段の一つに、出来事の源流を辿るという方法がありますね。
例えば人物を知る場合、出身地や家系、先祖、本人の経歴を辿るのが一般的な調査方法でしょう。
その第一が母親は誰か? から調べるのが、効率的な進め方かもしれません。
と、なると兄弟は誰か、人物の周辺が見えてきます。
さて、偉人を生んだ母親で、世界で最も有名な女性は誰? と聞かれた場合、キリストの母を挙げる人は多いと思います。
母親がマリア様で、生誕の様子は旧約聖書で詳しく伝えられている通りです。
では、世界4大宗教で、他の宗教の開祖に関して、その母に関する知識は如何でしょう?
日本人の多くは、宗派は別にして「仏教徒」が多いはずですが、開祖であるお釈迦様に関して、どの程度の知識があるのでしょう?
我々はこれを、日本人の知識の盲点と考え、クイズ問題を創って見ました。
第5回のエルパソで出題された問題です。
問・キリストの母はマリア。ではお釈迦様の母の名は?
答・摩耶夫人(まやふじん)
解説 仏教の熱烈な信者、或は住職なら当然承知している知識でしょう。
でも、普通の日本人の場合、この問題は盲点であろうと我々は考えました。
摩耶は梵語で、「幻の意」の音写で、摩訶摩耶と尊称されると辞書には書かれています。
王の妃で、釈迦を生み、七日後に没したとの伝説が残されています。
我々は、クイズ問題の担当者として、挑戦者の盲点を探す作業も行っていました。
難問の狙いは「えっ、こんな事も知らないの」とクイズマニアの優越感を満足させる「番組の味付け」だったのです。