プロ野球の歴史的出来事

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返って見ると、時代の流れを感じます。

クイズ問題は常にその時代を感じる旬の問題を第一に考えていたので、当然懐かしい出来事を思い出します。

最近のプロ野球で、日本ハムの大谷翔平選手が今季終了後ポスティングシステムで、メジャーリーグ行きへの意思を固めました。

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大谷選手は投打の二刀流で大活躍、DH選手としても注目されていました。

DHシステムとは、何時の時代に日本のプロ野球に導入されたのか? これを問う問題がありました。

第7回は42年前で、次のような設問でした。

プロ野球パ・リーグで実施されている指名代打制。アルファベットふた文字で何という?

答・DH(Designated   Hitter の略)

解説 1,973年にアメリカン・リーグで採用されたのが最初の事でした。

日本では1,975年からパ・リーグで、導入され現在に至っています。

野球選手は子供の頃から、身体能力の高い子供が投手になるのが一般的です。

少年野球に限らず草野球でも、投手は打者としても活躍するので、チームの中心選手になります。

しかし、高校野球やプロ野球では、投手に専念させた方がチームの為になるとの考えがありました。

つまり、投手は1人で体力を使うのに対し、野手は8人が代わる代わる役目をするので、投手の体力を保存した方が得策との考えです。

極端な話、投手は打撃練習など不要、との意見を述べるコーチもいたそうです。

でも、大谷選手は2,016年7月、対ソフトバンク戦で1番投手で先発出場し、1回表に投手登録選手としてプロ野球史上初の、先頭打者ホームランを打っています。

やはり、彼は並外れた身体能力を持った、天才選手なのですね。

来年、若しメジャーへ移籍出来るなら、その後の活躍が大いに期待出来そうで、ファンに取っては楽しみです。

サッカーの人気に押され勝ちなプロ野球ですが、久々の大スターの出現で、ファンも元気になりそうですね。

 

 

 

 

 

諺の有難い真実

アメリカ横断ウルトラクイズの問題は、日本人としての常識を問う問題が多数ありました。

昔から伝わる諺は、昔の賢人が生活の中で体験した事、或は経験で子孫に伝えたい思いを残した言葉です。

祖父母や両親からの口伝えで、教えられた人が多く、その中には物事の真実が潜んでいる事が多いのです。

第12回のパシフィカで、諺の問題が出題されています。

問・「千に一つも仇がない」と言われるのは、親の意見と何?

答・なす(なすび)

解説 「親の意見と茄子の花は、千に一つも仇がない」茄子の花は、咲くと必ず実ります。

親が子供に忠告する事は、必ず役に立つので良く聞きなさい、との戒めの諺です。

そういえば今年の夏は雨が多く、野菜が高値を呼び多くの主婦が悲鳴を上げていました。

そんな中で比較的安定していたのが茄子の値段でした。

ハウス栽培では、人工的な光線で確実に実るため、他の野菜に比べ安定していたようです。

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尤も、近年ではハウス栽培が多く、野菜の季節感が薄れる時代ですが、でも季節が旬の野菜が良いですね。

秋には栗やキノコ類が旬で、栗ご飯、松茸の土瓶蒸しなどが恋しい季節です。

季節毎に、旬の食材があるのも日本の大きな特徴と言えるかも知れません。

それを目当ての外人観光客が多いのも現実で、改めて日本に生まれた事に感謝したい昨今です。

つまりは、食い意地が張っているということでした。

全国にある妖怪の話

アメリカ横断ウルトラクイズの問題は、基本的に日本人としての常識的な知識が出題されています。

昔から、人々は不思議な出来事や噂を好む傾向があり、テレビでもこの種の番組は多く創られていました。

第8回のサンフランシスコで、この種の知識を問う典型的な問題が出されています。

問・民俗学者柳田国男が「遠野物語」の中で書いた旧家の奥座敷などにいると言われる小さな妖怪とは何?

答・座敷童(ざしきわらし)

解説 岩手県を中心に、東北地方に伝承されている子供の妖怪で、旧家の奥座敷にいると伝えられています。

悪戯好きで、遊んで欲しいのか子供を相手に悪戯を仕掛けるのが特徴です。

顔は赤ら顔で、オカッパ髪、男女共に着物姿というのが全体像です。

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座敷童を見た人には幸運が訪れ、愛すべき存在として認知されているのが一般的と言えるでしょう。

同じような伝説は全国各地に散在し、例えば山梨県の「お倉坊主」。石川県の「マクラガエシ」。香川県の「オショボ」なども座敷童の仲間とされています。

SNSで、様々な情報が流れ、外人観光客にも人気があり中には必ず会える宿等、怪し気な情報もあります。

日本人なら「幽霊の正体見たり枯れ尾花」を知っているので、こんな嘘には騙されません。

でも、お化け大好きな外人観光客は、引っ掛かるかも知れませんね。ご用心!

そんな外人に、愛すべき妖怪の話として、座敷童のお話を説明して欲しいものです。

不思議、或は怪奇現象大好きな日本人なら、知って欲しい常識的な「座敷童」の簡単な知識のご紹介でした。

 

番組の成熟期は?

アメリカ横断ウルトラクイズの問題を振り返って見ると、番組の成長の度合いが解ってきます。

今から凡そ40年前の昭和52年、第1回予選会が開かれた時にはたったの400人が、後楽園球場に集まりました。

勿論、球場を借り切る程の予算も無く、巨人軍の練習風景を見ながらスタンドでの撮影でした。

当時はON砲が現役時代で、特に王貞治選手のホームラン世界記録が達成されるか? 連日スポーツ紙を飾っていました。

王

その、王選手達の練習を見ながらの第1次予選だったので、挑戦者には格別の思い出になった事でしょう。

因みに、756号の達成は、この年の9月の事で関連問題は多数出されています。

第1回が話題になったため、翌年には我々も水道橋の後楽園球場を借り切って球場を走りながらの予選でした。

以後、右肩上がりで挑戦者の数も増え、第7回には1万人に達成したのです。

これは、放送上の数字で、実際はパスポートの取得、1カ月間の休暇が必要など、細かい制約がありました。

参加希望者も、こうした規約が取れず、泣く泣く諦めた人も多かったと推測できます。

さて、この第7回は視聴率的にも過去最高、34.5%との驚異的な数字を出し、番組の熟成期とも言えます。

こうなると、我々スタッフも更なる進化を狙い、あらゆる可能性を検討したのです。

空中でのクイズは不可能なので、水中でのクイズはどうか? 冗談のような企画が真剣に討議されました。

それが実現したのは、翌年の第8回。バハマでの海底早押しクイズでした。

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世界初、しかもカメラマンは全員スキューバーの訓練をし、免許を取得しての撮影でした。

挑戦者は普段と同じように、大きなスーツケースを携えて海底に勢揃い。珍妙にして印象的な姿。

こうしたクイズも成熟期ならではの成果だったのです。

翌年は決勝の地をニューヨークからパリへ移動など、アイディアはエスカレートしていきました。

北極圏から南極圏まで南北アメリカ大陸縦断、第12回の突飛な企画も、この時代の会議で出された案でした。

アメリカ横断ウルトラクイズは、記録よりも記憶に残る番組を! これが企画の基本的狙いでした。

当初の目標を達成できたのは、第7回、8回の成熟期があったからだと思います。

 

消えて行く古い日本語

アメリカ横断ウルトラクイズの問題には、様々な知識が設問になっていました。

問題の中には「言葉」という分類があり、新しい言葉、逆に消えゆく古い言葉がクイズになっていました。

言葉は昔から、人々が使わなくなった古い表現は死語と呼ばれ、消えゆく運命なのですね。

でも、お年寄りの中には古い言葉を懐かしがり、大切に守る方々がいるのも事実です。

我々は老いも若きも、家族みんなで愉しむ番組を基本にしていたので、お年寄り向き問題も創っていたのです。

第5回のテオティワカンで、次のような問題がありました。

問・お酒を飲めない人を下戸と言うが、では大蛇が獲物をゴクリと飲み込むところから大酒豪に付けられた呼び名は?

答・うわばみ

解説 大蛇、又の呼び名をオロチ。

日本神話の時代から、八岐大蛇(やまたのおろち)をスサノウノ尊が退治しました。

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この尾の中から出てきた剣が、三種の神器の一つである、とのお話は、日本人なら知って欲しい神話です。

とは言え、うわばみの単語を「大蛇」と素直に理解する日本人の年代は、年々少なくなっているでしょう。

古い言葉や方言が死語となって消えて行く、昔からお年寄りが例外なく味わった悲哀の一つでしょう。

人は誰でも、例外なく確実に歳老いて行く! これは身分に関係なく公平です。

だったら、愉しく健康が一番。自戒を込めた願いです。