アメリカ横断ウルトラクイズの問題は、千差万別あらゆる分野の知識を目標に作られています。
その中には日本史、世界史など歴史の問題も多く含まれていました。
現代では世界も狭くなり、地球の裏側の出来事も瞬時に伝えられる時代になりました。
では、日本が世界に知られるようになったのは、いつ頃のことだったのでしょう?
それが解る問題が、第6回のバーストウで出されていました。
問・日本を最初に西欧に紹介した書「東方見聞録」を書いたマルコ・ポーロはどこの国の人?
答・イタリア(ベニスでも可)
解説 彼はベニスの商人で、東方見聞録は1,298年に書かれた著作であると言われています。
今から700年以上前の事で、その時代には日本という国が東方にあること自体知られていなかったのですね。
尤も、中国は自称3,000年の歴史と言いますから、中国までは西欧の人達は知っていて、その先に日本があるとはご存じない。
しかし、ジパング(日本)は黄金の国との噂はあったようです。推測するとマルコが中国で仕入れた噂を書いたためでしょう。
その時代に「金閣寺」や奥州藤原家の中尊寺・金色堂は存在していたので、黄金の屋敷といった噂を書いたのでしょう。
詳しく述べれば、中尊寺は初代清衡公によって、1,124年に建てられた寺院です。

中尊寺創建当初の姿を、未来に伝える建造物の模型が金色堂であり、極楽浄土の様子を想像し、当時の工芸技術が集約された作品なのですね。
一方、京都の金閣寺は14世紀の人間、3代将軍足利義満が建てたとの事は歴史の時間に習った常識です。
将軍さまが権力を示すために、派手な建物を好むのは人情として理解出来ます。
金箔を貼った3層の楼閣建築で、上品な趣味とは言い難く、でも成り上り者が好みそうで権力の象徴の効果はあった事でしょう。

日本では、権力者が金箔の御殿に住んでいる、この様に誤解した噂が、真しやかに流れたのでしょう。
西洋人が日本という国を相手に、一山当てようと考えるのは自然の成り行きかも知れません。
ヨーロッパでは、15世紀から16世紀にかけて海外進出が始まり、これを大航海時代と呼んでいます。
コロンブスもマゼランもこの時代に、新しい世界を求めて航海に出て、新大陸や世界一周の偉業を成し遂げたのですね。
大航海時代に金が豊富な日本を目指して、コロンブスのように船出したようです。
種子島に鉄砲が伝わったのが16世紀ですが、この船も日本を目指してやって来た商人達で、目的は同じでしょう。
今でこそ日本は金満国家と呼ばれていますが、世界で知られた時から、すでにその兆候はあったのですね。
でも、一般の庶民がそんな気分になった時代があったのでしょうか?
待てよ「オレオレ詐欺」に騙されたり、豪華列車の旅が流行ったり、今こそ金満国家なのだぁー。羨ましい…。