思わず笑える問題があった

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、時々意表を突いたような問題が出されます。

意表を突くは「突飛な」という意味もあり、挑戦者は「若しかすると有り得る」「否そんなはず無い」の二通りに分かれます。

我々はこの分れ方が、五分五分になるような問題を創り、出題していました。

しかも、勝っても負けても「笑いが後々まで」残る問題こそ価値ある問題と考えていました。

第7回のグアム、泥んこ○×クイズ問題の中に思わず笑ってしまうような次の問題がありました。

問・勝海舟は、子供の頃の名を、勝新太郎といった。〇か✖か?

答・✖

解説 勝海舟は日本人なら誰でも知っている、維新の英雄です。一方の勝新太郎も、現代人なら知っている人気俳優でした。

この二人が、子供の時代に同姓同名だったら面白い発見であり、話のネタとしては恰好の題材ですね。

しかし、残念ながらそのような偶然は無かったのです。勝海舟は何度も名を変えていますが、子供の頃は麟太郎が有名です。

幕末には安房守。維新後は「号」で海舟と名乗っています。

それにしても、二人は天衣無縫な性格で、別の表現では「天真爛漫」で、人々に愛される類似点があります。

生きる時代こそ違いますが、功成り名を遂げるという意味では共通しており、似たような運命と言えるでしょう。

本日の裏話は、思わず笑えるクイズ問題の中から、年月を得ても未だに笑える典型的な問題をご紹介しました。

勝新太郎さんは、私生活でも笑えるエピソードが多く、癌で入院中の記者会見で「一服してもいいか?」と煙草を銜えました。

実に愛すべき行為で、これこそファン・サービスだったのです。惜しい人を亡くしたものでした。

天国でも、相変わらずの調子で周囲を楽しませている事でしょう。座頭市は時代劇の名作でした。ご冥福を祈ります!

 

徳川将軍の人気者は?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、日本の歴史に関する問題が時々出されていました。

日本人ですから自国の歴史を学び、、それを常識として身に付けているべきでしょう。

とは言え、歴史上の細かな年表を記憶するのは大変な努力が必要です。

クイズの知識として、是非とも知って欲しいのは、鎌倉時代から始まって室町時代、江戸時代などの将軍の業績が大切です。

どの将軍が残した「偉業」逆に「失策」は歴史に残る出来事なので、知識として押さえて置くべきでしょう。

特に徳川家康から始まった「江戸時代」は、264年続いた長い政権で、将軍の数も15代と多かったのです。

従って、その将軍達の在位中の出来事を記憶して置けば、歴史に詳しいとして勝ち進む確率は高まります。

そこで、徳川時代の将軍に関する知識を測る典型的な問題をご紹介しましょう。

第7回の後楽園球場で行われた、第一次予選の二問目に出された問題です。

問・徳川十五代将軍の中で、一番長生きしたのは、家康である。〇か✖か?

答・✖

解説 家康は日頃から健康に留意し、長生きをした人物として知られています。

実際には七十五歳まで生き、十五代将軍の中では二番めの長寿でした。

一番の長生きは、十五代の慶喜で明治維新の後、大正二年まで長生きし享年七十七歳でした。

因みに、一番早死にしたのは第七代将軍「家継」で、八歳で亡くなっています。

この後を継いだ八代将軍が、時代劇でも大活躍する徳川吉宗でした。彼は家康の曾孫で、徳川御三家の紀州藩主でした。

元々は兄弟も多く、藩主になるはずでは無かったのですが、父と二人の兄が亡くなり紀州藩を継いだのです。

そんな折、第七代「家継」の早逝で、徳川御三家の中から江戸幕府の第八代将軍に抜擢されたのです。

彼は、信頼する部下大岡忠相と共に、江戸の火事を減らそうといろは四十八組の街火消を組織。

時代劇ドラマ、「暴れん坊将軍」ではめ組の辰五郎と組んで大活躍しましたね。

実際のめ組の辰五郎は、喧嘩大好きで相撲の力士と大喧嘩を繰り広げ、江戸歌舞伎の演目となりました。

この話が語り継がれ、昭和の時代に「暴れん坊将軍」のモデルになったと伝えられています。

実物の吉宗は「享保の改革」を実行するなど名君と称され、息子の家重に将軍の座を譲った後も大御所として権力を維持。

数々の業績を残し、十五代将軍の中でも後世に名を残したという意味では、特別な存在感と言えるでしょう。

本日の裏話は、徳川幕府の十五代将軍の中での人気者に関して、そのエピソードの一端をご紹介しました。

昭和の時代には、テレビで人気の時代劇が沢山あり、毎週楽しみにしていた方も多かったですね。

「水戸黄門」「銭形平次」「鬼平犯科帳」「子連れ狼」東山の金さん」数々のシリーズがありました。

でも、今ではその数も減少。時々リバイバルの時代劇を見ようとすると「古臭いドラマはやめて~」の声がかかります。

年配者にとっては楽しみも少なくなりました。老若男女問わず楽しめる番組はやっぱりクイズ番組ですよね~。納得!

 

 

 

恐いもの第3位は?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人が知っているべき常識を問うクイズが中心でした。

常識の中でも、上、中、下の3段階に分かれ、上の中には法律的な知識も含まれており、結構「難問」の問題が含まれます。

では、どの程度が「難問」と言われる問題か? 例題を上げてご紹介しましょう。

第8回のサンフランシスコで出題された、次の問題です。

問・消防署で火事の燃えた程度を表す言葉は三つ。「全焼」「部分焼」ともう一つは何?

答・「半焼」

解説 火事は日本人の怖いものの3番目に当たります。地震、雷、の次が火事で、江戸時代には多くの「大火」がありました。

いろは48組の「街火消」が、大活躍したのは時代劇や歴史の時間で学んだ知識と言えます。

現代では、家屋の焼けた程度によって、火災保険の保証も大きく変わるので、法律的に3段階に分かれています。

建物の七〇%以上が消失したのは「全焼」との判断です。この場合は保険も満額保証されるので、審査も厳しいでしょう。

中には、保険金目当ての「放火事件」も時々ニュースになり、ワイドショーなどで取り上げられています。

正解の半焼は、二〇%以上で七〇%未満のことです。これは隣家からの貰い火などが多く、とんだ災難と言えます。

また、二〇%未満、又は建物の収容物が焼けた場合は「部分焼」と呼ばれるのです。

一般に小火(ボヤ)と呼ばれる火災も「部分焼」に含まれているのです。

処で、「平成30年度の消防白書」から火災の原因を調べると以下の順位になります。

1位 たばこの不始末。不適当な場所への放置で、昔から注意されている「ポイ捨て」ですね。

2位 放火。この多くは精神異常者の犯罪で、連続放火の例が多く地域のパトロール強化で防ぐしかありません。

3位 コンロ。なんと原因の大多数が「消し忘れ」だそうで、ウッカリとの気の緩みが原因なのだそうです。

昔からの諺、「災難は忘れた頃にやって来る!」。タバコのポイ捨ては言語道断! コンロの消し忘れもご用心ですね。

本日の裏話は、火災に関するクイズ問題から、原因の第1位が昔ながらの「タバコのポイ捨て」との事が解りました。

この連中って、本当に進歩が無いんですねえ。馬鹿もーん!と声を大にして叫びましょう。反論出来るわけないですよね~。

 

今日は何の日?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人としての一般常識があれば、高い確率で正解出来るようになっていました。

常識的な知識と、シャレや冗談などを理解する人はさらに先へ勝ち進む事が可能です。

その様な人なら、確実に正解出来る問題が第12回のカンクンで出されていました。

問・桃の節句と同じ日に、語呂合わせで設けられたのは何の日?

答・耳の日

解説 「桃の節句」は3月3日。これは一般常識と言えるでしょう。お雛様を飾って女の子を祝う日ですね。

3月3日の語呂に合わせて、「ミミ」の日が正解でした。

これは、聴覚障害の予防と治療の徹底を趣旨に昭和31年から実施されています。

同じように、8月8日はパチパチで「そろばんの日」のように語呂合わせで、同好者が記念日を制定するのが流行りました。

そう言えば日本には昔から「記念日」と呼ばれる日が多く存在しました。元旦、成人の日、建国記念日などがお馴染みですね。

これらは「国民の祝日」と呼ばれ、法律で決められていて、学校などは休みとなります。

祝日には、国旗を揚げ「旗日」と称して休養を取る、このような習慣に馴染んでいた日本人も多い事でしょう。

カレンダーを見ると、6月を除くすべての月に「国民の祝日」があり、それでも西欧の先進国に比べると休日が少ない国なのです。

高度成長期の頃、日本人は働き過ぎで「エコノミック・アニマル」などと陰口を囁かれていたものです。

経済的な利潤ばかりを追い求める動物との意味で、焼き餅を焼いた貧困国の妬みと、当時は笑って聞き流していたようです。

「今日は何の日」との雑学辞典も出ているようなので、毎日これをめくっていると話のタネには困りません。

でも、「そんな薀蓄聞きたくない!」と周囲に嫌われる危険性も大アリです。だからホドホドにしましょう。

本日の裏話は、休日と祝日のクイズ問題から、今は日本も結構お休み日が多い事が解りました。

コツコツ働く蟻さん派か? 怠けて遊ぶキリギリスだーい好き!この2者択一、人間の生き方としてどちらも難しいですね~。

自由の女神問題の産みの苦しみ

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題と言えば、ニューヨークの女神に関する問題が第一問目であると決まっていました。

ウルトラクイズは17回行われていますが、その中で第1問目がニューヨークの女神との問題は14回でした。

ニューヨークを決勝の地として、目指す番組なので、その象徴的な「女神さま」を問題にするのは当然の成り行きでしょう。

では、第一問目を「女神さま」として出さなかったのは? 第一回、第3回と第9回でした。

その理由、第1回と3回はまだ、ニューヨークの女神に関する知識が広まっていなかったので、別の知識を測ったのです。

第1回は上野動物園にパンダがやって来て、第人気だったのでその名前に関する問題。

第3回は、当時の人気番組の知識から次の問題でした。問・水戸黄門は徳川家康の孫である。〇か✖か?

答・〇

解説 当時の人気時代劇の主役、黄門様は家康の十一子頼房の第三子で幼名を千代松と呼ばれていました。

時代劇では助さん、格さんなどのお供を連れて、全国を旅しながら悪を退治するヒーロー爺さんでした。

第9回は決勝地がフランスのパリでしたので、その象徴 問・エッフェル塔には正面は無い(正解〇)との問題でした。

話は戻って、自由の女神が第一問目になった当時は、実に簡単な問題でした。

問・自由の女神がたいまつを持っているのは左手である。(正解✖)であったり、問・自由の女神は石で出来ている。

銅像ですから金属の銅製なので、(正解は✖)との誰でも解るような簡単な問題でした。

それが、難しい問題になったのは「自由の女神」に関する情報や書籍が多数で回った為です。

これで、苦労をしたのは問題を創るクイズ作家の皆さんだったのです。

たった一個の銅像にまつわる事柄なので、本などで紹介された事のない極秘情報から創らなければなりません。

何故なら、本やパンフレットなど印刷物で紹介されたものから創った場合、挑戦者の中にそれを持つ人がいたら?

そうした情報はアッという間に、東京ドームの観客席を駆け巡り正解発表前の緊張感が消えて無くなってしまいます。

挑戦者が味わった、あの興奮も熱気もそがれてしまう危険性があるのです。

そうした厳しい条件下で、毎年300問近い自由の女神に関する問題が創られ、その中で採用されたのがあの一問目だったのです。

だからこそ、問・除幕式に招待された日本人が居たか? 問・女神はアメリカ大統領から名誉市民の称号を受けている?

正解はいずれも✖で、このようにクイズ作家の皆さんの発想で問題は作られていたのです。

本日の裏話は、挑戦者の一番の関心事だった自由の女神に関するスタッフの苦労話のご紹介でした。

世界の自由を象徴する女神像として、世界中を見守っていた「自由の女神様」

古い話で恐縮ですが、2,001年の9.11の同時多発テロの際は女神様も標的になると噂され、島への立ち入りも禁止されました。

勿論、現在はアメリカの世界遺産でもあるので、相変わらず観光客が毎日訪れる人気スポットです。

ウルトラクイズの象徴と言えば「ニューヨークの自由の女神」。テレビ番組は消えましたが女神様は永遠に不滅で~す。