アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の一般常識を基本に創られていました。
一般常識の中にも、上・中・下と難易度を分けると下は小中学生でも解る問題、中は常識的な成人、上は難問と言える問題です。
クイズは先へ進むにつれて、難問が多くなります。即ち強い挑戦者が残る訳で、高度の戦いになるための作戦でした。
従って、各回共に決勝戦ともなるとクイズの「名人戦」とも言える位の難問対決になりました。
第8回は番組史上で、印象に残る強者の対決になりましたが、その問題をご紹介しましょう。
問・鱈を三枚におろし、頭、背骨などを除いて日干しにしたものを何という?
答・棒鱈(ぼうだら)
解説 干鱈(ひだら)、開鱈(ひらきだら)、掛け鱈(かけだら)など地方によって呼び名は変わります。
全国的には棒鱈が標準語として通用しています。
鱈は北半球の寒い海に棲息し、日本近海ではマダラ、スケトウダラ、コマイの三種類が獲れ、冬が旬の魚です。
鱈は今が丁度「旬」の魚ですから、切り身を鍋に入れて鍋料理を楽しむご家庭も多いでしょうね。
一方「棒鱈」は、マダラの干物の事で日持ちしない鱈を流通させるために、昔から干して保存食として食べていました。
漁期は十二月~二月で、昔は風の強い地方では寒風干しの後に天日干しで乾燥させるなど手間がかかりました。
現代では、機械を使い短期間に製品に仕上がるので、漁師さんの手間も取らず多くの家庭で愛される食品になりました。
例えば「棒鱈の甘露煮」「旬の野菜との煮つけ」など、各家庭に伝わる自慢のレシピがSNSで多数紹介されています。
但し、棒鱈は硬いので、ゆっくりと水で戻すなど手間と時間がかかりレシピも多数あるので参考にして下さい。
本日の裏話は、今が旬の魚「鱈」の日干しのクイズ問題から、鱈の保存食として食べ方のお話でした。
鱈と同じ冬が旬の魚にニシンがありますね。サイズは鱈の方が大きく、鰊は30cmほどで小形です。
鱈の卵は「たらこ」で、明太子として愛用者も多いです。また鰊の卵は「数の子」としてお節料理には欠かせません。
又、棒鱈に対抗して鰊の干物も「身欠きにしん」として、昔から日本人の愛用食でした。
今日は北海の「旬の魚」鱈と鰊のお魚談義になってしまいました。そう言えば、最近は不漁の話が多いですね。
サンマの不漁で、今年の秋は値段も高級魚並でしたね。昔は鰊が大漁で各地に「鰊御殿が建った」との話も伝えられています。
魚の話だけに尾ひれが付いたのか? 不漁は困ったもので~す。