現地の人たちの生活を知る

メリカ横断ウルトラクイズは、単にアメリカの中を移動しながらクイズをやるのが目的ではありません。
欲を言うならば、現地の人たちの生活を紹介しながら、その中でクイズが楽しめれば、これに越した事はありません。
えば第7回の時に、カナダのバンクーバーで現地の木こりの皆さんをゲストにむかえ、クイズを行いました。
この地に住む木こりの皆さんは、口では表現出来ないような優れた特技を持っていました。
例えば、高さ30メートルの樹のてっぺんまで登って、下に降りて来るまでの時間が、わずか40秒という素早さです。
また、1日に70本から80本もの大木を切り倒す仕事を毎日続けています。

↓木こりのコンテスト

lumberjack2

た、そのような木こりのプロですから、鋸を上手に使って、瞬時に椅子などを作ってしまいます。

↓木こりのコンテスト

lumberjack1

のような、現地の皆さんの特技を紹介しながら、それをクイズ問題として採用するので、見ている方も楽しみながら番組を進行させることが出来るのです。
たちは、面白いクイズ形式を考えるのが仕事でしたが、それ以上に面白い特技を持っているゲストを探すのも重要な役目と心得、常に情報の網を張っていたのです。
た、バンクーバーで木こりの皆さんの特技を拝見し、その場で敗者復活のアイディアを作り上げた事もありました。
実は敗者は1名の予定だったのに、なんと5名の人達が失格してしまったのです。
そこで、急遽敗者復活のゲームをしなければならなくなりました。
その方法は、木こりの皆さんと同じように、丸太を切ってもらうことにしたのです。
それも、自分の体重の分だけ丸太を切り離すという作業です。
丸太にして自分の体重がどのくらいの量か、これは結構難しそうです。
皆さん大体10kgくらいの差が出ていましたが、1名の女性が何と26kgもオーバーして失格となったのでした。
「タダだとどうしても多めに取ってしまう」

素晴らしい言い訳でした。
のように現地の皆さんの生活を番組の中に反映させながら、進行出来れば理想的なのですが、毎回理想のゲストを探すのは至難の業でした。
のようにインターネットが発達していれば、ネットで募集することも出来たのでしょうが、あの時代はまだまだ、情報の伝達が遅かったので、時代の変遷を感じてしまいます。
いま、このネット時代にウルトラクイズがあったら、どんな内容になったのでしょうね。
少なくとも東京ドームの第一問は成立しないような気がいたします。

ウルトラクイズが実現出来なかった場所

メリカ横断ウルトラクイズは、アメリカの名所旧跡はほとんど訪れているといっても過言ではありません。
とはいえ、ロケハンはしたものの実現出来なかった場所も沢山ありました。
中でも惜しかった場所があります。
テネシー州最大の都市、といえば「なるほど」と気付かれる方も多いと思います。
ミシシッピー川の流域に位置するメンフィスにその場所はあります。
ンフィスはアメリカ開拓の時代から、綿の出荷地として有名でしたが、それ以上に世界的に名が知れ渡ったのは、エルビス・プレスリーの出身地としてでした。
今もプレスリーが住んでいた屋敷はそのまま残されていて、「グレイスランド」と呼ばれる観光地になっています。
↓グレイスランド

Graceland

年、1年間に60万人以上のファンが訪れるそうで、これは個人の家としては世界一と言う事で、ギネスブックにも登録されています。
勿論、これほど有名な場所ですから我がウルトラクイズの会場として、何としても実現したいと思いました。
れには、まずロケハンをしなければなりません。
ロケハンで驚いたのは、単なる豪邸というイメージではなく、邸宅の前にプレスリーの博物館が建てられていて、そこには彼が愛用したジェット機が2機展示されていました。
また彼が愛用した車、オートバイなども、数々飾られていたのです。

Graceland2

の居間や寝室、バールームなども全て開放されていて、ステージで着用した衣装も展示されていました。
庭のプールサイドには、彼のお墓が建てられていて、1年中火が点されているのだそうです。
おそらく世界中でこれ程までの豪邸はそうないでしょうが、この場所をクイズ会場に出来なかったのは、多分許可が下りなかったためではないでしょうか。
それにしても、プレスリーというミュージシャンは本当に偉大な存在だったんですね。

↓グレイスランドの門

graceland_gates

高地での宿泊は要注意

メリカ横断ウルトラクイズでは、ロケハン、ロケを通じてあらゆる場所に行きました。
素晴らしい景色、雰囲気が最高、などまた行って見たい場所も沢山ありますが、もう結構!と思えるような場所も幾つかありました。
そんな一つをご紹介したいと思います。
れは確かロッキー山脈の高地に位置した別荘地として知られる街でした。
辺りの景色は、高原の都市といった洒落た雰囲気が漂っています。

↓ロッキー山脈

rocky-mountains

にはスキー客が沢山集まると言う情報もあって、何となくスイスを思わせるようなレジャー感覚の漂う街でした。
標高は千数百メートルと聞いていました。
山の中にあるわりには、平地に飛行場があって、普段でも中型や小型のプライベート機が沢山駐機していました。
聞けばこの地は別荘地なので、全米から週末になると休暇でやってくる人達が多いのだそうです。
達は、スイス山小屋風のホテルに宿泊しました。
其の日は何事も無く、夕食の後は軽くお酒を飲んで、明日のスケジュールを打ち合わせて早めに眠りました。
ところが、夜中になってから頭痛が酷くなって、ゆっくり眠ることが出来ませんでした。
風邪でもひいたかな、と思いながら快眠も出来ず、朝早く目覚めてしまいました。
まずは歯を磨こうと思って、洗面台に向かい、鏡を見てびっくりしました。
なんと自分の顔が他人のようにまん丸に膨らんでいるではありませんか?

「えっ!オレはこんな丸い顔をしていたか?」

自分でも仰天するほど人相が変わっていたのです。
びっくりして歯磨きのチューブを見ると、チューブもぷっくらと膨らんでまん丸に太った状態でした。
ホテルの係り員に訪ねると、笑いながら

「気圧の関係ですよ。まったく心配ない」

と問題にしてくれません。
それを聞いて多少は安心しましたが、頭痛はその後、半日くらい続き、顔の膨らみもやがて収まりました。
高地の山小屋などに泊まった経験者は、同じようなことを体験する事があるそうで、こうした知識は旅の常識なのかも知れませんね。
結局この回にはツインレークスと言う村でトマト戦争というイベントがらみのクイズをやりましたが、宿泊は標高の高いところは避けて、平地のホテルにし、みんなの健康を守る事に専念しました。