アメリカ横断ウルトラクイズは、罰ゲームの面白さも番組の売りになっていました。
だから、我々はロケハンでも面白い罰ゲームの材料を探す事もしていました。
第15回でオーランドをロケハンした時の事です。
オーランドには東のハリウッドと呼ばれる、ユニバーサル・スタジオがありました。
子供達だけに限らず、大人でも充分に楽しめるワンダーランドです。
ここには、人々の夢を叶えてくれるアトラクションが、わんさか詰まっている、巨大な遊園地なのです。
東京ドームの凡そ35個分という広いスペースに、過去の名画のセットや人物が配置されたスタジオがあります。
訪れた観客を、この映画の世界に引き込んでしまうという不思議な空間なのですね。
日本でも大阪にユニバーサルスタジオ・ジャパンが出来ましたので、細かい説明は省略しますが、このスタジオを初めて見学した時の驚きは相当のものでした。
いわゆるカルチャー・ショックというヤツでしょうね。
この場所をクイズ会場に使えるならば、面白い事が幾らでも出来そうな予感がしたのです。
そこで、交渉してみると、ウルトラクイズをこのスタジオ内で撮影する事を了承してくれたではありませんか。
我々は、この夢のような国を隅々まで見て廻りたいという意味で、恒例になっているマラソン・クイズ行う事にしました。
でも、「何でユニバーサル・スタジオで、マラソンなの?」という疑問が沸いて来るはずです。
それに答える意味で、ここでの出題は全てショー・ビジネスに関するクイズ問題にする、という事で、視聴者に納得してもらう事にしたのです。
罰ゲームの為に、スタジオで活躍するスタントマンの養成学校を見学しようという事になりました。
大勢の観客の前で即戦力になるスタントマンを訓練する学校ですから、授業は過酷なものですが、素人でも出来そうなスタントは、カースタントだというのです。
猛スピードで走る車の屋根にしがみ付き、車が急ブレーキをかけるのだそうです。
すると、その瞬間に屋根の上の人間が前方に転がり落ちるというスタント。
聞いているだけで、ぞっとするような危険なワザと言えるでしょうね。
そんな事を、素人が出来ますか、と聞いたところ
「OK,、ノー・プロブラムよー」
との事でした。
ついでに同じように、素人が体験出来るスタントがもう1つある、というのでそれを見学したところ、炎のスタントがありました。
これは防火服の上から火をつけると、全身が炎に包まれ、過激で危険な演技なのです。
しかし、先生の講義をしっかり聞いて、手順さえ間違いが無ければ、素人でも可能な演技だというのです。
こうなったら、この罰ゲームは2つとも「採用!」です。
その結果、オーランドでは、もう1つクイズをやる事になりました。
それが、オーランド・パート2、その夜グッスリと眠っている挑戦者の部屋を突如襲う「突撃、奇襲クイズ」だったのです。
これは罰ゲームが先に決まったために、行なわれたクイズだったのでした。