ウルトラ再放送のニュースです

メリカ横断ウルトラクイズは70年代の後半に始まって、17年間に亘って放送された番組です。
番組が終了してすでに20年以上も経っている番組ですが、何と未だに番組を懐かしんで下さる方、また番組は見た事が無いけれども、噂で聞いて興味を持って下さる方が実に多いので驚かされています。
番組の最初から最後まで、スタッフとして関わった私がブログを書き始めて、その反響の凄さに一番びっくりしています。
この様な古い番組、新しい物が好きなテレビ視聴者から見れば骨董品のような昔の番組の話を書いて、どれだけの方が興味を持って下さるか、全く予想外の反響に仰天です。
改めて、あの番組の持つパワーの凄さを再確認させられました。

の様に話題の番組が、何故日本テレビで再放送されないのか、不思議に思っていました。実は、日本テレビでも、現在の社員の方達が理解していないのかなあ、と思っていたらそうでもなかったようです。
何故なら数年前からウルトラクイズのグッズが発売されたり、ウルトラ関連のイベントが開かれたり、静かな動きがありました。
そして、今度は他のCS放送で再放送が決まったのです。

ロゴ

これはすでに挑戦者のブログで発表されていますので、ご存じの方も多いと思いますが、詳しくお伝えしたいと思います。
実は4月30日に、私もCSファミリー劇場の担当プロデューサーに招かれて、番組の打ち合わせに参加いたしました。
というのは、ウルトラクイズ第12回本編の他、番組宣伝のための、座談会番組が3本制作され、その内の1本に私も出演する事になったのです。
他の2本は、ウルトラハットを制作した美術スタッフ、それに12回の挑戦者の皆さん数名で、司会は小倉淳さんで、これから収録されます。

放送媒体は、CSファミリー劇場です。
放送日は2014年6月から1年間(放送回数は期限内無制限)つまり、第12回が何回か放送されるというお話です。
おそらく、反響次第で他の回も放送の可能性があるのでしょう。
では、何故再放送が第12回なのか、という疑問が湧いてくると思います。
第12回は北極圏から南極圏まで、南北アメリカ大陸縦断という破天荒な企画でした。
それで、選ばれたのかと思いましたが、実はもっと別の理由があったのですね。

年は、ワールドカップサッカー、ブラジル大会が行われます。
世界の目がブラジルに向かうので、ブラジルを舞台にしたウルトラクイズは12回だったので、それが理由だったのです。

テレビは常に世の中の動きに敏感な業界なので、この理由は多くの人が納得すると思います。
6月からスカパー「ファミリー劇場」で再放送される第12回「アメリカ横断ウルトラクイズ」、どうぞご期待ください。
今日は番組宣伝 でした。

郷に入れば郷に従え

メリカ横断ウルトラクイズでは、同じ街に何度か訪れるという事も良くありました。
まず、グアム、ハワイはお決まりのコースだったので、飽きもせず毎回訪れています。
また、アメリカ本土の入り口として、ロサンゼルス、サンフランシスコも何度となく訪れ、その都度クイズ会場を決めるのにあれこれと悩みました。
思いつくままに挙げるなら、ラスベガスワシントン、アトランタメンフィス、この様な街にも複数回訪れていました。
中でも思い出深いのはニューオリンズです。

初は確か第4回だったと思いますが、その後も何度か訪れクイズを行っています。
ニューオリンズと言えば、誰でも思い浮かぶのがジャズの本場という事でしょう。
第15回でニューオリンズへ行った時の事です。
考えてみれば、何度もこの地へ来ているのに本格的にジャズのクイズをやった事が無いのに気が付きました。

New-orleans

ジャズが生まれた本場に来たのだから、クイズの全編をジャズで埋め尽くしたらどうなのか、という意見が出ました。
制作スタッフの全員がジャズ好きなら問題はないのですが、中にはヘソの曲がった人間も結構いたりします。
「ロックなら良いけど、ジャズなんて古臭い!」
と極端な意見を吐いて反対する若者もいました。
しかし、戦後アメリカ文化に憧れた私の年代はジャズファンが圧倒的に多かったので、
「本場に行くのだから本場の魅力を存分に出そう」と、強引に説得を始めたのです。
そして、ロケハンでは本場のジャズを存分に堪能し、スタッフ会議ではジャズの魅力を力説しました。
「全編ジャズで番組は面白くなるのか?」という不安の声もありました。
しかし、その様な心配を全て吹き飛ばすほど、ジャズ尽くしのクイズは楽しいものになりました。

イズ会場はフレンチ・クオーターのバーボンストリート

BourbonSt

ジャズのお店がずらりと軒を並べ、夜ともなるとアチコチのお店のドアから、軽快なジャズのリズムが流れて来るのです。
この地で、バンドマンによる美しいジャズのメロディーが奏でられる中、ジャズの歴史をお勉強しようという仕掛けでクイズを行いました。
しかも、クイズの形式は、挑戦者にジャズの知識が全く無くても答えられるような方法にしたのです。
即ち、3択クイズです。
例えば以下のような問題が並んだのです。

・ニューオリンズ・ジャズと時を同じくして、お馴染のデキシーランド・ジャズが生まれましたが、これを演奏していたのは誰?
①白人  ②黒人  ③インディアン

・①

解説
労働者階級の黒人が作ったジャズという音楽を、白人たちも演奏し始めたのです。当時、黒人たちの演奏するジャズを「ニューオリンズ・ジャズ」というのに対して白人の演奏するものを「デキシーランド・ジャズ」と呼んで区別していました。

・クラシックの殿堂、カーネギーホールで、史上初のジャズコンサートを開いたスウィングの王様と言えば誰?
①ベニー・グッドマン  ②グレン・ミラー  ③デューク・エリントン

BennyGoodman

・①

解説
ベニー・グッドマンはラジオ番組で人気を博し、スウィング時代に一番最初に成功し、スウィングの王様と呼ばれた人物です。
ゲレンミラーは不滅のバンドリーダーとして、映画にもなった伝説の人。ジェームス・スチュワートの主演でアカデミー賞にもノミネートされています。
デューク・エリントンは、ジャズの神様と呼ばれ、名作「A列車で行こう」はその代表作です。
この様なクイズをジャズ演奏の流れる中で行いました。
本場へ行ったら、本場の味を堪能する。自然の流れ逆らってはいけません。

クイズ問題の定石・原産地クイズ

メリカ横断ウルトラクイズでは毎年多数のクイズ問題を作りました。
そのようなクイズ問題も、分類すると幾つかのパターンがあって、その範疇で問題が作られている事が解ります。
各大学に誕生したクイズ研究会なども、多分この様な分析をして予想問題を作っていた事でしょう。
謂わば我々と常にクイズ問題の予想で競争をしていたのかも知れません。
当時のニュース時事問題などは、お互いにクイズにしたら、どのような視点で問題化するか、その辺の戦いだったように思います。
さて、クイズ問題の定石ともいえる分野に、原産地を当てるという形式があります。
これなどは、単に原産地が何処? だけでなく、その名前の由来や流通コース、それに関わった人物などがあれば、話のネタとして発展して行きます。
他の番組のクイズでも良く出題されるものに、カボチャの原産地は? というのがありますね。カボチャはカンボジアが原産なので「カボチャ」の名がついたというような説明を聞いた事が有るような気がします。
これは単なる記憶で、裏は取ってありませんので、念のため。

ウルトラクイズでも、この様な問題は多数出題されていましたが、具体的に挙げるなら第4回のアルバカーキーで出題されていました。
・インディアンのかつての主な作物で、黄色い実が規則正しく並ぶイネ科の植物は何?

corn

・トウモロコシ

解説
黄色い実が正しく並ぶ穀物、小学生でも想像で正解出来そうな易しい問題でした。
初期の頃の問題なので、非常に単純な文章の出題でしたが、このクイズの解説では幾つかの情報を伝えています。
トウモロコシは中南米が原産で、その高度な文明を支える源泉になっていたという事です。
中南米のインディオは、その昔は大変高度な文明を持っていたのは知られた話です。
更に、面白いのはこれを西欧諸国に持ち帰って伝えたのは、あのアメリカ大陸を発見したコロンブスだったのだそうです。
コロンブスがトウモロコシを世界に広めた元祖だったとは、あまり知られていないエピソードでした。
ついでに言うなら、煙草もコロンブスが持ち帰って、西欧諸国に広まったのは有名な話ですね。
その他、サツマイモ、ジャガイモ、トマト、ホウレンソウ、キャベツ、この様な野菜や果物の原産地は何処? というのはほとんどのクイズ番組で出題されていますが、我々の番組では多分単純に国を当てるという形式ではなく、それにまつわれエピソードを問題点にしていたように思います。
要はストレートの直球よりも、カーブやフォークボール、スプリットのような変化球が好きだったという事のようです。

変化球

一言で表すと 素直じゃない! ピンポーンです。